この記事ではリレーの『TV定格』について
- リレーの『TV定格』とは
- 各負荷における突入電流と定常電流の割合
などを図を用いて分かりやすく説明しています。
リレーの『TV定格』
リレーのTV定格は突入電流を考慮した接点の定格です。突入電流が流れる負荷に対して、リレーが開閉できる程度を示しています。
TV定格には「TV-3」,「TV-4」,…,「TV-15」等があります。上図の左下の表に示すように各TV定格に対して、流すことができる定常電流と突入電流が決まっています。なお、「TV-」の後に続く数字は定常電流の値となっており、例えば、「TV-3」の「3」は定常電流3Aということを意味しています。
突入電流が大きい場合、接点の消耗量が増加し、接点の溶着、表面の汚れ(平面度の劣化)が生じる可能性があります。また、異物付着なども生じる可能性があります。その結果、接点の電気的寿命が短くなります。
突入電流が流れる負荷には、コンデンサ、ソレノイド、白熱電球、モータ等があります。例えば、負荷がコンデンサを含む負荷の場合、リレーON時にコンデンサに充電電流により、突入電流が流れます。各負荷における突入電流と定常電流の割合は以下のようになっています。
補足
- TV定格はUL規格およびCSA規格の中に記載されており、開閉試験(耐久テスト)では、負荷はタングステンランプを使用し、トータル25000回の開閉に耐えることを要求しています。
- タングステンランプ負荷の場合、突入電流が定常電流の約10倍程度流れます。
- 交流電源の場合、リレーON時における交流電源の位相により、突入電流のピーク値が大きく異なります。そのため、交流電源の位相が最悪の時(突入電流が一番流れる時)でリレーの評価を行う必要があります。
- テレビの電源用リレーにはTV定格を取得しているリレーである必要があります。
- TV定格はアメリカのテレビの火災事故をきっかけにテレビ用に対して設けられました。
まとめ
この記事ではリレーの『TV定格』ついて、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- リレーの『TV定格』とは
- 各負荷における突入電流と定常電流の割合
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