その他

【パッシェンの法則とは?】『式』や『最小値を持つ理由』などを説明します!

スポンサーリンク


この記事ではパッシェンの法則について

  • パッシェンの法則とは
  • パッシェン曲線で最小値を持つ理由

などを図を用いて分かりやすく説明しています。

以下の目次から各項目に飛べるようになっています。

パッシェンの法則とは

パッシェンの法則

パッシェンの法則は「火花放電がおこる電圧(火花電圧)」に関する法則です。

火花電圧は気圧\(p\)と電極間距離\(d\)の積(\(pd\))の関数で決まり、その関係は上図のようになります。この関係図はパッシェン曲線と呼ばれています。パッシェン曲線では縦軸に「火花電圧」、横軸に「気圧\(p\)×電極間距離\(d\)(\(=pd\))」を取ります。

なお、火花電圧\(V_S\)は式で表すと次式で表されます。

パッシェンの法則の式

\begin{eqnarray}
V_{S}=Ed&=&\displaystyle\frac{Bpd}{{\ln}\left(Apd\right)-{\ln}\left[{\ln}\left(1+\displaystyle\frac{1}{{\gamma}}\right)\right]}\\
&=&\displaystyle\frac{Bpd}{{\ln}\displaystyle\frac{Apd}{{\ln}\left(1+\displaystyle\frac{1}{{\gamma}}\right)}}\tag{1}
\end{eqnarray}

\(p\):気圧\({\mathrm{[Torr]}}\)
\(d\):電極間距離\({\mathrm{[cm]}}\)
\(A,B\):定数(気体の種類によって異なる)
\({\gamma}\):陰極電極の状態、電界、イオンの種類で変化する値

なお、パッシェン曲線と(1)式で特徴的なのは以下の3点となります。

パッシェン曲線で特徴的な点

  1. 火花電圧が最小となる\(pd\)の値が存在すること
  2. パッシェン曲線は気体の種類によって異なること
  3. 陰極電極の状態で火花電圧\(V_S\)が変化すること

補足

  • 火花電圧は気体の種類によって異なり、\(pd\)が\(10^0~10^1\mathrm{[Torr・cm]}\)の範囲で火花電圧が最小値となります。
  • パッシェンの法則は平行電極間での放電を前提にしています。針状電極の場合は火花電圧が低くなります(放電しやすくなります)。
  • \(\mathrm{Torr}\)(トル)は圧力の単位であり、\(\displaystyle\frac{101325}{760}{\mathrm{[Pa]}}\)と定義されています。これは標準大気圧の\(\displaystyle\frac{1}{760}\)という意味であり、約\(133.322{\mathrm{[Pa]}}\)となります。

気体の密度は気圧に比例し、絶対温度に反比例します。そのため、温度が一定の場合、パッシェンの法則の最小点から左側では気体の密度が小さくなっています。

パッシェン曲線について

パッシェン曲線について

パッシェン曲線において、\(pd\)を大きいところから小さくしていくと、火花電圧が小さくなりますが、\(pd\)がある点以下になると火花電圧が小さくなるのではなく、急激に大きくなります。

そのため、パッシェン曲線はカタカナの「レ」のような形となります。すなわち、火花電圧が最小となる\(pd\)の値が存在しているということです。この理由について、次に説明します。

最小点から左側

最小点から左側では\(pd\)を小さくしていくと、火花電圧が大きくなります。ここで、気圧\(p\)が低い時と、電極間距離\(d\)が短い時に分けてなぜ、火花電圧が大きくなるのかを説明します。

  • 気圧\(p\)が低い時
  • 火花放電は電界で加速された電子が気体分子と衝突し、気体分子を電離させることによって生じています。そのため、気圧\(p\)が低い時(気体の密度が小さい時)は電極間に高電圧を印加して電子を電界によって加速させても、電子が気体分子と衝突する回数が少なく、放電が成長しません。そのため、火花電圧が大きくなります。

  • 電極間距離\(d\)が短い時
  • 電子の加速期間が短いため、加速不足となり、電子が気体分子と衝突しても気体分子を電離させることができず、放電が成長しません。そのため、火花電圧が大きくなります。

最小点から右側

最小点から右側では\(pd\)を大きくしていくと、火花電圧が大きくなります。ここで、気圧\(p\)が高い時と、電極間距離\(d\)が長い時に分けてなぜ、火花電圧が大きくなるのかを説明します。

  • 気圧\(p\)が高い時
  • 気圧\(p\)が高い時(気体の密度が大きい時)は電子が気体分子と衝突する確率は大きくなりますが、衝突から次の衝突までに電子の加速期間が短いため、加速不足となり、電子が気体分子と衝突しても気体分子を電離させることができず、放電が成長しません。そのため、火花電圧が大きくなります。

  • 電極間距離\(d\)が長い時
  • 電極間距離\(d\)を長くすると、電極間の電界の大きさが小さくなります。そのため、電子が加速不足となり、電子が気体分子と衝突しても気体分子を電離させることができず、放電が成長しません。そのため、火花電圧が大きくなります。

補足

  • パッシェンの法則はドイツの物理学者であるフリードリッヒ・パッシェンが1889年に発見しました。
  • パッシェンの法則は英語では「Paschen's law」と書きます。
  • 火花電圧は「放電開始電圧」や「絶縁破壊電圧」とも呼ばれています。

まとめ

この記事ではパッシェンの法則ついて、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • パッシェンの法則とは
  • パッシェン曲線で最小値を持つ理由

お読み頂きありがとうございました。

当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧には以下のボタンから移動することができます。

全記事一覧

スポンサーリンク
スポンサーリンク

© 2020 Electrical Information Powered by AFFINGER5