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トランジスタやダイオードの型番の読み方とルール

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半導体素子の型番にはルールがあります。このルールを理解すると型番を読むだけで何の種類の半導体か(「ダイオード」か「バイポーラトランジスタ」か「MOSFET」かなど)が分かるようになります。しかし、型番のルールは日本とアメリカで違います。これがやっかいなのです。

日本の型番ルール(例:2SC1815)

日本における半導体素子の型番は「JIS C 7012:1982」という規格に基づいて決まっており、EIAJ(日本電子機械工業会)に登録されていました。しかし、「JIS C 7012:1982」は1993年に廃止され、現在、半導体素子の型番はJEITA (社会法人 電子情報技術産業協会)のED-4001A(個別半導体デバイスの形名←1993年に制定し、2005年に改正) という規格に基づいて決まっており、JEITAに登録されています。1つの型番につき1社のみ割り当てられているので、電気的特性や形状が同じでも半導体メーカーが異なると、別の型名を割り当てます。

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アメリカの型番ルール(例:2N2222A)

アメリカにおける半導体素子の型番は「JESD370B」に基づいて決まっており、JEDEC (Joint Electron Device Engineering Council) に登録されています。JEITAと異なり、JEDECは同じ型番の半導体素子を2社以上の半導体メーカーが製造していることがあります。これは、1つの半導体メーカーが製造をやめても、その半導体を使用している製品に支障をきたさないためです。

半導体メーカーが独自に命名した型名(例:TK3R2E06PL)

日本とアメリカの型番の両方とも、型番だけを見ても半導体素子の電流や電圧の定格、パッケージ(TO-220など)が分かりません。使用する際には必ずデータシートで調べる必要があります。しかし、現在、半導体メーカーによって、電流や電圧の定格が分かるように独自に命名しているケースがあります。独自に命名した型番はハウスナンバーやハウスネームと呼ばれています。東芝の場合は、MOSFETは「TK・・・」バイポーラトランジスタは「TT・・・」、富士電機のMOSFETは「FM・・・」などです。

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読み方(日本の型番の場合)

トランジスタやダイオードの型番の読み方
トランジスタの型番は「2SC-9999(A)-(GR)」のような感じになっています(“()”で囲まれている個所は記載がない場合があります)。これからこの型番の読み方について説明します。

「2SC-9999(A)-(GR)」の”2”の意味

1文字目の数字には0~3のどれかが入ります。この数字は半導体素子の大分類を表しており、”0”以外は、有効電気的接続数-1となっています。例えば、ダイオードにはアノード(A)とカソード(K)の2つの接続箇所があります。そのため、「2-1=1」となって、ダイオードの場合には”1”が入ります。まとめると、

0:フォト・トランジスタ、フォト・ダイオード
1:ダイオード
2:バイポーラトランジスタ、FET(MOSFET、JFET)、サイリスタ、UJT
3:*FET(2ゲート)

*利得調整などの目的で2個のゲートを持つFETがあり、その場合は「3SK-9999」のように”3”で始まります。

「2SC-9999(A)-(GR)」の”S”の意味

2文字目の英文字は半導体を英訳したSemiconductorの頭文字の”S”です。

「2SC-9999(A)-(GR)」の”C”の意味

3文字目の英文字は半導体素子の機能と構造を表します。しかし、同じ英文字でもダイオードなどの1文字目が”1”の場合と、バイポーラトランジスタやFETの1文字目が”2”の場合で異なるので注意しましょう。

”1”の場合

頭文字3文字 種類
1S ダイオード
1SE エサキ・ダイオード(トンネルダイオード)
1SG ガン・ダイオード
1SR 整流用ダイオード
1SS 信号用ダイオード(一般用、検波用、周波数変換用、スイッチング用、ショットキー、バリヤ、点接触など)
1ST アバランシェ・ダイオード(インパット・ダイオード、なだれ走行ダイオード)
1SV 可変容量ダイオード(バリキャプダイオード)
1SZ ツェナー・ダイオード(定電圧ダイオード)

”2”の場合

頭文字3文字 種類
2SA PNP型の高周波用バイポーラトランジスタ
2SB PNP型の低周波用バイポーラトランジスタ
2SC NPN型の高周波用バイポーラトランジスタ
2SD NPN型の低周波用バイポーラトランジスタ
2SE PNP型とNPN型を組み合わせた複合トランジスタ(高周波用)
2SF Pゲートのサイリスタ、逆阻止サイリスタ、逆導通サイリスタ、PNP型とNPN型を組み合わせた複合トランジスタ(低周波用)
2SG Nゲートのサイリスタ、PチャネルIGBT
2SH UJT(ユニジャンクショントランジスタ、単接合トランジスタ)、PUT、NチャネルIGBT
2SJ *Pチャネル電界効果トランジスタ(FET)
2SK *Nチャネル電界効果トランジスタ(FET)
2SM トライアック(双方向サイリスタ)、ダイアック、Pチャネル型とNチャネル型を組み合わせた複合FET

*2SKと2SJ:型番だけでは、JFETとMOSFETなどの区別はできないです。

「2SC-9999(A)-(GR)」の”9999”の意味

11から始まる半導体素子の登録番号です。登録順なので数字に意味はありません。番号が大きいほど新しい半導体素子というくらいです。
 

「2SC-9999(A)-(GR)」の”A”の意味

改良番号です。原型から変更したものを区別する際に用います。改良型は番号の後にアルファゲットを付けて示します。入る英文字はA,B,C,D,E,F,G,H,I,J,Kの大文字が入ります。例えば”C”がついていたら3回半導体素子が原型から変更がされていることが分かります。

★ダイオードの場合
機械的・電気的に順方向素子と同じで、非対称パッケージで逆極性となっているダイオードには大文字のRを付けます。
★マイクロ波用ダイオード
外形寸法、極性が同じで電気的特性を有するところの一対のものには大文字のMを付けます。

この英文字は組み合わせて使用することがあります。例えば、CRとなっていると逆極性となっているダイオードが3回変更されていることを示します。

「2SC-9999(A)-(GR)」の”GR”の意味

増幅率(hfe)のランク分けです。同じ型番でも、増幅率の違いや信頼性などでランク分けを行い、型番の末尾にそれを識別する英文字が付けられていることがあります。下は2SC1815の場合です。ただ、決まったランク分けが決まっていないので、半導体メーカーや半導体の種類によって異なります。
O:70~140
Y:120~240
GR:200~400
BL:300~700

型番ルールまとめ

このように型番を読むとダイオードなのか、バイポーラトランジスタなのか、バイポーラトランジスタはNPN型なのか、PNP型なのか・・・などが分かるようになります。しかし、現在半導体メーカーによって独自に命名していることがあるので、その場合はデータシートを読みきちんと理解してから素子を使用することをオススメします。

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