この記事では変圧器の『損失比』と『全損失』について
- 損失比と全損失
- 損失比とは
- 全損失とは
を図を用いて説明しています。
損失比と全損失
変圧器は1次側から2次側へ電力を伝達する際、1次側に入力される電力がすべて2次側に出力されることはありません。鉄損(無負荷損)や銅損(負荷損)などの損失があるからです。
例えば、100のエネルギーを入力しても、出力には90のエネルギーしか出力されず、残りの10は鉄損(無負荷損)や銅損(負荷損)などの損失になるというイメージです。
ここで、変圧器の損失に関連する用語として、『損失比』と『全損失』があります。この記事ではこの『損失比』と『全損失』について詳しく説明しています。
損失比とは
損失比\({\gamma}\)は鉄損(無負荷損)\(P_I\)と定格負荷時の銅損(全負荷損)\(P_C\)の比率であり、以下の式で表されます。
\begin{eqnarray}
{\gamma}=\frac{定格負荷時の銅損(全負荷損)P_C}{鉄損(無負荷損)P_I}
\end{eqnarray}
分子が定格負荷時の銅損(全負荷損)\(P_C\)、分母が鉄損(無負荷損)\(P_I\)となります。損失比\({\gamma}\)は一般的には2~5程度となっています。
全損失とは
全損失\(W\)は鉄損(無負荷損)\(P_I\)と銅損(負荷損)\(P_{Cα}\)の和であり、以下の式で表されます。
\begin{eqnarray}
W=鉄損(無負荷損)P_I+銅損(負荷損)P_{Cα}
\end{eqnarray}
鉄損(無負荷損)と銅損(負荷損)とは
変圧器は負荷を使用していなくても通電しているだけで、損失が発生しています。この損失を鉄損(無負荷損)といいます。また、負荷を使えば使うほど大きくなる損失があります。この損失を銅損(負荷損)といいます。
まとめ
この記事では変圧器の『損失比』と『全損失』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- 損失比と全損失
- 損失比とは
- 全損失とは
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