『汚染度(汚損度)』とは?絶縁距離との関係や規格などについて

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電気機器の仕様書を見ると汚染度という用語が出てきます。

この記事ではこの汚染度について詳しく説明します。

汚染度とは

汚染度は絶縁距離(沿面距離や空間距離)を決定する重要な要素の1つであり、電気機器が使用される空気中に汚染物(ほこりなど)の有無汚染物の導電性の有無結露の有無などにより、1〜4段階に分類されています。

汚染度の数字が大きいほど、電気機器にとって厳しい環境となります。例えば、汚染度4は「汚染物有り、汚染物の導電性有り、結露有り」という環境になります。

汚染物が電気機器に付着すると絶縁性能が低下します。そのため、汚染度が大きいほど、絶縁距離を長くする必要があります。

また、汚染度は汚損度とも呼ばれています。また規格原文ではPollution Degreeと呼ばれています。

汚染度の分類

汚染度(汚損度)

汚染度の分類は国際規格IEC60664-1で規定されています。これから汚染度1〜4について説明します。

なお、汚染度2で設計された電気機器は汚染度1&汚染度2の環境で安全性を損なうことなく使用できることを、汚染度3で設計された電気機器は汚染度1〜汚染度3の環境で安全性を損なうことなく使用できることを示します。

汚染度1(Pollution Degree 1)

「汚染がない環境」、または「乾燥した非導電性の汚染物だけが存在している環境」が汚染度1となります。また、この汚染物は電気機器に対して絶縁性能にどのような影響を及ぼさないことが必要となります。

汚染度1の環境例

  • クリーンルーム
  • 容器で完全に密閉された環境
  • コーティングされたプリント基板(樹脂ポッティング)

このように、密閉やコーティングされた環境では、汚染物や湿気が入ってこないので汚染度1となります。

汚染度2(Pollution Degree 2)

「乾燥した非導電性の汚染物だけが存在している環境」が汚染度2となります。また、この汚染物は結露等によって一時的に導電性となることが想定されます。ほとんどの電気機器は汚染度2で設計されています。

汚染度2の環境例

  • オフィス、研究室、家庭などの環境
  • 制御盤内の電気機器
  • 事務機の使用環境

上記のような環境では、乾燥した汚染物が電気機器内部のプリント基板等に蓄積されます。蓄積したほこりは梅雨などの湿気の多い日の水分付着や結露などによって導電性となる場合がります。

汚染度3(Pollution Degree 3)

「乾燥した非導電性の汚染物(結露等によって一時的に導電性となる)が存在している環境」、または「導電性の汚染物(土など)が存在している環境」が汚染度3となります。

汚染度3の環境例

  • 湿気を含んだほこりや工作機械の切削粉などが多い環境(工場環境や工事現場など)

汚染度4(Pollution Degree 4)

「乾燥した非導電性の汚染物(雨、雪、その他の湿潤状態などにより常に導電性となる)が存在している環境」、または「導電性の汚染物(土など)が存在している環境」が汚染度4となります。

汚染度4の環境例

  • 屋外など雨や雪が想定される環境

【補足】沿面距離と空間距離に影響する要素

汚染度は絶縁距離(沿面距離や空間距離)を決定する際に重要な要素であり、一般的に汚染度が高い場合には大きな絶縁距離が要求されます。
しかし、汚染度だけでは沿面距離と空間距離の距離は決まりません。
沿面距離は汚染度CTI値で決まります。また、空間距離は汚染度過電圧カテゴリで決まります。

過電圧カテゴリについては以下の記事を参考にしてください。
過電圧カテゴリ(設置カテゴリ)とは?CATって何?

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