スルーホールとランドとビア・・・
これらは基板を扱う際によく聞く言葉です。
でも一体、基板においてスルーホールとランドとビアはどこなのでしょうか?
またこれらの用語の違いは何なのでしょうか?
今回、「これらの用語の違い」や「スルーホールの種類」などを詳しく説明します。
スルーホールとは
まず、スルーホールについて説明します。
スルーホールとは、基板穴の内面が銅メッキされており、電気的につながっている穴のことです。
スルーホールには
- 電子部品の端子を挿入して半田付けするための穴(専門用語は特にありません。今回は電子部品用スルーホール呼びます)
- 基板パターンの層間の導通を目的とした穴(ビアホール)
があります。
次に、電子部品用スルーホールとビアホールについて説明します。
電子部品用スルーホール
電子部品の端子を挿入して半田付けするための穴です。
電子部品用スルーホールはビアホールと比較すると電子部品を挿入するため、穴径が大きいのが特徴です。
ビアホール
基板パターンの層間の導通を目的とした穴です。
すなわち、電子部品を挿入しない穴ということになります。
層間で電流を多く流す部分には、ビアホールの数を増やすことで最大電流量を増やします。
ビアホールは、バイアホールまたはVIAホールとも呼ばれています。
ビアホールの種類
層間の導通を目的とするビアホールには種類があります。
大きく分類すると、
- 基板の全層を貫通するスルーホールビア
- 基板の一部を貫通するインタースティシャル(インナー)ビア
となります。
また、インタースティシャル(インナー)ビアには種類があります。
大きく分類すると、
- 基板の表面と内層を貫通するブラインドビア
- 基板の内層と内層を貫通するべリッドビア
となります。
ブラインドビアとべリッドビアは最低4層構造の基板のみに使用されます。
スルーホールビア
基板の全層を貫通するビアホールのことを、スルーホールビア(Through Hole Via)と呼んでいます。
スルーホールビアは、ドリル穴加工し,スルーホールめっきをすることで作成されます。
また、スルーホールビアは、占有面積を小さくするために出来るだけ小さな穴径が要求されます。
スルーホールビアはスルービア、貫通ビア、貫通ビアホール(Through Via Hole)とも呼ばれています。
インタースティシャル(インナー)ビア
基板の全層を貫通しないビアホールのことを、インタースティシャル(インナー)ビアと呼んでいます。
インタースティシャル(インナー)ビアは、インタースティシャルビアホール(IVH: Interstitial Via Hole)とも呼ばれています。
ブラインドビア
基板の表面と内層を貫通するビアホールのことを、ブラインドビア(Blind Via)と呼んでいます。
基板の表面と内層を貫通するため、基板の片側しか見えないビアです。
スルーホール穴と比較すると、穴あけはドリルではなくレーザで行われるのが特徴です。
ブラインドビアは、ブラインドビアホール(BVH:Blind Via Hole)とも呼ばれています。
べリッドビア
基板の内層と内層を貫通するビアホールのことを、べリッドビア(Buried Via)と呼んでいます。
基板の内層と内層を貫通するため、基板の表面から見えないビアです。
ブラインドビアと同じく、穴あけはドリルではなくレーザで行われるのが特徴です。
べリッドビアはベリード・ビア、べリードビアホール(Buried Via Hole)とも呼ばれています。
このべリッドベアをIVHと呼んでいることもあります。
ランドとは
次にランドについて説明します。ランドとは、電子部品用スルーホールにおいて、電子部品のピンをハンダ付けする部分のことです。
ランドの直径をランド径、ランド内径を穴径と呼んでいます。
ランドに開いてある穴には丸穴以外に、長穴や角穴があります。