回路

LLCコンバータの設計方法【詳細説明】

投稿日:

スポンサーリンク


この記事ではLLCコンバータの設計方法を詳しく説明します。

仕様

以下に今回設計するLLCコンバータの仕様を示します。この仕様を満たすように設計を進めます。

仕様

  • 入力電圧VIN:300~400[V]
  • 最小入力電圧をVIN(MIN)=300[V]、最大入力電圧をVIN(MAX)=400[V]とします。

  • 出力電圧VOUT:24[V]
  • 出力電流IOUT:5[A]
  • 出力電力POUT:120[W]
  • 順方向電圧VF:0.6[V]

設計前の準備

【設計準備】LLCコンバータの等価回路

LLCコンバータの設計では、最初にLLCコンバータを簡単な等価回路に変形することから始めます。以下にLLCコンバータを示します。
LLCコンバータの回路

ここで、VINは入力電圧、Q1とQ2はスイッチング素子(上図ではMOSFET)、NPは一次巻線の巻数、NSは二次巻線の巻数、nは巻数比、CRは共振キャパシタンス、LRは一次インダクタンス(オープンインダクタンス)、LS1およびLS2は二次インダクタンス、D1とD2は出力ダイオード、COUTは出力コンデンサ、ROUTは出力抵抗となっています。

漏れインダクタンスと励磁インダクタンスを考慮すると以下の回路となります。
LLCコンバータの等価回路01

ここで、LLKPは(一次)漏れインダクタンス、LMは励磁インダクタンス、LLKSは(二次)漏れインダクタンスとなります。一次インダクタンス(オープンインダクタンス)LPは二次側トランスをオープンにして測定するインダクタンスのことであり、以下の式で表すことができます。
\begin{eqnarray}
L_{P}= L_{M}+L_{LKP}
\end{eqnarray}
(二次)漏れインダクタンスLLKSを一次側に換算すると以下の回路となります。
LLCコンバータの等価回路02

整流回路を交流等価抵抗RACに換算すると以下の回路となります。
LLCコンバータの等価回路04

上図の回路において、交流等価抵抗RACは以下の式で表すことができます。
\begin{eqnarray}
R_{AC}=\frac{8n^2}{{\pi}^2}R_{OUT}
\end{eqnarray}

また、ショートインダクタンスLRは二次側トランスをショートにして測定するインダクタンスのことであり、以下の式で表すことができます。
\begin{eqnarray}
L_{R}= L_{LKP}+L_{M}//L_{LKP}
\end{eqnarray}

LLCコンバータは一般的には上図の等価回路を用いて設計を行います。なお、(二次)漏れインダクタンスLLKSを考慮していない設計例もあります。

【設計準備】LLCコンバータの共振周波数

LLCコンバータには共振周波数が2つあります。以下に各共振周波数を示します。

  • ショートインダクタンスLRと共振キャパシタンスCRによる共振周波数f0と共振角周波数ω0
  • \begin{eqnarray}
    f_{0}=\frac{1}{2{\pi}\sqrt{L_{R}C_{R}}}\\
    {\omega}_{0}=2{\pi} f_{0}=\frac{1}{\sqrt{L_{R}C_{R}}}
    \end{eqnarray}

  • 一次インダクタンス(オープンインダクタンス)LPと共振キャパシタンスCRによる共振周波数fPと共振角周波数ωP
  • \begin{eqnarray}
    f_{P}=\frac{1}{2{\pi}\sqrt{L_{P}C_{R}}}\\
    {\omega}_{P}=2{\pi}f_{P}=\frac{1}{\sqrt{L_{P}C_{R}}}
    \end{eqnarray}

【設計準備】伝達関数Mのグラフ

LLCコンバータの設計ではまず伝達関数Mの周波数特性から考えます。LC共振回路の特性インピーダンスZ0は以下の式で表すことができます。
\begin{eqnarray}
Z_{0}=\sqrt{\displaystyle\frac{L_{R}}{C_{R}}}
\end{eqnarray}
また、Q値は交流等価抵抗RACとLC共振回路の特性インピーダンスZ0の比であり、以下の式で表すことができます。
\begin{eqnarray}
Q=\displaystyle\frac{ Z_{0}}{R_{AC}}=\displaystyle\frac{\sqrt{\displaystyle\frac{L_{R}}{C_{R}}}}{R_{AC}}
\end{eqnarray}
また、ショートインダクタンスLRと共振キャパシタンスCRによる共振周波数f0とスイッチング周波数fSWの比を正規化周波数fNと定義します。
\begin{eqnarray}
f_{N}=\frac{f_{SW}}{ f_{0}}
\end{eqnarray}
この場合、LLCコンバータの伝達関数Mは以下の式で表すことができます。

  • 結合係数k(励磁インダクタンスLMと一次インダクタンス(オープンインダクタンス)LPのインダクタンス比)を用いる場合
  • \begin{eqnarray}
    M=\frac{2n(V_{OUT}+ V_{F})}{V_{IN}}=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{\left(\displaystyle\frac{1}{k}\left(1-\displaystyle\frac{1-k^2}{{f_{N}}^2}\right)\right)^2+\left(\displaystyle\frac{Q}{k}\left(f_{N}-\displaystyle\frac{1}{ f_{N}}\right)\right)^2}}
    \end{eqnarray}

  • 励磁インダクタンスLMと漏れインダクタンスLLKPのインダクタンス比mを用いる場合
  • \begin{eqnarray}
    M=\frac{2n(V_{OUT}+ V_{F})}{V_{IN}}=\left |\displaystyle\frac {\left(\displaystyle\frac{{f_{SW}}^2}{{f_{P}}^2}\right) \displaystyle\frac{m}{m+1}}{\left(1-\displaystyle\frac {{f_{SW}}^2}{{f_{P}}^2}\right)+j f_{N}(1-{f_{N}}^2)Q\displaystyle\frac {(m+1)^2}{2m+1}}\right |
    \end{eqnarray}

上記の式は基本波近似法(FHA)を用いて近似計算することで求めることができます。

また、上式において、正規化周波数fNが変化した時の伝達関数Mをグラフ化すると、以下のように表すことができます。
【LLCコンバータ】伝達関数Mのグラフ

負荷が重くなると、交流等価抵抗RACが小さくなるため、Q値が小さくなります。負荷が軽くなると、交流等価抵抗RACが大きくなるため、Q値が大きくなります。

Q値の大小によって伝達関数Mのグラフは以下のように変化します。

  • Q値が小さいほど、伝達関数Mのピーク値MPEAKが低域に移動し、かつピーク値MPEAKが高くなります。
  • Q値が大きいほど、伝達関数Mのピーク値MPEAKが高域に移動し、かつピーク値MPEAKが低くなります。

また、正規化周波数fNが1の時(スイッチング周波数fSWが共振周波数f0と等しくなる時)ではQ値が変わっても伝達関数Mの値は変化しません。すなわち、LLCコンバータは共振周波数f0を基準にして動作していることになります。

ではこれからLLCコンバータの設計方法について説明します。

LLCコンバータの設計

【設計1】励磁インダクタンスLMと漏れインダクタンスLLKPの比mを選定する

まず、励磁インダクタンスLMと漏れインダクタンスLLKPのインダクタンス比mを設計します。インダクタンス比mが変化した時における伝達関数Mのグラフを以下に示します(Q=0.31の時)。
【LLCコンバータ】励磁インダクタンスと漏れインダクタンスの比mを選定する

インダクタンス比mの値が小さいほど、伝達関数Mのピーク値MPEAKが高くなりますが、励磁インダクタンスLMが小さくなるため、トランスの結合が悪くなり、効率が悪化します。一般的にはインダクタンス比mの値は5~10を選定します。ここでは、mの値を
\begin{eqnarray}
m=\frac{L_{M}}{L_{LKP}}=8
\end{eqnarray}
として設計を進めます。
インダクタンス比mが分かれば、結合係数kを求めることができます。結合係数kは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
k=\frac{L_{M}}{L_{P}}=\frac{L_{M}}{L_{M}+L_{LKP}}=\displaystyle \frac{\displaystyle\frac{ L_{M}}{ L_{LKP}}}{\displaystyle\frac{ L_{M}}{ L_{LKP}}+1 }==\frac{m}{m+1}=0.888
\end{eqnarray}

【設計2】伝達関数Mの最小値MMINを求める

【LLCコンバータ】伝達関数Mの最小値MMINを求める
上図の伝達関数Mのグラフにおいて、負荷変動に対して、スイッチング周波数fSWの変化を最小限にするためには、正規化周波数fNが1となる箇所で動作をするのが最適となります。正規化周波数fNが1となる時(スイッチング周波数fSWが共振周波数f0と等しくなる時)、伝達関数Mは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
M_{(f_{N}=1)}=\frac{2n(V_{OUT}+ V_{F})}{V_{IN}}=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{\left(\displaystyle\frac{1}{k}\left(1-\displaystyle\frac{1-k^2}{1}\right)\right)^2+\left(\displaystyle\frac{Q}{k}\left(1-\displaystyle\frac{1}{1}\right)\right)^2}}=\frac{1}{k}=\frac{m+1}{m}=1.125
\end{eqnarray}
また、上図の伝達関数Mのグラフにおいて通常用いるのは、正規化周波数fNが1以下となる範囲です。そのため、この記事の設計でもスイッチング周波数fSWは正規化周波数fNが1以下となる範囲を用います。

この場合、正規化周波数fNが1となる時、スイッチング周波数fSWが最大スイッチング周波数fSW(MAX)であり、伝達関数Mが最小値MMINとなります。

ここで、伝達関数Mの最小値MMINは、「最大入力電圧VIN(MAX)=400V」かつ「無負荷」の時において、出力電圧VOUTを設計値(24V)まで下げられることができるように設定します。すなわち、伝達関数Mの最小値MMINは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
M_{MIN}=M_{(f_{N}=1)}= \frac{2n(V_{OUT}+ V_{F})}{V_{IN(MAX)}}=\frac{1}{k}=\frac{m+1}{m}=1.125
\end{eqnarray}

ここで、ショートインダクタンスLRと共振キャパシタンスCRによる共振周波数f0を100[kHz]に設計します。最大スイッチング周波数fS(MAX)は共振周波数f0と等しいため100[kHz]となります。

この時、共振角周波数ω0は以下の値となります。
\begin{eqnarray}
{\omega}_{0}=2{\pi}f_{0}=628318[rad/s]
\end{eqnarray}

以下にインダクタンス比mが5~10の時における結合係数k、伝達関数Mの最小値MMIN、一次インダクタンスLPと励磁インダクタンスLMの比を示します。
【LLCコンバータ】結合係数k、伝達関数Mの最小値MMIN、一次インダクタンスLPと励磁インダクタンスLMの比

【設計3】巻数比nを求める

巻数比nは以下の式で表すことができます。
\begin{eqnarray}
n=\frac{N_P}{N_S}=\frac{ V_{IN(MAX)}}{2(V_{OUT}+ V_{F})} M_{MIN}=9.146
\end{eqnarray}

【設計4】伝達関数Mの最大値MMAXを求める

伝達関数Mの最大値MMAXは、計算した巻数比nにおいて、「最小入力電圧VIN(MIN)=300V」かつ「定格負荷」の時においても、出力電圧VOUTを設計値(24V)まで下げられることができるように設定します。
\begin{eqnarray}
M_{MAX}=\frac{2n(V_{OUT}+ V_{F})}{V_{IN(MIN)}}=1.5
\end{eqnarray}

【設計5】伝達関数Mのピーク値MPEAKを求める

【LLCコンバータ】伝達関数Mのピーク値MPEAKを求める
m=8(k=0.88)における伝達関数Mの最小値MMINと最大値MMAXを伝達関数Mのグラフにプロットすると上図のようになります。

  • 「最大入力電圧VIN(MAX)=400V」の時には伝達関数MをMMIN=1.125に下げるためにスイッチング周波数fSWを上げます。
  • 「最小入力電圧VIN(MIN)=300V」の時には伝達関数MをMMAX=1.5に上げるためにスイッチング周波数fSWを下げます。

伝達関数Mのグラフにおいて、伝達関数Mのピーク値MPEAKの左側の領域で使用することがないように、伝達関数Mのピーク値MPEAKは伝達関数Mの最大値MMAXよりも大きくする必要があります。
伝達関数Mのピーク値MPEAKをMMAXの20%の余裕を取ると、ピーク値MPEAKは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
M_{PEAK}=1.2 M_{MAX}=1.8
\end{eqnarray}
余裕度は大きい方が良いが、大きくするほど、Q値が小さくなり、共振コンデンサCRを大きくする必要があり、損失が増加してしまいます。余裕度の最適値は10%~20%となります。

【設計6】Q値を選定する

伝達関数の式において、Q値と結合係数kを変えた時における伝達関数Mのピーク値MPEAKをプロットすると、以下のグラフを作成することができます。
【LLCコンバータ】Q値を選定する

ここで、Q値を0.31付近に設定すれば、mが8の時におけるMPEAKが1.8になることが分かります。

【設計7】出力抵抗ROUTと等価直列抵抗RACを求める

出力抵抗ROUTと等価直列抵抗RACは以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
R_{OUT}=\frac{V_{OUT}}{ I_{OUT}}=4.8[Ω]\\
R_{AC}=\frac{8n^2}{{\pi}^2}R_{OUT}=325.4[Ω]
\end{eqnarray}

【設計8】キャパシタンスとインダクタンスを求める

共振キャパシタンスCRは以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
C_{R}=\frac{1}{{\omega}_{0} R_{AC}Q}=0.0158[uF]
\end{eqnarray}
上記で求めた共振キャパシタンスCRに近い素子値を選定します。今回は共振キャパシタンスCRは0.015[uF]としました。

選定した共振キャパシタンスCRにおいてはQ値は以下の値となります。
\begin{eqnarray}
Q=\frac{1}{{\omega}_{0}C_{R}R_{AC} }=0.326
\end{eqnarray}

ショートインダクタンスLRは以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
L_{R}=\frac{1}{{{\omega}_{0} }^2 C_{R}}=168.9[uH]
\end{eqnarray}

一次インダクタンス(オープンインダクタンス) LPは以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
L_{P}=\frac{1}{1-k^2}L_R=\frac{(m+1)^2}{2m+1}L_R=804.6[uH]
\end{eqnarray}

漏れインダクタンスLLKPと励磁インダクタンスLM以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
L_{LKP}=(1-k) L_{P}=89.4[uH]\\
L_{M}=kL_{M}=715.2[uH]
\end{eqnarray}

一次インダクタンス(オープンインダクタンス) LPと共振キャパシタンスCRとの共振周波数fPは以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
f_{P}=\frac{1}{2{\pi}\sqrt{L_{P}C_{R}}}=45.8[kHz]
\end{eqnarray}

結合係数k、Q値、巻数比n、共振周波数f0の選定が終わったので、以下の式において、スイッチング周波数fSWを変化させた時の出力電圧VOUTを求めることができます。グラフにプロットすると以下のようになります。
【LLCコンバータ】スイッチング周波数fSWを変化させた時の出力電圧VOUT

上図のグラフより、スイッチング周波数の最小値fSW(MIN)は約67kHzになることが分かります。

【設計9】トランスのコアサイズの選定

今回はPC47材のEER28Lのコアを選定しました。EER28Lの実効断面積Aeは81.4[mm2]となります。以下にコアと実効断面積Aeの一覧表を示します。
【LLCコンバータ】トランスのコアサイズの選定

【設計10】選定したコアの磁束密度BMの確認

以下にPC47材のBH曲線を示します。ばらつきを含めてコアが飽和しないようにする必要があります。そこで余裕をみると使用する磁束密度BMは0.2T以下になるように設計する必要があります。
【LLCコンバータ】選定したコアの磁束密度BMの確認

【設計11】トランスの最小一次巻線数NP(MIN)の導出

LLCコンバータの場合、トランスには正負の電流が流れるため、磁束密度BMの2倍がΔBとなります。
【LLCコンバータ】選定したコアの磁束密度BMの確認02

そのため、ΔBは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
{\Delta}B=2B_{M}=0.4[T]
\end{eqnarray}
ここで、最小一次巻線数NP(MIN)は以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
N_{P(MIN)}=\frac{n(V_{OUT}+V_{F})}{2f_{SW(MIN)}{\Delta}BAe}=51.1[turns]
\end{eqnarray}
上記で求めた最小一次巻線数NP(MIN)よりも小さな値にすることで、ΔBの増加を抑えることが出来ます。
また上式はET=BAeNの式を用いることで導出することができます。
【LLCコンバータ】ET=BAeNの式を用いることで導出

【設計12】トランスの二次巻線数NSの導出

巻数比nと最小一次巻線数NP(MIN)が求まったので、二次巻線数NSを導出することができます。二次巻線数NSは以下の式で求める値よりも大きな値を選定します。
\begin{eqnarray}
N_{S}{>}\frac{N_{P(MIN)}}{n}=5.59[turns]
\end{eqnarray}
したがって、二次巻線数NSは6[turns]とします。

【設計13】トランスの一次巻線数NPの導出

一次巻線数NPは以下の式で求める値よりも大きな値を選定します。
\begin{eqnarray}
N_{P}{>}nN_{S}=54.88[turns]
\end{eqnarray}
したがって、一次巻線数NPは55[turns]とします。

選定した一次巻線数NPと二次巻線数NSより実際の巻数比nは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
n=\frac{N_{P}}{N_{S}}=9.17
\end{eqnarray}

【設計14】励磁インダクタに流れる電流iLMのピーク値ILM(PEAK)

励磁インダクタに流れる電流iLMのピーク値ILM(PEAK)は以下の値となります。
\begin{eqnarray}
I_{LMPEAK}=\frac{n(V_{OUT}+V_{F})}{4L_{M}f_{SW(MIN)}}=1.18[A]
\end{eqnarray}

【設計15】二次巻線に流れる電流iS

二次巻線に流れる電流iSのピーク値ISPEAKや実行値ISRMSは正弦波を全波整流した波形と近似して計算を行います。二次巻線に流れる電流iSの平均値ISAVEが出力電流IOUTと等しくなるため、以下の式で表すことができます。
\begin{eqnarray}
I_{SAVE}= I_{OUT}=5[A]
\end{eqnarray}
そのため、二次巻線に流れる電流iSのピーク値ISPEAKは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
I_{SPEAK}=\frac{{\pi} I_{OUT}}{2}=7.85[A]
\end{eqnarray}
二次巻線に流れる電流iSの実効値ISRMSは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
I_{SAVE}=\frac{1}{\sqrt{2}} I_{SPEAK}=\frac{{\pi} I_{OUT}}{2\sqrt{2}}=5.55[A]
\end{eqnarray}

補足

上記のように二次巻線に流れる電流を正弦波と近似することで、二次巻線に流れる電流iSのピーク値ISPEAKや実行値ISRMSを求めることができますが、あくまで近似計算の結果なので、実際の測定値は計算結果よりも多少大きくなります。

【設計16】一次巻線に流れる電流iP

巻数比nと二次巻線に流れる電流iSが分かるので、一次巻線に流れる電流iPののピーク値IPPEAKと実行値IPRMSを計算することができます。一次巻線に流れる電流iPのピーク値IPPEAKは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
I_{PPEAK}=\frac{I_{SPEAK}}{n}=\frac{{\pi}I_{OUT}}{2n}=0.86[A]
\end{eqnarray}
一次巻線に流れる電流流iPの実効値IPRMSは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
I_{PRMS}=\frac{I_{SRMS}}{n}=\frac{{\pi} I_{OUT}}{2\sqrt{2}n}=0.61[A]
\end{eqnarray}

【設計17】共振キャパシタCRに流れる電流iR

共振キャパシタCRに流れる電流iRのピーク値IRPEAKは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
I_{PPEAK}=\sqrt{{I_{LMPEAK}}^2+{I_{PPEAK}}^2}=\sqrt{\left(\frac{n(V_{OUT}+V_{F})}{4L_{M}f_{SW(MIN)}}\right)^2+\left(\frac{{\pi} I_{OUT}}{2n}\right)^2}=1.46[A]
\end{eqnarray}
共振キャパシタCRに流れる電流iRの実効値IRRMSは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
I_{RRMS}=\frac{1}{\sqrt{2}}I_{RPEAK}=\sqrt{\left(\frac{n(V_{OUT}+V_{F})}{4\sqrt{2}L_{M}f_{SW(MIN)}}\right)^2+\left(\frac{{\pi} I_{OUT}}{2\sqrt{2}n}\right)^2}=1.03[A]
\end{eqnarray}
一次巻線と二次巻線の線径は計算で求めた実効値によって選択します。

【設計18】共振キャパシタCRにかかる電圧vC

共振キャパシタCRにかかる電圧vCのピーク値VCPEAKは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
V_{CPEAK}=\frac{V_{IN(MAX)}}{2}+\frac{I_{RPEAK}}{2{\pi}f_{0}C_{R}}=346.8[V]
\end{eqnarray}
入力電圧が最大値VIN(MAX)の時には、共振キャパシタCRに流れる電流iCはピーク値IPPEAKまで達しないため、実際にはここまでピーク値は大きくなりません。

シミュレーションで動作確認

LTspiceを用いて設計値において正常に動作をするか確認してみます。
設計値を求めた後にシミュレーションで動作確認を行うと、電流電圧波形からピーク値等が計算できますし、設計に間違いがないかを確認することができます。以下に今回のパラメータにおけるシミュレーション結果を示します。
【LLCコンバータ】設計したパラメータにおけるシミュレーション結果

シミュレーションモデルは以下のようになっています。
【LLCコンバータ】シミュレーションモデル

まとめ

この記事ではLLCコンバータについて、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • LLCコンバータの設計方法
  • 設計したパラメータにおけるシミュレーション結果

お読み頂きありがとうございました。

当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧には以下のボタンから移動することができます。

全記事一覧

スポンサーリンク
スポンサーリンク

Copyright© Electrical Information , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.