【基板】パターン幅と許容電流について!1mmで1Aの根拠は?

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基板設計において度々聞くパターン幅1mmで許容電流1Aという言葉・・・。
この1mm1Aの根拠やパターン幅と温度上昇の関係などを説明します。

1mmで1Aの根拠について

1mmで1Aの根拠
基板の銅箔厚み35μmにおいて温度上昇を10℃以内に抑えるための条件として、パターン幅1mmで許容電流1Aが目安となっています。

パターン幅と許容電流の関係

パターン幅と許容電流の関係01
『銅箔厚み(18μm,35μm,70μm)』において『パターン幅(0.5~10mm)』を変えた時、銅箔温度が10℃上昇した時の電流値を上表と上図に示しています。

例えば、左上の数値1.0に注目すると、銅箔厚み18μmでパターン幅0.5mmの場合、1.0A電流が流れると銅箔温度が10℃上昇するということを示しています。

次に、銅箔厚み35μmのグラフと1mm1Aのグラフを比較してみましょう。下図にグラフを示します。
パターン幅と許容電流の関係02

パターンに流れている電流が小さい時、パターン幅1mmの場合は2.2A、パターン幅2mmの場合は3.4Aまで流すことができます。
一方、パターンに流れている電流が大きい時、パターン幅8mmの場合は6.4Aとなり、1mm1Aのグラフより電流を流すことが出来ません。1mm1Aの考えを適用して、パターン幅8mmに対して8Aを流すと銅箔温度が10℃以上上昇してしまいます。

このように1mm1Aは大雑把な考え方であり、実際の温度上昇は多少異なります。

すなわち、大電流が流れるパターンにおいて、1mm1Aで設計すると、実際の銅箔温度上昇は10℃を超えてしまうのです。そのため、大電流が流れるパターンではレジスト処理を無くして半田を盛って放熱する、ジャンパー線などを用いる等の対策をする必要があります。

パターン幅の考え方

流れる電流が小さい信号線ラインの場合はパターン幅を細くして、流れる電流が大きいGNDラインやパワーラインの場合はパターン幅を太くします。アナログ回路の信号線の場合は0.3~0.4mm、デジタル回路の信号線の場合は0.15~0.25mm程度が一般的です(考え方によって変わるので参考程度にしてください)。パワーラインやGNDラインはできる限り太く配線します。

パターン幅が細くすることのメリット

  • 基板上に空きができ、パターンの引き回しが楽になる。
  • 部品密度が濃い基板において設計の自由度が増す。

  • クロストークノイズを削減できる。
  • パターンが太い場合、隣のラインとの間隔が狭くなり、隣のラインからクロストークノイズが混入する可能性がある。

パターン幅が太くすることのメリット

  • 配線インピーダンスを下げ、電流が流れることによる電圧降下を低減することができる。
  • 例えば24V出力の電源の場合には配線インピーダンスによる電圧降下は無視できるが、1Vという低電圧の電源では配線インピーダンスによる電圧降下がかなり影響を与える(例:1V出力で0.1Vの電圧降下の場合10%の低下)。

  • 多くの信号の電流が共通して流れるGNDラインでは電流が流れることによって生じるGND電位の変動を抑えることができる。
  • GND電位が変動すると機器の誤動作の原因となる。

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