チップ抵抗は実装部品中で最も多く使用される部品です。この記事ではこのチップ抵抗の構造について説明します。
チップ抵抗の構造
チップ抵抗の構造は上図のようになっています。
セラミック基板上に抵抗体を形成し、抵抗体の断面積や長さや使用する物質の固定抵抗で抵抗値を調整しています。これからチップ抵抗の構造の詳細(セラミック基板がどのようなものなのか等)をこれから説明します。
チップ抵抗の構造の詳細
セラミック基板
セラミック基板は、直方体形状をしており、主に代表的な酸化物系セラミックスであるアルミナ(Al2O3)で形成されています。アルミナは強度、熱伝導性、絶縁性に優れているのが特徴です。
表面電極(表電極)と裏面電極(裏電極)
表面電極(表電極)と裏面電極(裏電極)は、銀等で形成されており、セラミック基板の長手方向の両端部にあります。
抵抗体
抵抗体は、表面電極(表電極)間に存在しており、長方形状をしています。チップ抵抗はこの抵抗体の断面積や長さや使用する物質の固定抵抗で抵抗値を調整しています。抵抗体の材料には金属である銀や銀/パラジウム(Ag/Pd)、金属酸化物である酸化ルテニウム(RuO2)などで形成されています。
保護層
保護層は、表面電極(表電極)の一部と抵抗体の全面を覆っている絶縁体です。
保護層は一般的に2層構造になっています。アンダーコート層とオーバーコート層です。
アンダーコート層は抵抗値調整の前に形成され、鉛ガラス等で形成されています。オーバーコート層は抵抗値調整の後に形成され、樹脂で構成されています。
側面電極(端面電極)
側面電極(端面電極)は、セラミック基板の側面に設けられており、ニッケル/クロム合金等で形成されています。
メッキ層(外部電極)
メッキ層(外部電極)は、実装時における半田付きを高める役割をしており、2層構造になっています。内側の層はバリア層、外側の層は外部接続層(外部保護層)と呼ばれていることが多いです。
バリア層はニッケル(Ni)メッキ層、外部接続層は半田(Sn/Pb)メッキ層または錫(Sn)メッキ層で形成されています。
補足
- チップ抵抗の不良品としては、半田(Sn/Pb)メッキ層または錫(Sn)メッキ層が適正に形成されていないものがあります。また、半田(Sn/Pb)メッキ層または錫(Sn)メッキ層の膜厚が不十分の場合にも不良品となります。
- 錫(Sn)メッキ層はAuメッキ層だったりCuメッキ層だったりします。
- この記事で説明したチップ抵抗の構造は一例です。詳しくは抵抗メーカーの資料等を参考にしてください
まとめ
この記事では『チップ抵抗』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- チップ抵抗の構造
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