コンデンサ

【コンデンサ】並列接続による電流偏りについて

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コンデンサの並列接続による電流偏り

コンデンサの並列接続による電流偏り
コンデンサを並列接続する場合、各コンデンサに流れる電流を等しくする必要があります。

例えば、左図のように接続すると、入力部側のコンデンサのルートの方が配線抵抗が小さいため、入力部側のコンデンサに多くの電流が流れ、電流偏りが生じます。その結果、入力部側のコンデンサの発熱が大きくなり、特性劣化(容量減少、ESR増加)が促進され、最終的に故障に至る可能性があります。

一方、右図のように接続する(等長配線する)と、各コンデンサの配線抵抗が等しくなり、コンデンサに流れる電流の偏りを減らすことができます。

シミュレーションでコンデンサの電流傾きを見てみる

これからシミュレーションで周波数10Hzの低周波の時周波数10kHzの高周波の時におけるコンデンサの電流偏りを観測してみます。

周波数10Hzの低周波の時

周波数10Hzの低周波の時
周波数10Hz、振幅100Vの正弦波V1を全波整流して平滑した際の各コンデンサに流れる電流波形を観測してみます。上図の抵抗R1~R4は配線抵抗を模擬しており5mΩとしています。また、平滑コンデンサC1~C3は1000uFとし、出力抵抗を100Ωとしました。

コンデンサC1~C3に流れる電流波形が右図となっています。シミュレーション結果を見ると、配線抵抗(5mΩ)があるにも関わらず、電流の偏りがありません(コンデンサC1~C3に流れる電流が重なってます)。これは低周波の場合はコンデンサのインピーダンスが大きく、配線抵抗の5mΩをほぼ無視できるためです。

コンデンサのインピーダンスを計算してみます。上記のシミュレーションの場合、周波数10Hzの正弦波V1を全波整流するため、コンデンサに印可される全波整流波の周波数は20Hzであり、その時のコンデンサのインピーダンスZは

\begin{eqnarray}
Z=\frac{1}{2{\pi}fC}=\frac{1}{2{\pi}×(20)×(1000×10^{-6})}=7.9[Ω]
\end{eqnarray}
となります。このインピーダンスは配線抵抗(5mΩ)より十分大きいため、配線抵抗(5mΩ)がほぼ無視できます。

これより、低周波の場合は、配線抵抗やコンデンサ自体のESRの影響は電流偏りに影響しないことがわかります。コンデンサに流れる電流はコンデンサの容量値にほぼ比例します。

周波数10kHzの高周波の時

周波数10kHzの高周波の時
では周波数を10kHzに上げるとどのようになるでしょうか。

コンデンサC1~C3に流れる電流波形が右図となっています。シミュレーション結果を見ると、入力部側に近いコンデンサC1に流れる電流(赤色)が一番大きく電流偏りが確認できます。コンデンサC1に流れる電流(赤色)のピーク値が約30Aなのに対して、コンデンサC3(緑色)に流れる電流のピーク値は約8Aです。これは高周波の場合はコンデンサのインピーダンスが小さく、配線抵抗の5mΩの影響が大きくなるためです。

コンデンサのインピーダンスを計算してみます。上記のシミュレーションの場合、周波数10kHzの正弦波V1を全波整流するため、コンデンサに印可される全波整流波の周波数は20kHzであり、その時のコンデンサのインピーダンスZは
\begin{eqnarray}
Z=\frac{1}{2{\pi}fC}=\frac{1}{2{\pi}×(20×10^{3})×(1000×10^{-6})}=79[mΩ]
\end{eqnarray}
となります。このインピーダンスは配線抵抗(5mΩ)に近く、配線抵抗(5mΩ)によって電流偏りが生じるようになります。

これより、高周波の場合は、配線抵抗やコンデンサ自体のESRの影響が電流偏りに影響することが分かります。コンデンサに流れる電流は配線抵抗とコンデンサのESRにほぼ反比例します。一方、コンデンサの容量値による電流偏りの影響は低周波の時と比較すると小さくなります(高周波だとコンデンサのインピーダンスが小さくなり、コンデンサのESRの影響の方が支配的となるため)。

周波数10kHzの高周波の時において各コンデンサの配線抵抗が等しくした時

周波数10kHzの低周波の時において各コンデンサの配線抵抗が等しくした時
周波数10kHzの高周波の時において等長配線をするとどのようになるでしょうか。

コンデンサC1~C3に流れる電流波形が右図となっています。シミュレーション結果を見ると、入力部側に近いコンデンサC1に流れる電流(赤色)と入力部側から遠いコンデンサC3に流れる電流(緑色)の電流値が同じになっています。このように等長配線をすることで電流偏りを小さくすることができるのです。

コンデンサC2に流れる電流のみ少し小さくなっている理由は分かりませんでした・・・。全波整流せず直接AC波形を入力するとコンデンサC1~C3の電流が等しくなるのですが・・・。

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