トランジスタ

【トランジスタの絶対最大定格】『接合温度Tj』と『保存温度Tstg』について!

スポンサーリンク


この記事では、バイポーラトランジスタの絶対最大定格に記載されている接合温度Tj保存温度Tstgについて説明します。

バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』について!

バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』について!
接合温度Tjとは、半導体の接合部の温度のことを指します。バイポーラトランジスタにコレクタ電流ICが流れると、コレクタ電流ICコレクタエミッタ間電圧VCEによる損失(コレクタ損失PC)が発生し、発熱することで、接合温度Tjが上昇します。

絶対最大定格に記載されている接合温度Tjは、そのトランジスタが許容できる接合部の温度の最大値となります。

接合温度Tjが絶対最大定格を超えると、トランジスタが破壊に至る可能性があります。

なお、絶対最大定格は以下の記事に記載していますので参考にしてください。

補足

  • 接合温度はジャンクション温度と書かれていることがあります。
  • Tjのjはジャンクション(junction)のjとなっています。
  • 接合温度は英語では「Junction Temperature」と書きます。

バイポーラトランジスタの『保存温度Tstg』について!

バイポーラトランジスタの『保存温度』について!
絶対最大定格に記載されている保存温度Tstgとは、トランジスタを動作させない状態において、トランジスタを安全に保存または輸送できる周囲温度の範囲のことを指します。

補足

  • 保存温度は保存温度範囲と書かれていることがあります。
  • Tstgのstgは保存(storage)のstgとなっています。
  • 保存温度は英語では、「Storage Temperature」と書きます。
  • 保存温度範囲は英語では、「Storage Temperature Range」や「Range of storage temperature」と書きます。

バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』と『保存温度Tstg』の値

バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』と『保存温度Tstg』の値
バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』と『保存温度Tstg』はバイポーラトランジスタによって変わります。データシートを確認してください。上図は東芝製バイポーラトランジスタ(TTC3710B)の絶対最大定格です。

  • 接合温度Tj:150℃
  • 保存温度Tstg:-55℃~150℃

となっています。

つまり、このトランジスタは、動作している状態では、接合温度Tjは150℃を超えてはならず、動作していない状態では、-55℃~150℃ の温度範囲で保存しておかなければいけないということになります。

『接合温度Tj』の求め方

『接合温度Tj』の求め方
絶対最大定格にはトランジスタが許容できる接合温度Tjの最大値が規定されていますが、実際に接合温度Tjを測定することはできません。そこで、周囲温度Ta、ケース温度Tc、コレクタ損失PCを用いて、間接的に接合温度Tjを求めます。

まず熱抵抗から求めます。

TTC3710Bの絶対最大定格を見ると、放熱器がない場合、コレクタ損失PCは2Wとなっています(Ta=25℃において)。この2Wの電力がトランジスタに印加された時に絶対最大定格の接合温度(Tj=150℃)となります。

したがって、ジャンクション-雰囲気間の熱抵抗Rth(j-a)は以下の値となります。
\begin{eqnarray}
R_{th(j-a)}= \frac{T_{j}-T_{a}}{P_{C}}=\frac{150{\mathrm{[^{\circ}C]}}-25{\mathrm{[^{\circ}C]}}}{2{\mathrm{[W]}}}=62.5{\mathrm{[{^{\circ}C}/W]}}
\end{eqnarray}

データシートに記載されてある「rth-tW特性」からも熱抵抗が上記の値付近であることが確認できます。

熱抵抗が分かれば、接合温度Tjを求めることができます。例えば、周囲温度Taが30℃で、コレクタ損失PCが1Wの場合、トランジスタの接合温度Tjは以下の値となります。
\begin{eqnarray}
T_{j}= R_{th(j-a)}×P_{C}+ T_{a}=62.5{\mathrm{[^{\circ}C/W]}}×1{\mathrm{[W]}}+30{\mathrm{[^{\circ}C]}}=92.5{\mathrm{[^{\circ}C]}}
\end{eqnarray}

まとめ

この記事ではバイポーラトランジスタの絶対最大定格に記載されている接合温度Tj保存温度Tstgについて、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』とは
  • バイポーラトランジスタの『保存温度Tstg』とは
  • バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』と『保存温度Tstg』の値
  • バイポーラトランジスタの『接合温度Tj』の求め方

お読み頂きありがとうございました。

当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧には以下のボタンから移動することができます。

全記事一覧

スポンサーリンク
スポンサーリンク

© 2020 Electrical Information Powered by AFFINGER5