【単巻変圧器とは?】複巻変圧器との違いや特徴について!

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この記事では単巻変圧器について詳しく説明します。

単巻変圧器と複巻変圧器の違い

単巻変圧器と複巻変圧器の違い
まず最初に単巻変圧器と複巻変圧器の違いをまとめます。後ほど各変圧器について詳しく説明します。

単巻変圧器

単巻変圧器とは、一次巻線と二次巻線の一部を共有している変圧器です。単巻変圧器は以下の特徴があります。

単巻変圧器の特徴

  1. 変圧器の絶縁有無
  2. 一次巻線と二次巻線の一部を共有しているため、一次側と二次側は絶縁されていません。

  3. 変圧器の大きさ
  4. 一次巻線と二次巻線の一部を共有しているため、巻線の量が少なくなり、複巻変圧器よりも小型・軽量・低コストとなります。

  5. その他
  6. ・絶縁されてないため、二次側で接地すると、接地短絡になる場合があり危険です。
    ・一次側と二次側が絶縁されていないため、漏電する可能性があります。
    ・一次巻線と二次巻線の一部を共有しているため、漏れ磁束が少なく、電圧変動率が小さくなります。

複巻変圧器

複巻変圧器とは、一次巻線と二次巻線が別々に巻かれている変圧器です。複巻変圧器は以下の特徴があります。

複巻変圧器の特徴

  1. 変圧器の絶縁有無
  2. 一次巻線と二次巻線が別々に巻かれているため、一次側と二次側が絶縁されています。

  3. 変圧器の大きさ
  4. 一次巻線と二次巻線が別々に巻かれているため、単巻変圧器よりも大型・重量・高コストとなります。

  5. その他
  6. ・絶縁されているため、一次側の接地方法に関係なく、二次側の接地を任意に行えます。
    ・一次側と二次側が絶縁されているため、二次側は漏電を防止することができます。



ではこれから各変圧器について詳しく説明します。

単巻変圧器

単巻変圧器とは、一次巻線と二次巻線の一部を共有している変圧器です。

一次巻線と二次巻線の一部を共有していることによって、一次側と二次側は絶縁されていませんが、巻線の量が少なくなり、複巻変圧器よりも小型・軽量・低コストとなります。また、漏れ磁束が少なく、電圧変動率が小さくなります。

単巻変圧器の巻線の名前

単巻変圧器の巻線の名前
単巻変圧器の巻線には名前がついています。

上図の単巻変圧器において、一次と二次の巻線の共有部分(B-C)を分路巻線、共有でない部分(A-B)を直列巻線といいます。共有部分とは、一次巻線と二次巻線で共有に使う巻線のことを指します。

単巻変圧器の図記号

単巻変圧器の図記号
単巻変圧器の図記号は下図のようにコイルをつなげて描く場合と、コイルを離して描く場合がありますが、どちらも同じです。好みの方を使用してください。

一次側と二次側の電圧差が大きくなると単巻変圧器のメリットが薄れる

単巻変圧器は一次側と二次側の電圧差が大きくなると単巻変圧器のメリットが薄れる
一次側と二次側の電圧差が大きくなると、直列巻線(一次と二次の巻線の共有でない部分)が大半を占めるようになり、「一次巻線と二次巻線の一部を共有している」というメリットが薄れてしまいます。また、一次側と二次側の電圧差が大きくなるということは、絶縁も重要になってくるため、絶縁することができない単巻変圧器には不利になります。

そのため、単巻変圧器は電圧を少し変化させたい場合に適しており、電圧の近い商用電源の国による差を吸収するために用いられることが多いです(例えば、100Vの電圧を110Vに変換など)

使い方に注意

単巻変圧器は使い方に注意
単巻変圧器では、二次側で接地すると、接地短絡になる場合があり危険です。

例えば、単巻変圧器で単相2線式200Vを単相3線式200V/100Vに変換した場合を考えてみましょう。単相2線式の1線は接地されています。また、単相3線式の中性線は一般的に接地します。この場合、2次側が接地を通して電路が形成され、短絡となり変圧器が燃損する可能性があります。

分路巻線に流れる電流

単巻変圧器の分路巻線に流れる電流
単巻変圧器の分路巻線(一次と二次の巻線の共有部分)に流れる電流は、一次側に流れている電流と二次側に流れている電流の差となります。そのため、一次側と二次側の電圧差が小さいほど、分路巻線に流れる電流が小さくなります。

『降圧用の単巻変圧器』と『昇圧用の単巻変圧器』

『昇圧用の単巻変圧器』と『降圧用の単巻変圧器』
一次巻線の巻数N1より二次巻線の巻数N2の巻線が少ない場合は、降圧用となります。一方、一次巻線の巻数N1より二次巻線の巻数N2の巻線が多い場合は、昇圧用となります。

単巻変圧器の式

単巻変圧器の式
単巻変圧器の巻数比・電圧比・電流比の関係は複巻変圧器と同じになります。

補足

単巻変圧器は単巻トランスオートトランスとも呼ばれています。

複巻変圧器

複巻変圧器
複巻変圧器とは、一次巻線と二次巻線が別々に巻かれている変圧器です。最も一般的な変圧器となっています。

一次巻線と二次巻線が別々に巻かれていることによって、一次側と二次側が絶縁されていますが、単巻変圧器よりも大型・重量・高コストとなります。また、絶縁されているため、一次側の接地方法に関係なく、二次側の接地を任意に行えます。

複巻変圧器は一線地絡(漏電)事故が発生しません

複巻変圧器は一線地絡(漏電)事故が発生しません
一般に供給されている電気は、2線のうち1線が接地されています。

そのため、単巻変圧器では、一次側の1線が地絡した場合、2次側の1線が地絡した場合の両方の場合において、漏電した際に電路ができてしまいます。一線地絡(漏電)事故が起きると、火花が発生し、引火や爆発の可能性があります。

一方、複巻変圧器では、一次側の1線が地絡した場合には、漏電した際に電路ができますが、一次側と二次側は絶縁されているため、二次側の1線が地絡した場合は、電路ができず、漏電を防止することができます。

補足

複巻変圧器は複巻トランスとも呼ばれています。

まとめ

この記事では単巻変圧器について、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • 単巻変圧器と複巻変圧器の違い
  • 単巻変圧器の特徴
  • 複巻変圧器の特徴

お読み頂きありがとうございました。

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