この記事では『感電保護クラス』について
- 感電保護クラスとは
- クラス0、クラス0I、クラスI、クラスII、クラスIII機器の『違い』と『特徴』
などを図を用いて分かりやすく説明しています。
感電保護クラスとは
感電保護クラスとは、電気機器の感電に対する保護の分類です。感電保護クラスはクラス0、クラス0I、クラスI、クラスII、クラスIIIに分類されています。
次に各感電保護クラスについて図を用いて詳しく説明します。
補足
- 感電保護クラスは絶縁クラスとも呼ばれています。
- 感電保護クラスは「JIS C 9335-1」の規格で規定されています。
クラス0機器
クラス0機器(Class 0 Equipment)は感電に対する保護を基礎絶縁だけに依存している機器です。
JISにおいては、定格電圧が150V以下の機器の多くはクラス0が認められています。日本の家電製品の多くは「接地極も接地線もない差込プラグ(2Pプラグ)」を用いているため、クラス0機器となっています。
クラス0I機器
クラス0I機器(Class 0I Equipment)は少なくとも全体に基礎絶縁を施しており、また機器に保護接地端子があるが接地極がない差込プラグ(2Pプラグ)を使用している機器です。そのため、接地極付コンセント(アース用の半円形の穴が付いているコンセント)では接地をすることができません。接地用端子が付いたコンセントで接地をする必要があります。
接地線を接地した状態にすると、感電保護は後ほど説明するクラスI機器と同じになります。接地線を接地しない状態にすると、基礎絶縁だけに依存している状態になるため、感電保護はクラス0機器と同じになります。
日本では、接地極付コンセントが普及していないため、洗濯機などの保護接地を必要とする家電製品の多くはクラス0I機器に分類されています。「家電製品の本体にある保護接地端子」と「接地用端子の付いたコンセント」を接地線で接続する、または、「接地線付の差込プラグ」と「接地用端子の付いたコンセント」を接地線で接続することで保護接地をしています。
クラスI機器
クラスI機器(Class I Equipment)は「危険電圧が発生する可能性がある部分」と「人が接触する可能性のある導電性の部分」との間に基礎絶縁を施しており、基礎絶縁が破壊された時に、感電から保護するために「人が危険電圧に接触する可能性のある部分」を保護接地している機器です。
主電源への接続を差込プラグでする場合には、接地極付きの電源プラグ(3Pプラグ)により、保護接地を行っています。
クラスII機器
クラスII機器(Class II Equipment)は基礎絶縁だけでなく付加絶縁も施すことで、保護接地に依存しない機器です。
「危険電圧が発生する可能性がある部分」と「人が接触する可能性のある導電性の部分」との間に基礎絶縁と付加絶縁の両方(二重絶縁)を施しています。または、二重絶縁によるものと同等以上の保護を与える強化絶縁を施しています。
このように、クラスII機器では感電に対する保護を基礎絶縁だけでなく、二重絶縁または強化絶縁といった追加の安全対策を施しています。そのため、接地極付きの電源プラグ(3Pプラグ)などを用いて、接地をしなくても感電に対して安全な機器になっています。
クラスIII機器
クラスIII機器(Class III Equipment)は感電に対する保護を安全特定低電圧(SELV)の電源に依存し、かつ、安全特定低電圧より高い電圧が発生しない機器です。基礎絶縁が施されているかは特に問われません。
まとめ
この記事では『感電保護クラス』について、以下の内容を説明しました。
- 感電保護クラスとは
- クラス0、クラス0I、クラスI、クラスII、クラスIII機器の『違い』と『特徴』
お読み頂きありがとうございました。
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