その他

【静電気】帯電防止、導電性、静電シールドの違いについて

更新日:

スポンサーリンク

静電気に弱い電子部品や基板をどのように保存していますか?

静電気に弱い電子部品を入れる袋は単なるプラスチック(ポリエチレン樹脂)性の袋に入れてはいけません。フィルムにくるんではいけません。プチプチで包んではいけません。

プラスチックは、高い絶縁性です。そのため、接触や摩擦によって、表面に発生した静電気を逃がしにくく、一般的なプラスチック製のものでは、静電気が蓄積(帯電)してしまいます、その結果、電子部品が帯電します。その電子部品に対して、人が触れたときや金属に触れたときに静電気が放電し、電子部品を破壊してしまうことがあるのです。

では、電子部品を袋に入れたい場合にはどうすればよいでしょうか。

一般的に発売されている静電気防止用の材料を使用した袋を使用します。

静電気防止用の袋には帯電防止、導電性、静電気シールド性の種類があり、このようなものに入れれば電子部品を静電気から守ることができます。

ではこれから詳しく紹介します。

静電気対策品の分類

帯電防止、導電性、静電シールド性

このように、静電気防止用の袋には帯電防止、導電性、静電気シールド性のものがあります。種類によってメリットとデメリットがあるため、これらを理解することは重要です。なお、静電気防止用の袋は全体に凹凸模様のラインなどを入れることで、包装物との接触面が小さくなり、静電気の発生防止することができるものがあります。

帯電防止

帯電防止ですが、様々な種類があるのをご存知でしょうか。大きく分けると2種類あります。

  1. 帯電防止剤練り込みタイプ(界面活性剤型帯電防止タイプ)
  2. 持続型帯電防止タイプ(半永久帯電防止タイプ、非添加タイプ)

帯電防止といえば、主に「帯電防止剤練り込みタイプ」と「持続型帯電防止タイプ」のどちらかを指します。帯電防止剤練り込みタイプは、名前の通り、帯電防止剤をフィルムやプチプチなどに練り込んでいます。持続型帯電防止タイプはフィルムやプチプチ自体が帯電防止効果を持っています。

帯電防止剤練り込みタイプ(界面活性剤型帯電防止タイプ)

帯電防止剤練り込みタイプ
■特徴
「帯電防止剤練り込みタイプ」は、練り込みタイプと書いてあるように、原料を製造する際に帯電防止剤(界面活性剤)を混ぜて作っています。界面活性剤とは分子内に水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(疎水基)を両方併せ持つ物質です。生活の中では主に石けんや洗剤などによく使用されます。この帯電防止剤(界面活性剤)がフィルムの表面に浮き出てくる(ブリード現象・ブリードアウト現象という)ことによって帯電防止効果を発揮します。

■静電気を逃がす原理

  1. 空気中の水分を界面活性剤の親水基が吸収します。
  2. 帯電防止剤の親水基によって、フィルムや袋などの表面に水の被膜を形成し、静電気が転がるように拡散されるため帯電効果を発揮します(水は導電性が良いため自由電荷があります。この表面の親水基にできる水分膜内の自由電荷によって、電荷が中和するため、静電気を逃がすことができます。)。

■なぜ表面に界面活性剤が来るのか
水と油は相性が悪いですよね(水に油を入れると混ざらず分離します)。この性質を利用しているのです。
製造時、水に溶けやすい帯電防止剤(界面活性剤)を油系のプラスチックに練り込んで製造しています。水と油は相性が悪く、分離します。行き場のなくなった帯電防止剤は表面に浮いてきます。表面に浮いた帯電防止剤は水に溶けやすいので、空気中の水分を吸収し帯電防止剤と水の皮膜が出来ます、その結果、静電気を逃がすことができるのです。

■メリット
一般的なプラスチック製品に近い価格で製造可能なので低コスト。静電気防止用では最も安価です。(しかし、低コストだが、それなりのデメリットがあるため、持続型帯電防止タイプの方を使用することをおすすめします。)

■デメリット
・帯電防止の効果は湿度依存により変動するため、湿度の高い場所での保管には不向き。
・表面に浮き出た界面活性剤が包装物に移行してしまう。
・製造後1年経過後、徐々に帯電防止効果は薄まるため、長期保管に不向き(帯電防止剤(界面活性剤)がフィルムの表面に浮き出てくるため、被包装物に帯電防止剤が分離し、移行する場合がある。帯電防止剤が出尽くしてしまうと効果が無くなってしまいます。)

持続型帯電防止タイプ(半永久帯電防止タイプ、非添加タイプ)

持続型帯電防止タイプ
いつまでも帯電防止効果が続くため、「持続型」や「半永久型」、帯電防止剤を使っていないため「非添加タイプ」とも呼ばれています。ポリエチレン樹脂の劣化や破損を除けば、帯電防止機能は持続するため、「半永久」となっています。界面活性剤タイプとは異なり、フィルムからのブリードアウト現象がないのが特徴です。

■特徴
帯電防止剤・界面活性剤を使用していないのが特徴です。特殊な金属イオンをプラスチックフィルムに添加しているため、フィルム素材そのものが帯電防止効果を持っています。一般的に、見た目で「帯電防止袋」と分かりやすいように透明ブルーの着色となっていることが多い。電子部品や精密機器を包む際には界面活性剤タイプではなくこのタイプを使用するべきです。

■逃がす原理
導電物質を樹脂内に分散させ導電回路を形成することで、静電気の逃げ道が確立され、帯電防止効果を発揮します。静電気の拡散性を高め、滞留を防いでいます。

■メリット
・後から帯電防止剤を混ぜ込む形ではないから時間の経過に関わらず帯電防止効果が薄れない!弱まらない!
・周りの環境(温湿度)に左右されにくい。

■デメリット
・帯電防止剤練り込みタイプと比べて価格が高い(練り込みタイプの2~3倍)。これは樹脂内に十分な導電回路を形成させるためには、界面活性剤型に比べ多くの添加量が必要になります。ただでさえ界面活性剤型よりも高価である持続型添加剤を、より多量に添加しなければならないから高価になっていますのです。

用途

ネットやサイトによって書いてあることが様々な帯電防止品です。外部からの静電気による電気破壊を防ぐために使用されることが多いと書いてあるものもあれば、電子部品を静電気から保護するための唯一の梱包材として使用しないでください。静電気対策には静電気シールド性のものを使用してください。と書いてあるサイトもあります。購入する際には注意してください。
基本的には、静電気対策は必要だが、静電気に比較的強い部品などを実装した基板などを入れることが多いようです。また、ナットやボルト、マニュアルなど、電子機器の製造に使用される静電気に敏感な部品のパッケージングに最適です。

その他

帯電防止品は抵抗値が導電性のものと比較すると高く、導電性がないため、袋の上に静電気対策が必要な部品を置いても、袋に静電気が伝わるため、静電気で壊す可能性がないです。そのため、袋の上で作業するなど、簡易的な静電気対策をすることができます。

導電性

導電タイプ
導電タイプは、プラスチック(ポリエチレン樹脂)にカーボンブラックを練り込むことで帯電防止品と比較して、抵抗値を下げています。樹脂にカーボンブラックを練りこむことで、樹脂の分子と分子の間をぬぐって、カーボンブラックの粒子を結合させて導電性を導きます。内容物自体が静電気を帯びやすいものに対して、使用されることが多く、静電気を瞬時に放電することを目的としています。

■特徴
・プラスチックフィルムにカーボンブラックを練り込んでいる。
・表面固有抵抗値が10×4~6乗程度です。
・色は黒色フィルムで完全遮光となっています。
・抵抗値が低いため、簡易的なアースの代わりとして使用されるときがあります。
・静電気に特に弱い電子部品が使われているプリント基板の包装によく使用されます。

■デメリット
・帯電防止フィルムよりも高い。
・バッテリーを搭載した基板、電池等を入れると、抵抗値の低いフィルムで放電されてしまうので使用はできません。

用途

内容物自体が静電気を帯びやすいもの、粒体等の干渉によっておこる静電気を瞬時に放電する際に使用します。帯電防止品では、防ぐことができないESDの場合でも、この導電性フィルムなら保護できることがあります。少しの静電気でも防ぎたい電子部品に使用する際にお勧めです。

その他

本やサイトによって帯電防止フィルムの分類に書いてあったり書いてなかったりするのが「導電フィルム」です。これは、帯電防止フィルムの分類ではありません (帯電防止と導電は抵抗値が全く異なります)。また、導電性の袋の上に静電気対策が必要な部品を置くと、人体に静電気がたまっていた場合、導電袋を触ると、袋の上を伝わって、静電気で壊す場合があります。加えて、絶縁体の上に導電袋を置くと、電荷を逃がすことができないので、静電気が蓄積します。この静電気が溜まっている状態で、袋の中に部品を入れた場合、入れる際に電荷が部品に移動して、静電気で壊す可能性があるのです。また、出す場合にも静電気で壊す可能性があります。これを防ぐために、部品を入れるor出す前には、アースをした導電マットの上に袋を置いて、いったんたまった静電気を逃がしてから作業しましょう。

静電気シールド性

静電シールド性
先ほど説明した帯電防止や導電性は、袋に製品を入れる時に発生する静電気を防止する効果や、輸送時などの製品同士の擦れ、製品と袋との摩擦による静電気発生を防止できますが、袋の外部で発生した静電気スパーク放電は防ぐことができず、袋の内部まで通過し、製品の回路に悪影響を及ぼしたり、壊したりします。しかし、静電気シールド性は、袋の外部からの静電気の侵入を防ぎ、製品に対する静電気スパーク放電を防止します。静電気シールド性の袋は帯電防止や導電性の袋と異なり、袋の内側と外側の両方の静電気から部品を保護します。

■特徴
多層構造となっており、静電気を袋内部に侵入させないように金属シールドおよびポリエステル誘電体を追加しています。そのため、外からの静電気はフィルム表面上を伝って瞬時に拡散されます。

■特徴
・中間層の絶縁体が外部の電流を内部に流さないため、袋の外部から製品に対する静電気スパーク放電を防止することができます。静電気がもし流れても、袋の表面だけに静電気が流れて、袋の中のものを静電気から守る構造になっています。
・中間層に導電性のものがあるため、袋の外に帯電体が接近、接触しても袋内に静電界が生じません。
・袋の中に入れて初めて静電気から守る効果を発揮します。
・袋の外面、内面ともに非帯電性なので、フィルムは静電気を蓄積しません。そのため、ほこり、ごみ等を引き寄せません。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

Copyright© Electrical Information , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.