回路

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の『特徴』や『原理』について

更新日:

スポンサーリンク


この記事ではバイポーラトランジスタを使用した増幅回路であるコレクタ接地回路(エミッタフォロワ)特徴原理について説明します。

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)とは

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)とは
コレクタ接地回路はバイポーラトランジスタを使用した基本的な増幅回路の1つです。コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の回路図と入出力波形を上図に示しています。ベース(B)入力エミッタ(E)出力となります。

出力電圧VOUT
\begin{eqnarray}
V_{OUT}=V_{IN}−V_{BE}
\end{eqnarray}
となっています(理想的にはVOUT=VIN)。つまり、出力電圧VOUTが入力電圧VINを追従するように動作する回路となっており、その特徴からエミッタフォロワ(エミッタ(出力)がフォロー(入力を追いかける))とも呼ばれています(エミッタフォロアとも呼ばれています)。英語では『Emitter Follower』と書きます。

また、コレクタ接地回路はコレクタ共通回路(Common Collector)電圧フォロワ回路(Voltage Follower)とも呼ばれています。

補足

  • エミッタ接地回路はMOSFETのドレイン接地回路(ソースフォロワ回路)のバイポーラトランジスタverとなっています。
  • 入力と出力の共通端子がコレクタであるため、コレクタ接地回路と呼ばれています。入力電圧VINと出力電圧VOUTに直接接続されていないのがコレクタなので、これが入出力共通端子となります。

PNPトランジスタを使用した場合のコレクタ接地回路(エミッタフォロワ)

PNPトランジスタを使用した場合のエミッタ接地回路(エミッタフォロワ)
コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)はNPNトランジスタでもPNPトランジスタでも作成することができます。上図に回路図を示します。

コレクタ接地回路(コレクタフォロワ)を実際に使用する時の回路

コレクタ接地回路(コレクタフォロワ)を実際に使用する時の回路
今までの回路図は原理を示すために用いられる図であり、実際の回路で使用する際には上図の右のように使用します。

コレクタ端子は電源VCCに接続されていますが、交流的には接地されています(そのため、コレクタ接地回路と呼ばれています)。交流等価回路上では直流電圧源は短絡と見なせますから、まさにコレクタが接地しているというわけです。

抵抗R1とR2は電源電圧VCCを分圧して、ベースに入力するためのバイアス抵抗です。入力電圧VINと出力電圧VOUTに接続されているコンデンサは直流成分をカットするためのコンデンサです。

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の特徴

  • 入力インピーダンスが高い
  • 入力インピーダンスが高い理由については、説明が少し長くなるため、この記事の後半に説明しています。

  • 出力インピーダンスが低い
  • 出力インピーダンスが低い理由については、説明が少し長くなるため、この記事の後半に説明しています。

  • 電流利得が高い
  • 電流利得AIはエミッタ接地回路と同じになります。直流電流増幅率をhFEとすると電流利得AI
    \begin{eqnarray}
    A_{I}=1+h_{FE}
    \end{eqnarray}
    となります。

  • 電圧利得はほぼ1
  • 厳密には電圧利得は1より多少小さくなります。

  • 電力利得はエミッタ接地回路より小さい
  • エミッタ接地回路では、電圧増幅度が1より大きくなるため、電力利得はエミッタ接地よりは小さくなります。

  • 入力電圧VINと出力電圧VOUT同相
  • コレクタ接地回路は入力電圧が上昇すると、エミッタ電流が増加し、抵抗RE両端の電圧が上昇するため、入力電圧VINと出力電圧VOUTは同相となります。

  • 周波数特性はエミッタ接地特性より良い
  • エミッタフォロワの周波数特性は広帯域となります。ベース(B)からエミッタ(E)を見ると、同位相で同じ振幅で電圧が変化するため、ベース(B)からエミッタ(E)の寄生容量が存在していても、見かけ上容量がゼロであるように見えます。また、ベース(B)とコレクタ(C)間の容量CBCは、コレクタが交流的に接地されているため、エミッタ接地回路のような容量が何倍にもなって見えるミラー効果が起こりません。しがたって、周波数特性はエミッタ接地回路より良くなります。

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の使用用途

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の使用用途
入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが小さいため、出力インピーダンスの大きい信号源が低インピーダンスの負荷を駆動できるようになります

したがって、低インピーダンスのスピーカーを駆動するオーディオアンプなどの増幅回路の出力段にコレクタ接地回路は良く使われます。

エミッタ接地回路は、出力インピーダンスが高いが電圧利得があります。そのため、エミッタ接地回路で電圧利得を稼ぎ、コレクタ接地回路で出力インピーダンスを低くする2段構成は良く使われます。

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の入力インピーダンスが高くなる理由

入力インピーダンスZINはベース電圧がΔVB変化した時におけるベース電流の変化ΔIBの比であり、以下の式で表されます。
\begin{eqnarray}
Z_{IN}=\frac{ΔV_B}{ΔI_B}
\end{eqnarray}
ここで、コレクタ接地回路において、ベース電圧がΔVB大きくなった時を考えてみましょう。

ベース電圧がΔVB大きくなると、ベース電流が変化しようとします。しかし、ベース電流が変化した瞬間、ベース電流の変化の数100倍((hFE+1)IB)の電流がエミッタに流れるためエミッタの電圧が増加します。

すなわち、ベース電圧をΔVB大きくしたらエミッタ電圧がほぼΔVB大きくなり、ベース電流が増えないように作用するのです。そのため、ΔVBが大きく、ΔIBが小さいため、コレクタ接地回路では入力インピーダンスZINは高くなります。

コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の出力インピーダンスが低くなる理由

出力インピーダンスZOUTはエミッタ電圧がΔVE変化した時におけるエミッタ電流の変化ΔIEの比であり、以下の式で表されます。
\begin{eqnarray}
Z_{OUT}=\frac{ΔV_E}{ΔI_E}
\end{eqnarray}
ここで、コレクタ接地回路において、エミッタ電圧がΔVE大きくなった時を考えてみましょう。

エミッタ電圧がΔVE大きくなると、ベースエミッタ間電圧VBEが下がるため、ベース電流IBが小さくなります。その結果、エミッタ電流IEが小さくなり、エミッタ電圧VEが小さくなるように作用します。

すなわち、ΔIEに変化によって、ΔVEの変化は小さくなるように作用するのです。そのため、ΔIEが大きく、ΔVEが小さいため、コレクタ接地回路では出力インピーダンスZOUTは低くなります。

まとめ

この記事では『コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)』について、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

    • コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の特徴
    • コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の原理
    • コレクタ接地回路(エミッタフォロワ)の使用用途

お読み頂きありがとうございました。

当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧には以下のボタンから移動することができます。

全記事一覧

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-回路

Copyright© Electrical Information , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.