『トランジスタ』と『リレー』の違い!

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この記事ではトランジスタ(MOSFET)』と『リレー』の違いについて

  • 『トランジスタ(MOSFET)』と『リレー』の回路記号と違い

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

『トランジスタ』と『リレー』の違い

『トランジスタ』と『リレー』の違い

上図にトランジスタリレーを示しています。

トランジスタ(MOSFET)はゲート端子(G)に電圧を印加することによって、ドレインソース間の電流を制御することでスイッチング動作をします。一方、リレーはコイルに電流を流すことで発生する電磁力によって、接点のON/OFFさせることでスイッチング動作をします。

このように、トランジスタ(MOSFET)もリレーも適切に制御すれば、スイッチとして使うことができますが、これらの違いは何でしょうか。

ではこれから『トランジスタ(MOSFET)』と『リレー』の違いについて説明します。

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トランジスタにはMOSFETやバイポーラトランジスタなど様々な種類があります。バイポーラトランジスタはベース端子に電流を流すことによって、コレクタエミッタ間の電流を制御することで、スイッチング動作をする半導体素子です。

トランジスタの種類』については下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。

【トランジスタ』と『リレー』の違い01】入力と出力の絶縁関係が違う

入力と出力の絶縁関係が違う

トランジスタ(MOSFET)は入力(ゲート端子側)と出力(ドレイン端子およびソース端子側)が絶縁されていません。

一方、リレーは入力(コイル側)と出力(接点側)が絶縁されています。

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リレーの構造や動作原理』については下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。

【トランジスタ』と『リレー』の違い02】サイズが違う

トランジスタよりもリレーの方がサイズが大きいです。

【トランジスタ』と『リレー』の違い03】:スイッチング速度が違う

トランジスタは半導体を用いてスイッチング動作をするため、高速スイッチングが可能です。MHz,GHz単位のスピードでスイッチングすることができます。

一方、リレーは機械的にスイッチング動作をするため、高速にスイッチングすることができません。kHz単位のスピードでスイッチングすることができません(200Hz程度が限界です)。

補足

  • リレーはスイッチング時にチャタリングが発生する点も異なります。

【トランジスタ』と『リレー』の違い04】電流・電圧定格が違う

トランジスタには定格電流(電気的に安全に使用できる電流の限度値)と定格電圧(電気的に安全に使用できる電圧の限度値)が決まっています。そのため、定格電流と定格電圧以下の範囲しか使用することができません。また、サージ電流やサージ電圧に弱いです。

一方、リレーはトランジスタと比較すると、定格電圧と定格電流が大きいため、過電圧が印可されても壊れる可能性が小さいです。ただ、大電流でスイッチング動作をするとリレー接点が焼損する可能性があります。

【トランジスタ』と『リレー』の違い05】抵抗値が違う

オンの時の抵抗値

トランジスタはオン時、微小な抵抗値を持っています(この抵抗をオン抵抗といいます)。そのため、トランジスタに電流が流れることで電圧降下が発生します。

一方、リレーはオン時の抵抗(接触抵抗)が非常に小さく、トランジスタと比較すると、電流が流れた時に発生する電圧降下が小さいです。そのため、リレーがオン時の電力損失はトランジスタよりも小さくなります。また、リレーは定格内で使用すれば、放熱対策は必要ありません。

オフの時の抵抗値

トランジスタはオフ時、完全に無限の抵抗値ではありません。そのため、多少の漏れ電流が流れます。この漏れ電流が電子回路に影響を与える可能性があります。

一方、リレーはオフ時、物理的に絶縁されるため、完全なオープン状態となり、無限の抵抗値となります。

【トランジスタ』と『リレー』の違い06】動作温度が違う

トランジスタには動作可能の温度範囲があり、その温度範囲を超えると破損する可能性があります。

一方、リレーは温度範囲がトランジスタより広いため、トランジスタより温度に対して強いです。

【トランジスタ』と『リレー』の違い07】寿命が違う

トランジスタはスイッチング動作回数に関する寿命がありません。

一方、リレーは機械的な動作なのでスイッチング動作を繰り返すことで接点が摩耗します。そのため、リレーを扱う際には接点摩耗による寿命を考慮する必要があります。100万~1億回のスイッチング動作によって寿命を迎えます。

そのため、1秒間に何回もスイッチング動作をする必要がある場合には、トランジスタを使用する方が有効です。

【トランジスタ』と『リレー』の違い08】リレーは交流をスイッチング可能である

リレーは交流をスイッチング可能である

トランジスタは直流のみしかスイッチングをすることができません。

一方、リレーは交流も直流もスイッチング可能です。

【トランジスタ』と『リレー』の違い09】スイッチング時の音が違う

トランジスタはON/OFF時に無音です。

一方、リレーはON/OFF時にカチッという音が聞こえます。

【トランジスタ』と『リレー』の違い10】価格が違う

トランジスタよりもリレーの方が高価です。

【トランジスタ』と『リレー』の違い11】信号増幅できるかが違う

トランジスタはスイッチ用途だけでなく、アナログ信号を増幅する用途にも使用できます。

一方、リレーはアナログ信号を増幅できず、スイッチ用途にしか使用することができません。

まとめ

この記事ではトランジスタ(MOSFET)』と『リレー』の違いについて、以下の内容を説明しました。

  • 『トランジスタ(MOSFET)』と『リレー』の回路記号と違い

お読み頂きありがとうございました。

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