この記事ではトライアックの静特性(電流電圧特性)について説明します。
トライアックの『静特性(電流電圧特性)』
上図にトライアックの『静特性(電流電圧特性)』を示しています。横軸はトライアックにかかる電圧、縦軸はトライアックに流れる電流となっています。
トライアックはメインターミナル(MT1)、メインターミナル(MT2)、ゲート(G)の3つの端子があります。MT1を基準にしてMT2の電圧がプラスの時は横軸がプラス方向へ、MT2からMT1に電流が流れる時は縦軸がプラス方向となっています。
そのため、
- MT1を基準にしてMT2がプラスの時
- MT1を基準にしてMT2がマイナスの時
電流はMT2からMT1に流れるので右上の領域
電流はMT1からMT2に流れるので左下の領域
となります。
右上の領域と左下の領域は考え方は同じなので、ここでは、右上の領域で説明します。
ゲートトリガ電流IG=0の状態において、トライアックに電圧を印加(MT2にプラス、MT2にマイナス)し、その電圧を高くしていくと、ある電圧に達したところで急に電流が流れ始めてオン状態になり、トライアックにかかる電圧が急激に下がります。この時の電圧をブレークオーバー電圧VBOといいます。
トライアックに対してブレークオーバー電圧VBOより低い電圧を印加している時はトライアックに電流が流れません(厳密には漏れ電流が流れています)。この状態において、ゲートトリガ電流IGを流すと、トライアックがターンオンして電流が流れます。
ゲートトリガ電流IGを流している時は、その電流の大きさによってトライアックがオンする電圧が変わります。ゲートトリガ電流IGが大きいほど、トライアックがオンする電圧が下がります。
また、トライアックは、一度オンするとゲートトリガ電流IGを0Aにしても、オン状態を維持します。トライアックに流れる電流が減少して、ある一定値以下になるとターンオフします。この最少電流を保持電流IHといいます。
なお、上図に第1象限~第4象限と書いてありますが、トライアックには、印可する電圧によって、4つの象限(トリガモード)があります。詳しくは以下の記事に記載していますので参考にしてください。
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まとめ
この記事ではトライアックの『静特性(電流電圧特性)』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- トライアックの『静特性(電流電圧特性)』の見方
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