LTspiceのコマンドで.endコマンドがあります。また、sが付いた.endsコマンドがあります。これらの違いと使い方について説明します。
『.endコマンド』と『.endsコマンド』の違い
上図にネットリストを示しています。このネットリストを使用して、『.endコマンド』と『.endsコマンド』の違いを説明します。
『.endコマンド』
『.endコマンド』はネットリストの終端に記述するコマンドです。このコマンドはネットリストが終わることを示しており、『.endコマンド』以降の行は全て無視されます。
『.endコマンド』は回路の入力時、自動的に生成されます。そのため、SPICE Directiveで『.endコマンド』を記述しないようにしてください。ネットリスト抽出が終わりと判断されてしまいます。『.endコマンド』はネットリストを用いて回路図を書くときに必要なコマンドです。なお、ネットリストからこのコマンドを削除しても(省略しても)、シミュレーションを実行することができます。
『.endsコマンド』
『.endsコマンド』はサブサーキット(.subcktから始まるネットリスト)の終わりに記述するコマンドです。『.endコマンド』と異なり、SPICE Directiveに『.endsコマンド』を記述することができます。
なお、先ほど示したネットリストはシミュレーション可能です。下図にシミュレーション結果を示します。ツールバーから[Run]ボタンを押すと、波形ウィンドウが表示されます。波形ウィンドウ上で右クリックを押し、[Add Trace]を押すと、[Add Traces to Plot]ウィンドウが表示されるので、そこで表示したい波形を選択します。下図ではV(2)を選択しています。
また、補足ですが、ネットリストを回路図で書くと下図のようになります。