サブサーキット(.SUBCKTから始まるもの)やモデル(.MODELから始まるもの)が記述してあるlibファイル(*.lib)を使用するためにはシンボルファイル(*.asy)を作成することが必要となります。
この記事ではシンボルファイル(*.asy)の作成方法とその使用方法を説明します。
まずlibファイル(*.lib)を用意する
今回は一例として、libファイル(test.lib)を作成し、下図のように、「C:\Users\ユーザ名\Documents\LTspiceXVII\lib\sub\mylib」に保存しました。libファイルはテキストファイル(*.txt)の拡張子を”txt”から”lib”に変えるだけで簡単に作成することができます。
test.libの中身は下図のようになっており、ノードAとノードGを抵抗R1(1Ω)、ノードBとノードGを抵抗R2(2Ω)で接続しているネットリストとなっています。イメージ図を右図に記載しています。また、サブサーキット名はTESTsubとしています。このlibファイル(test.lib)は次に説明するシンボルファイル(*.asy)と紐づけすることで使用することができます。
シンボルファイル(*.asy)を作成する
ここからこの記事の本題であるシンボルファイル(*.asy)の作成方法となります。
- LTspiceを開いた後、ツールバーから[File]→[New Symbol]を選択します。
- 今回は以下のシンボルファイル(TEST.asy)を作成します。
- まず、ツールバーの[Draw]→[Rect]で大枠を作成します。
- 次にピンを作成します。ツールバーの[Edit]→[Add Pin/Port]を選択し、[Pin/Port Properties]ダイアログボックスを表示します。
- [Pin/Port Properties]ダイアログボックスでLabelやNetlist Orderを入力します。
- libファイル(test.lib)と紐づけを行う設定をします。ツールバーの[Edit]→[Edit Attributes]を選択し、[Symbol Attribute Editor]ダイアログボックスを表示します。
- シンボルファイル(TEST.asy)を保存します。下図のように、「C:\Users\ユーザ名\Documents\LTspiceXVII\lib\sym\myasy」に保存しました。
ラベル名を入力します。libファイルのネットリストと同じにする必要はありませんが、今回は「A」と入力しています。
Netlist Order
libファイルのネットリストと同じにする必要があります。ノードAの場合は「1」となります。
Pin Label Justification
LEFT選択しています。LEFTにすることで、ピンがラベル名(A)の左(LEFT)側に表示されます。
同じように、ピンBとピンGを作成します。
サブサーキットの場合は「X」となります。
Value
サブサーキット名を記入します。今回は「TESTsub」としています。
ModelFIle
libファイル(test.lib)の保存場所を入力します。「C:\Users\ユーザ名\Documents\LTspiceXVII\lib\sub\●●」の●●の箇所を記述します。今回はmylib\TEST.libとなります。
シンボルファイル(*.asy)を使用する
実際にシンボルファイル(*.asy)を使用してみましょう。
LTspiceを開いた後、ツールバーのオペアンプみたいな記号を左クリックして、[Select Component Symbol]ダイアログボックスを表示し、[myasy]を選択します。すると、先ほど作成したシンボルファイル(TEST.asy)があるので、選択してOKボタンを押します(「C:\Users\ユーザ名\Documents\LTspiceXVII\lib\sym\myasy」に保存しているため、[myasy]の内に” TEST.asy”があります)。
シミュレーションを実行します。ノードAとノードBに1Vの電圧を印可した時において、流れる電流を観測しています。ノードAとノードGには抵抗R1(1Ω)があるため、1Aの電流が流れ、ノードBとノードGには抵抗R2(2Ω)があるため、0.5Aの電流が流れていることが確認できます。