基板を設計するにあたり、よく言われるのがベタパターンやパターン幅の10円玉ルール。
この10円玉ルールを満たすことでUL規格(米国の安全規格)を満たすことができます。
この記事では10円玉ルールについて詳しく説明します。
10円玉ルールとは
基板のパターン設計において、UL規格を適合するために注意すべき点が基板の外層・内層の最大パターン幅です。
Φ25.4mm以上のパターン幅があると、ULの最大パターン幅違反となります。
このΦ25.4mm以上のパターン幅を作らないルールを10円玉ルールと呼びます。
10円玉ルールと呼ばれる理由は、10円玉の直径がΦ23.5mmであり、Φ25.4mmに近いためです。基板の上に10円玉を乗せて10円玉より大きなパターンが無ければ、UL規格の違反とはなりません(Φ23.5mm以上のパターンはないため)。
設計した基板のパターン幅がΦ25.4mmより大きい場合には以下のいずれかの処置を行います。
- ビアを入れる
- 三角や四角の抜きを入れる
- ハッチング(細かい格子状にする)処理を行う
では、この処置を行わない場合、UL規格を満たせないのはもちろんですが、他にどのような問題があるのでしょうか。
熱によって基材から出る微量のガスが基材と銅箔(パターン)の間に溜まり、パターンの膨らみや剥がれが生じる可能性があります。その後、剥がれたパターンが他の回路とショートする可能性もあり、安全上好ましくありません。