この記事では『EMCとEMIとEMS』について
- EMCとEMIとEMSの違いと意味
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
EMCとEMIとEMSの『違い』と『意味』
EMCとEMIとEMSの『違い』と『意味』を下記にまとめます。後ほど各用語について詳しく説明します。
- EMC
- 「Electromagnetic Compatibility」の略。
- 「EMI対策(ノイズを発生させない)」と「EMS対策(ノイズに影響されない)」の両方の性質を持つこと。
- EMI
- 「Electromagnetic Interference」の略。
- 電子機器が発するノイズのこと。
- EMS
- 「Electromagnetic Susceptibility」の略。
- 他の機器が発するノイズを受けた時の感受性のこと。
EMCとは
EMCは「Electromagnetic Compatibility」の略であり、日本語では「電磁両立性」や「電磁環境両立性」や「電磁適合性」と呼ばれています。
私たちの身の回りにある電子機器は電磁波(ノイズ)を発しています。EMCは「電子機器が発するノイズで他の機器に影響を与えないこと(つまり、ノイズを発生させないこと)」と「他の機器が発するノイズに影響されないこと」の両方の性質を持つことなので、「電磁両立性」と呼ばれています。
電子機器が発するノイズは「EMI:Electromagnetic Interference」または「エミッション(Emission)」と呼ばれています。また、他の機器が発するノイズを受けた時の感受性は「EMS:Electromagnetic Susceptibility」または「イミュニティ(Immunity)」と呼ばれています。
ポイント
EMIとEMSの用語を用いてEMCを説明すると、EMCは電子機器が正常に動作するために「EMI対策(ノイズを発生させない)」と「EMS対策(ノイズに影響されない)」の両方の性質を持つことになります。
EMIとは
EMIは「Electromagnetic Interference」の略であり、日本語では「電磁妨害」や「電磁干渉」や「電磁障害」と呼ばれています。
EMIは電子機器が発するノイズであり、「エミッション(Emission)」と呼ばれることがあります(Emissionは「放射、放出」という意味です)。EMCの観点からは、EMIを出さない(ノイズを発生させない)ことが要求されます。
また、EMIには「伝導エミッション(Conducted Emission)」と「放射エミッション(Radiated Emission)」があります。伝導エミッションは電子機器のケーブルなどを経由して伝わるノイズであり、放射エミッションは空間に放射するノイズです。
補足
- 伝導エミッションは「伝導ノイズ」とも呼ばれています。
- 放射エミッションは「輻射エミッション」や「放射ノイズ」や「輻射ノイズ」とも呼ばれています。
EMSとは
EMSは「Electromagnetic Susceptibility」の略であり、日本語では「電磁感受性」と呼ばれています。
EMSは他の機器が発するノイズを受けた時の感受性であり、「イミュニティ(Immunity)」と呼ばれることがあります(Immunityは「耐性、耐量」という意味です)。EMCの観点からは、他の機器が発するノイズを受けても影響されないことが要求されます。
また、EMSには「伝導イミュニティ(Conducted Immunity)」と「放射イミュニティ(Radiated Immunity)」があります。伝導イミュニティは電子機器のケーブルなどを経由して伝わってきたノイズに対する感受性であり、放射イミュニティは空間から伝わってきたノイズに対する感受性です。
まとめ
この記事では『EMCとEMIとEMS』について、以下の内容を説明しました。
- EMCとEMIとEMSの違いと意味
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