この記事では『はんだブリッジ』について
- はんだブリッジとは
- はんだブリッジを除去する方法
- はんだブリッジの『原因』と『対策』
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
はんだブリッジとは
はんだブリッジとは、『溶融したはんだ』が『本来は電気的に接続してはいけない近くのランドや部品』に接続してしまっている状態のことを指します。
はんだブリッジがある状態で、基板を動作させると、意図しない経路で電流が流れてしまうため、部品が焼損する可能性があります。
はんだブリッジは『はんだごてを用いたはんだ付け時』や『フロー槽でのはんだ付け時』に発生します。ピッチが狭い部品(ICやコネクタ)で発生しやすく、また近年、基板は高密度が進んでいるため、はんだブリッジが発生しやすくなっています。
補足
- フロー槽でのはんだ付けで発生するはんだ不良のうち、はんだブリッジの不良が圧倒的に多いです。
- はんだブリッジは英語では『Solder Bridge』と書きます。
では次に
- はんだブリッジを除去する方法
- はんだブリッジの『原因』と『対策』
について説明します。
はんだブリッジを除去する方法
- はんだ吸い取り線を使用する。
- はんだごてをスライドさせる。
→はんだ吸い取り線を用いて、はんだブリッジしている箇所を吸い取ります。
→はんだブリッジしている箇所を、再度はんだごてで加熱しながら、はんだごてをスライドさせ、はんだをコテ先にくっつけます。
はんだブリッジの原因
- ランドの大きさに対して、はんだの供給量が多い。
- 鉛フリーはんだの使用に伴って、はんだ濡れ性の悪化している。
- ランドや部品のリードに汚れや酸化があり、濡れ性が悪化している。
- ランドや部品のリードに十分に熱を伝達できていない。
- 部品のリードがランドとランドの間にはみ出している状態で、仮付けをしている。
- はんだごての温度が十分な温度になっていない状態で使用している。
- はんだの温度が十分に上がっていないのに、はんだごてを離している。
- 大きすぎたり、幅が広がりすぎるコテ先を使用している。
はんだブリッジの対策
- はんだの供給量を適正化する。
- 濡れ性を改善する。
- 熱供給量を増やす。
- 基板や部品の保管管理を行う。
- 部品のリードの先端付近にランドを供給する。
- 仮付けはランドと部品のリードが正しい位置であることを確認して行う。
- ピッチが狭い部品(ICやコネクタ等)をフロー槽ではんだ付けする場合、一定方向に配置し、溶融はんだの行き場(空きパターン)を作る。
→糸はんだのサイズを小さくする等により、はんだの供給量を適正化することができます。
→液体フラックスを塗布したりすることで、濡れ性を改善することができます。
→蓄熱量が大きく、熱伝達の優れたコテ先を使用するこで、熱供給量を増やすことができます。
→基板や部品のリードに汚れや酸化が付かないように、基板や部品の保管管理を行います。
まとめ
この記事では『はんだブリッジ』について、以下の内容を説明しました。
- はんだブリッジとは
- はんだブリッジを除去する方法
- はんだブリッジの『原因』と『対策』
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