この記事では『スペアナのRBW(分解能帯域幅)』について
- スペアナのRBW(分解能帯域幅)とは
- スペアナのRBW(分解能帯域幅)を狭くした時と広くした時の挙動
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
スペアナのRBW(分解能帯域幅)とは
スペアナのRBWは分解能帯域幅(Resolution Band Width)の略であり、IFフィルタの帯域幅のことを指しています。
IFフィルタ部のRBWは任意に設定することができ、RBWによりスペアナが表示するスペクトラムの周波数分解能が決まります。
RBWを『狭くした時(設定周波数を低くした時)』と『広くした時(設定周波数を高くした時)』の挙動を下記に示します。
RBWを『狭くした時(設定周波数を低くした時)』
RBWを狭くすると、周波数分解能が向上するため、スペアナが表示するスペクトラムが鋭くなります。すなわち、観測する信号の周波数成分を細かく見ることができるようになります。
しかし、RBWを狭くすればするほど、掃引速度が遅くなるため、測定に時間がかかるようになります。
RBWを『広くした時(設定周波数を高くした時)』
RBWを広くすると、掃引速度は速くなりますが、観測する信号の周波数成分が近い場合、各周波数成分を分離することができず、スペアナが表示するスペクトラムは各周波数成分が融合したような形になってしまいます。
このようにRBWの設定により、周波数分解能や掃引速度が変わるため、測定対象に合わせて適切なRBWを設定する必要があります。
補足
- IFフィルタのIFは「Intermediate Frequency:中間周波数」の略です。
- RBWを1/10倍にすると、ノイズフロアが10dB減少します。そのため、ダイナミックレンジを向上させるためには、なるべくRBWを狭く設定する必要があります。例えば、測定したい信号が広帯域のノイズに埋もれている場合に有効です。RBWを狭くすることで、広帯域のノイズレベルを下げることができるため、測定したい信号を観測しやすくなります。
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