この記事では『Yコンデンサ』について
- 『Yコンデンサ』とは
- 『Yコンデンサ』の役割・サブクラスによる分類・漏れ電流・感電
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
Yコンデンサとは
Yコンデンサは「ライブ(L)やニュートラル(N)の電源ライン」と「グラウンド(GND)」との間に接続されるコンデンサです。
Yコンデンサは『コモンモードノイズ』に有効なコンデンサであり、主に1MHz以上の周波数に対して効果的だと言われています。Yコンデンサでノイズをバイパスすることで、入力側(電源系統側)にノイズが流れるのを阻止することができます。
Yコンデンサは1次側に接続される素子のため、電源系統からサージ電圧が印加されます。そのため、Yコンデンサには耐えることができるサージ電圧に応じた分類(サブクラスと呼ばれる)があります。印加されるサージ電圧に応じたサブクラスの素子を選定する必要があります。
次にサブクラスについて説明します。
補足
- Yコンデンサには通常、セラミックコンデンサが使用されています。
- Yコンデンサは『ラインバイパスコンデンサ』とも呼ばれています。
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Yコンデンサのサブクラス
Yコンデンサには上表に示すようにY1、Y2、Y4というサブクラスの分類があります。これらは、対応している絶縁の種類、定格電圧範囲、耐ピークインパルス電圧によって分かれており、Yの後に付く数字が小さいほど、サージ電圧に対して耐性があります。
サブクラスY1
- 二重絶縁または強化絶縁に対応しています。
- 定格電圧範囲は500V以下です。
- 耐ピークインパルス電圧は8000Vです。
サブクラスY2
- 基礎絶縁または付加絶縁に対応しています。
- 定格電圧範囲は150V以上、500V以下です。
- 耐ピークインパルス電圧は1μF以下の場合は5000V、1μFより大きい場合は\(\displaystyle\frac{5000}{\sqrt{\displaystyle\frac{C_Y}{10^{-6}}}}\)の式で電圧が決まります。
サブクラスY4
- 基礎絶縁または付加絶縁に対応しています。
- 定格電圧範囲は150V未満です。
- 耐ピークインパルス電圧は2500Vです。
Yコンデンサの漏れ電流
Yコンデンサの静電容量は「470pF~4700pF」がよく使用されます。しかし、静電容量が大きければ大きいほど、漏れ電流が大きくなります。そのため、Yコンデンサの静電容量はあまり大きくすることはできません。
製品の漏れ電流の規格が満たせない場合には、Yコンデンサの静電容量を小さくする必要があります。
Yコンデンサと感電
Yコンデンサは電源ラインとアース間に接続されている素子のため、Yコンデンサが故障すると、上図に示すように感電の恐れがあります。
まとめ
この記事では『Yコンデンサ』について、以下の内容を説明しました。
- 『Yコンデンサ』とは
- 『Yコンデンサ』の役割・サブクラスによる分類・漏れ電流・感電
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