『カップリングコンデンサ』と『デカップリングコンデンサ』の違いと特徴!

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この記事では『カップリングコンデンサ』『デカップリングコンデンサ』について

  • 『カップリングコンデンサ』と『デカップリングコンデンサ』の違い
  • 『カップリングコンデンサ』の特徴と用途
  • 『デカップリングコンデンサ』の特徴と用途

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

『カップリングコンデンサ』と『デカップリングコンデンサ』の違い

『カップリングコンデンサ』と『デカップリングコンデンサ』の違い

『カップリングコンデンサ』と『デカップリングコンデンサ』の違いをまとめると下記のようになります。

  • カップリングコンデンサ
  • 直流成分+交流成分』から『交流成分』のみを取り出すために使用されるコンデンサ。

  • デカップリングコンデンサ
  • 直流成分+交流成分』から『直流成分』のみを取り出すために使用されるコンデンサ。

ではこれから各コンデンサについて詳しく説明します。

『カップリングコンデンサ』とは

『カップリングコンデンサ』とは

カップリングコンデンサは、コンデンサの直流成分を遮断する特性を利用し、『直流成分+交流成分』から『交流成分』のみを取り出すために使用されるコンデンサです。

コンデンサのインピーダンスの大きさ\(Z_C\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
Z_C=\frac{1}{{\omega}C}=\frac{1}{2{\pi}fC}
\end{eqnarray}

上式において、\(C\)はコンデンサの静電容量[F]、\(f\)は周波数[Hz]、\({\omega}\)は角周波数(角速度とも呼ばれる)であり、\({\omega}=2{\pi}f\)の関係があります。

コンデンサのインピーダンスの大きさ\(Z_C\)は直流成分(\(f=0)\)では無限大になります(分母が0になるから)。そのため、『直流成分+交流成分』を含んだ信号がコンデンサに入力された場合、『直流成分』を遮断して『交流成分』のみを取り出すことができます。

また、カップリングとは『2つのものを結合させる』という意味があります。その名の通り、カップリングコンデンサは回路を結合させる用途で用いられます。

例えば、多段の増幅回路の場合、1段目の増幅回路の出力が2段目の増幅回路の入力になります。その際、1段目の増幅回路は微弱な交流信号に直流電圧を重畳させて、2段目の増幅回路に送り込んでいます(この直流電圧はバイアス電圧と呼ばれています)。

しかし、各増幅回路でトランジスタやIC等の動作条件が異なるので、直流電圧が重畳された状態で交流信号を送り込むと、2段目の増幅回路に影響を及ぼすことがあります。そこで、1段目の増幅回路と2段目の増幅回路をカップリングコンデンサで結合することで、2段目の増幅回路に交流信号のみを送り込むことができるようになります。

補足

  • カップリングコンデンサは英語では『Coupling Capacitor』と書きます。

『デカップリングコンデンサ』とは

『デカップリングコンデンサ』とは

デカップリングコンデンサは、コンデンサの交流成分を通過させる特性を利用し、『直流成分+交流成分』から『直流成分』のみを取り出すために使用されるコンデンサです。

コンデンサのインピーダンスの大きさ\(Z_C\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
Z_C=\frac{1}{{\omega}C}=\frac{1}{2{\pi}fC}
\end{eqnarray}

上式において、\(C\)はコンデンサの静電容量[F]、\(f\)は周波数[Hz]、\({\omega}\)は角周波数(角速度とも呼ばれる)であり、\({\omega}=2{\pi}f\)の関係があります。

コンデンサのインピーダンスの大きさ\(Z_C\)は直流成分(\(f=0)\)では無限大になります(分母が0になるから)。また、ノイズ等の交流成分は周波数\(f\)が高いため、コンデンサのインピーダンスの大きさ\(Z_C\)が小さくなります。

そのため、上図に示すようにデカップリングコンデンサを電源ラインとグラウンド間に接続した場合、ノイズ等の交流成分はデカップリングコンデンサに流れるので、『直流成分+交流成分』をを含んだ信号から『直流成分』のみを取り出すことができます。

また、回路に供給される電源電圧にノイズ等の交流成分が重畳すると、電圧変動を引き起こし、回路の動作が不安定になる可能性があります。デカップリングコンデンサを回路の入力近傍に接続することで、『ノイズ等の交流信号』をグラウンドに流すことができるため、安定した電源電圧を回路に供給することができるようになります。

補足

  • 『交流成分』を遮断して『直流成分』のみを取り出すため、デカップリングコンデンサ(カップリングコンデンサの反意語)と呼ばれています。なお、カップリングコンデンサは『直流成分』を遮断して『交流成分』のみを取り出すコンデンサです。
  • デカップリングコンデンサはノイズなどの交流成分をグラウンドに流す(バイパスして逃がす)目的で用いられているためバイパスコンデンサ(略してパスコン)とも呼ばれています。
  • デカップリングコンデンサは英語では『Decoupling Capacitor』と書きます。

まとめ

この記事では『カップリングコンデンサ』『デカップリングコンデンサ』について、以下の内容を説明しました。

  • 『カップリングコンデンサ』と『デカップリングコンデンサ』の違い
  • 『カップリングコンデンサ』の特徴と用途
  • 『デカップリングコンデンサ』の特徴と用途

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