【点電荷の電位】『公式』・『導出方法』をわかりやすく解説!

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この記事では点電荷の電位について

  • 点電荷の電位の公式
  • 『電位の定義』と『公式の導出方法』
  • 電位に関する簡単な例題

などを図を用いて分かりやすく説明しています。

点電荷の電位の公式

点電荷の電位の公式

点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点での電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は以下の式で表されます。

点電荷の電位の公式

\begin{eqnarray}
V&=&k\frac{Q}{r}\\
&=&\frac{1}{4{\pi}{\varepsilon}_0}\frac{Q}{r}{\mathrm{[V]}}
\end{eqnarray}
\(V\):電位\({\mathrm{[V]}}\)
\(Q\):点電荷の電気量\({\mathrm{[C]}}\)
\(r\):距離\({\mathrm{[m]}}\)
\({\varepsilon}_0\):真空の誘電率(\(8.854×10^{-12}{\mathrm{[F/m]}}\))

上図のグラフと式より、電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は距離\(r{\mathrm{[m]}}\)に反比例することが分かります。

『電位の定義』と『公式の導出方法』

『電位の定義』と『公式の導出方法』

電位の定義

電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は\(1{\mathrm{[C]}}\)の点電荷が持つ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)のことであり、外力が点電荷\(1{\mathrm{[C]}}\)を『無限遠の位置(基準点)』から『\(1{\mathrm{[C]}}\)の点電荷がある地点』に動かすときの仕事の量に等しくなります。

言い換えると、「\(1{\mathrm{[C]}}\)の電荷を\(1{\mathrm{[J]}}\)の仕事量である地点まで移動させると、\(1{\mathrm{[C]}}\)の点電荷がある地点の電位が\(1{\mathrm{[V]}}\)である」ということになります。

電位の定義は上に示したものとなります。仕事の量を計算することで、点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点での電位\(V=k\displaystyle\frac{Q}{r}{\mathrm{[V]}}\)を求めることができるので導出してみましょう。

電位の公式の導出方法

点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点に点電荷\(1{\mathrm{[C]}}\)がある場合、点電荷\(1{\mathrm{[C]}}\)が受ける静電気力\(F{\mathrm{[N]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
F=k\frac{Q}{r^2}{\mathrm{[N]}}\tag{1}
\end{eqnarray}

外力が点電荷\(1{\mathrm{[C]}}\)を『無限遠の位置(基準点)』から『距離\(r{\mathrm{[m]}}\)(点電荷がある地点)』に動かすときの仕事の量が、距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の箇所における1[C]の点電荷が持つ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)(すなわち、電位\(V{\mathrm{[V]}}\))となります。

ただし、点電荷\(1{\mathrm{[C]}}\)が受ける静電気力\(F{\mathrm{[N]}}\)は距離が離れるにつれて小さくなります。そのため、電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は以下のように積分計算で求めることが必要となります。

\begin{eqnarray}
V&=&{\displaystyle\int}_{\infty}^r \left(-k\frac{Q}{r^2}\right) dr\\
&=&\left[k\frac{Q}{r}\right]_{\infty}^r\\
&=&k\frac{Q}{r}{\mathrm{[V]}}\tag{2}
\end{eqnarray}

補足

(2)式の『\(-k\displaystyle\frac{Q}{r^2}\)』についているマイナスの符号は距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の向きと外力の向きが逆なのでついています。

【電位の例題】電位は『スカラー量』なので重ね合わせる!

次に電位に関して簡単な例題を解いてみましょう。

例題

2つの点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)が距離\(2r{\mathrm{[m]}}\)離れて置かれている時、距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の地点における電位\(V{\mathrm{[V]}}\)を求めてみましょう。

電位に関する簡単な例題

回答

点Aにある点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)が距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の地点における電位\(V_A{\mathrm{[V]}}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_A=k\frac{Q}{r}{\mathrm{[V]}}
\end{eqnarray}

同様に、点Bにある点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)が距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の地点における電位\(V_B{\mathrm{[V]}}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_B=k\frac{Q}{r}{\mathrm{[V]}}
\end{eqnarray}

電位は『スカラー量』なので電位\(V_A{\mathrm{[V]}}\)と電位\(V_B{\mathrm{[V]}}\)を足し合わせることで、距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の地点における電位\(V{\mathrm{[V]}}\)を求めることができ、次式となります。

\begin{eqnarray}
V=V_A+V_B=k\frac{Q}{r}+k\frac{Q}{r}=k\frac{2Q}{r}{\mathrm{[V]}}
\end{eqnarray}

まとめ

この記事では点電荷の電位ついて、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • 点電荷の電位の公式
  • 『電位の定義』と『公式の導出方法』
  • 電位に関する簡単な例題

お読み頂きありがとうございました。

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