製造業に務めている人は、生産された製品のうち、良品と不良品の割合を把握することが、重要となります。その際によく使用される言葉が歩留まり(ぶどまり)です。
この記事では歩留まりに関して、意味や計算式について説明します。
歩留まりとは
歩留まりとは、製造ラインで生産される製品において、不良製品を引いたものの割合です。
例えば、100個製品を生産した中で10個不良製品があった場合は、不良率は
不良率[%]=不良製品数÷製品製造数=10/100=10%
となります。
そして、歩留まりは
歩留まり[%]=良品製品数÷製品製造数=(100-10)/100=90%
となります。歩留まりは言葉を変えれば、「良品率」ということになります。
歩留まりの使い方
歩留まりは製造業では以下のように使用されます。
- 今年はトランジスタAの歩留まりが低いから、製造ラインを改善しよう!
- 今年は去年より歩留まりが10%良くなったね。
- 歩留まりを良くして、製品の原価を下げよう。
→今年はトランジスタAは不良品が増加しているから、改善しよう!
→今年は去年より、良品の割合が10%良くなったね。
→不良製品を少なくして、製品の原価を下げよう
ポイント
- 歩留まりは製品全般に用いられる用語であるが、特に半導体部品(LSI、メモリ、CPU)の製造に関して用いられることが多いです。
- 不良製品が多い場合は、「歩留まりが悪い」、「歩留まりが低い」と言います。
- 不良製品が少ない場合は、「歩留まりが良い」、「歩留まりが高い」と言います。
- 歩留まりによって、製品の原価が大きく影響を受けます。
- 新しい製品は歩留まりが低く(不良製品が多く)、製造を繰り返しながら、製造ラインの改善等を行い、歩留まりを高くしていきます。
- 歩留まりの読み方は「ぶどまり」と読みます。「ぶ」は音読み、「どまり」は訓読みで、日本人が作った言葉です。
- 歩留まりは英語では「yield rate(イールド・レート)」と書きます。
歩留まりが高いと不良製品が少ないことなので、製品コストが安くなります。不良製品が発生すると検品や取り除き作業、そして原料などで余計なコストが生じます。
その他
製造業以外でも「歩留まり」は使用されます。例えば、販売業などでは、
レジで支払ったお客さん/入店者数
を歩留まりと呼んだりしています。
また、人事などでは歩留まりを
3年後に残っている新入社員/入社人数
として使っている場合もあるようです。