UVLO機能とは、ICの入力電圧VINが動作入力電圧範囲より低下し、ICの内部回路が異常状態となる前に動作を止める保護機能です。DCDCコンバータを安定動作させる機能であり、低電圧対応製品などを除きほとんどの製品に搭載されています。
この記事では、このUVLO回路について動作などを紹介します。
UVLO機能の動作
ICの入力電圧VIN低下時、検出電圧VUVLOoff以下になると、ICの内部回路の動作が停止します。ICの内部回路の動作が止まっている間は、IC内部のスイッチング回路や基準電圧生成回路も止まっています。一方、ICの入力電圧VIN増加時、解除電圧VUVLOon以上になると、停止状態が解除され、動作が開始します。
この検出電圧VUVLOoffと解除電圧VUVLOonはヒステリシス特性を持っており、検出電圧VUVLOoffは解除電圧VUVLOonより低くなります。このヒステリシス特性によってUVLO回路の誤動作を防止しています。
UVLOはUnder Voltage Lock Outの英語の頭文字を取ったものであり、日本語では低電圧誤動作防止機能や低電圧検出回路とも呼ばれています。
ヒステリシス特性がない場合の誤動作について
ICの入力電圧VINが上がり、解除電圧VUVLOonに達した時を考えてみます。
上図の左がヒステリシス特性がない場合、右がヒステリシス特性がある場合を示しています。
- ヒステリシス特性がない場合
- ヒステリシス特性がある場合
ICの入力電圧VINが上がり、解除電圧VUVLOonに達すると、ICが動作開始します。このICの動作開始に伴うスイッチング等で入力部から電流が引かれると、入力電圧が低下します。その結果、ICが瞬時的に停止してしまいます。
同様に、ICの入力電圧VINが下がり、検出電圧VUVLOoffに達すると、ICの動作が停止します。すると、今までスイッチング等で入力部から引いていた電流がなくなるため、入力電圧が増加します。その結果、ICが瞬時的に動作を開始します。このようにヒステリシス特性がないと、ICの起動時や停止時に不安定な挙動となってしまうのです。
ICの起動時に入力電圧が低下しても&ICの停止時に入力電圧が増加しても、検出電圧VUVLOoffと解除電圧VUVLOonに差があるため、不安定な挙動となりません。