スーパーキャパシタは、数10mF以上の非常に大きな静電容量があるため、メモリー等のバックアップなどに使用されるコンデンサです。ウルトラキャパシタとも呼ばれています。
このスーパーキャパシタは大きく電気二重層キャパシタ(EDLC)、擬似キャパシタ(シュードキャパシタ、レドックスキャパシタ)、ハイブリッドキャパシタに分類されます。この中で一番有名なのが「電気二重層キャパシタ(EDLC)」になります。
電気二重層キャパシタ(EDLC)
電気二重層キャパシタ(EDLC:Electrical Double Layer Capacitor)は、誘電体を持っていないコンデンサです。電解コンデンサは電解液、セラミックコンデンサはセラミックが誘電体です)。外観は電解コンデンサと似ています。
固体(活性炭電極)と液体(電解液)の界面に形成される電気二重層(Electrical Double Layer)を誘電体の代わりとして使用しています(これが電気二重層コンデンサの由来です)。
この電気二重層キャパシタは、アルミ電解コンデンサと二次電池(バッテリ)の中間的な特徴を持つコンデンサです。容量密度はアルミ電解コンデンサの1000~10000倍以上、二次電池の1/10倍程度となっています。また、二次電池(バッテリ)の欠点である充放電回数の制限がないため、メンテナンスフリーというメリットがあります。
二次電池(バッテリ)は化学反応によって電荷を蓄えています。一方、電気二重層キャパシタは電解液に浸した活性炭電極の表面にイオンを吸着させ、電気二重層(Electric Double Layer)を形成することで電荷を蓄えています。そのため、バッテリは充電に数時間を要しますが、電気二重層キャパシタは数秒で充電が終わります(急速充放電に優れている)。なお、電気二重層コンデンサの充放電は、正極と負極の活性炭の電極表面のイオンの吸着と脱着を利用しています。
また、二次電池(バッテリ)は回収・廃棄・関税の規制がありますが、電気二重層キャパシタにはそれがありません。
補足
主な用途
- ICメモリのデータ保護用
- バックアップ用電源
- モーター起動時の電力のアシスト
- 供給用電源
擬似キャパシタ(シュードキャパシタ、レドックスキャパシタ)
電気二重層キャパシタ(EDLC)に近い蓄電デバイスであり、ファラデー反応を利用したキャパシタです。シュードキャパシタは英語では「Pseudo Capacitor」、レドックスキャパシタは英語では「Redox Capacitor」と書きます。
擬似コンデンサは、電極と電解質間の電子電荷移動により電気エネルギーをファラデー的に蓄積しており、急速充放電可能大容量なエネルギー蓄積デバイスとして次世代のエネルギー源として期待されています。
ハイブリッドキャパシタ(Hybrid Capacitor)
2つの電極のうち、片方の電極が電気二重層を使用し、他方の電極がレドックス反応(酸化還元反応)を使用したキャパシタです。
ハイブリッドキャパシタの例に、Liイオン・キャパシタ(リチウムイオンキャパシタ)があります。リチウムイオンキャパシタは陽極が電気二重層、陰極がLiイオン二次電池の構造をしています。