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【スナバ回路の設計】抵抗値と容量値の計算方法について

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スイッチング時のリンギングを減らす目的としてスナバ回路がMOSFETやダイオードに並列に接続されます。
今回はそのスナバ回路の設計方法について説明します。

スナバ回路の設計方法①

スナバ回路での消費電力が重要ではない場合において簡単にRCスナバを設計する方法があります。
以下の図においてスナバコンデンサCSNBとスナバ抵抗RSNBの値を設計します。
スナバ回路の設計方法

1.スナバコンデンサCSNBの容量値を求める

上図において、寄生容量CPの2倍のスナバコンデンサCSNBをスイッチと並列に接続します。寄生容量CPはMOSFETの出力容量COSSと回路の浮遊容量の合計になります。
\begin{eqnarray}
C_{SNB}=2C_P
\end{eqnarray}

2.スナバ抵抗RSNBの抵抗値を求める

MOSFETがオン時に流れる電流(IS=IIN)とMOSFETがオフ時にかかる電圧(VS=VOUT)からスナバ抵抗RSNBの抵抗値を求めます。
上図において、
\begin{eqnarray}
R_{SNB}=\displaystyle\frac{V_S}{I_S}=\displaystyle\frac{V_{OUT}}{I_{IN}}
\end{eqnarray}

となるようにスナバ抵抗値RSNBを求めます(上式ではダイオードの順方向電圧降下VFを無視して計算しています)。

3.リンギングの低減が不十分な場合には、スナバ抵抗とスナバコンデンサを調整する

スナバコンデンサCSNBの容量値が大きい方がスナバ回路の効果は高くなります。しかし、容量値が大きいとスナバ抵抗RSNBでの電力損失が増大するので、電力損失を考慮して調整しましょう。

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スナバ回路の設計方法②

スナバ回路での消費電力が重要である場合&厳密に計算して求める場合には以下のように設計します。

1.スナバ回路を接続しない状態におけるリンギング周波数fR1を測定する

スイッチのターンオフ時に生じるMOSFETのスイッチ電圧VSのリンギング周波数fR1を測定します。
スナバ回路を接続しない状態におけるリンギング周波数

2.寄生容量CPを求める

MOSFETのドレインーソース間にコンデンサC1(一般的に低ESRのフィルムコンデンサ)を接続した時のリンギング周波数fR2を測定します。この時、fR2がfR1の50%~75%程度になるようにコンデンサC1を接続します。コンデンサC1は100pFから調整します。
スナバ回路を接続した状態におけるリンギング周波数

この時、リンギング周波数fR1とリンギング周波数fR2は以下の値になります。
\begin{eqnarray}
f_{R1}&=&\displaystyle\frac{1}{2{\pi}\sqrt{{L_P}{C_P}}}\\
f_{R2}&=&\displaystyle\frac{1}{2{\pi}\sqrt{{L_P}{(C_P+C_1)}}}
\end{eqnarray}

リンギング周波数fR1とリンギング周波数fR2の比率をMとすると、
\begin{eqnarray}
M=\displaystyle\frac{f_{R1}}{f_{R2}}
\end{eqnarray}
となります。上式より、寄生容量CPを求めます。
\begin{eqnarray}
M^2&=&\displaystyle\frac{f_{R1}^2}{f_{R2}^2}\\
&=&\displaystyle\frac{\left(\displaystyle\frac{1}{2{\pi}\sqrt{{L_P}{C_P}}}\right)^2}{\left(\displaystyle\frac{1}{2{\pi}\sqrt{{L_P}{(C_P+C_1)}}}\right)^2}\\
&=&\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{C_P}}{\displaystyle\frac{1}{C_P+C_1}}\\
&=&\displaystyle\frac{C_P+C_1}{C_P}
\end{eqnarray}
より、
\begin{eqnarray}
C_P&=&\displaystyle\frac{C_1}{M^2-1}
\end{eqnarray}
となります。

3.寄生インダクタンスLPを求める

寄生容量CPとリンギング周波数fR1から寄生インダクタンスLPは以下の式で求めます。
リンギング周波数fR1は、
\begin{eqnarray}
f_{R1}&=&\displaystyle\frac{1}{2{\pi}\sqrt{{L_P}{C_P}}}
\end{eqnarray}
なので、寄生インダクタンスLpは、
\begin{eqnarray}
L_P&=&\displaystyle\frac{1}{(2{\pi}f_{R1})^2×C_P}=\displaystyle\frac{M^2-1}{(2{\pi}f_{R1})^2×C_1}
\end{eqnarray}
となります。

4.スナバ抵抗RSNBの抵抗値を求める

スナバ回路の抵抗で消費する電力を最大化し(スナバ回路を最大限に活用し)、スナバからの反射を最小限にするためには、スナバ抵抗RSNBと寄生成分(寄生容量CP、寄生インダクタンスLP)の特性インピーダンスZを同じにするのが一般的です。そのため、スナバ抵抗RSNBは以下の式で求めることができます。
\begin{eqnarray}
R_{SNB}&=&特性インピーダンスZ\\
&=&\sqrt{\displaystyle\frac{L_P}{C_P}}
\end{eqnarray}

5.スナバコンデンサCSNBの容量値を求める

スナバコンデンサCSNBとスナバ抵抗RSNBで構成されるハイパスフィルタのカットオフ周波数がリンギング周波数より十分に小さくなるように、スナバコンデンサCSNBの値を決めます。一般的に寄生容量CPの1~4倍のスナバコンデンサCSNBを接続します。
\begin{eqnarray}
C_{SNB}=1C_P~4C_P
\end{eqnarray}

【補足】スナバコンデンサCSNBは以下の式で求めることができると書いてある参考書やネットもあります。
\begin{eqnarray}
C_{SNB}=\displaystyle\frac{1}{2{\pi}R_{SNB}f_{R1}}
\end{eqnarray}

6.リンギングの低減が不十分な場合には、スナバ抵抗とスナバコンデンサを調整する

スナバコンデンサCSNBの容量値は大きい方がスナバ回路の効果は高くなります。しかし、容量値は大きいとスナバ抵抗RSNBでの電力損失が増大するので、電力損失を考慮して調整しましょう。

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