シリーズレギュレータの『効率』と『損失』について!

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この記事ではシリーズレギュレータの『効率』と『損失』について

  • シリーズレギュレータの『効率』と『損失』の式と導出方法

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

シリーズレギュレータの『効率』と『損失』

シリーズレギュレータの『効率』と『損失』

上図に示しているのはNPNトランジスタ\(Q_1\)、エラーアンプ(誤差検出用のオペアンプ)、基準電圧源\(V_{REF}\)、抵抗\(R_1\),\(R_2\)で構成されたシリーズレギュレータです。

これから、シリーズレギュレータの効率\({\eta}\)と損失\(P_{LOSS}\)に関して説明しますが、「そもそもシリーズレギュレータって何だっけ?」「動作原理とか忘れちゃったな?」という方は下記の記事にシリーズレギュレータの基本的な内容を説明していますので、ご参考にしてください。

上図のシリーズレギュレータの入力電流\(I_{IN}\)と出力電流\(I_{OUT}\)の関係は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{IN}=I_{OUT}+I_{REG1}+I_{REG2}\tag{1}
\end{eqnarray}

ここで、\(I_{REG1}\)はICの消費電流、\(I_{REG2}\)は抵抗\(R_1\)に流れ込む電流ですが、非常に小さな値なので無視すると、(1)式は次式で表すことができます。

\begin{eqnarray}
I_{IN}{\;}{\approx}{\;}I_{OUT}\tag{2}
\end{eqnarray}

また、シリーズレギュレータの入力電力\(P_{IN}\)と出力電力\(P_{OUT}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
P_{IN}&=&V_{IN}×I_{IN}\tag{3}\\
\\
P_{OUT}&=&V_{OUT}×I_{OUT}\tag{4}
\end{eqnarray}

シリーズレギュレータの効率\({\eta}\)は入力電力\(P_{IN}\)と出力電力\(P_{OUT}\)の割合なので、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
{\eta}&=&\frac{P_{OUT}}{P_{IN}}×100\\
\\
&=&\frac{V_{OUT}×I_{OUT}}{V_{IN}×I_{IN}}×100\\
\\
&=&\frac{V_{OUT}×I_{OUT}}{V_{IN}×I_{OUT}}×100\\
\\
&=&\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}×100{\mathrm{[{\%}]}}\tag{5}\\
\end{eqnarray}

このように、ICの消費電流\(I_{REG1}\)と抵抗\(R_1\)に流れ込む電流\(I_{REG2}\)は非常に小さいので無視して、『\(I_{IN}{\;}{\approx}{\;}I_{OUT}\)』とすると、シリーズレギュレータの効率\({\eta}\)は出力電圧\(V_{OUT}\)を入力電圧\(V_{IN}\)で割るだけで計算することができるようになります。

また、NPNトランジスタ\(Q_1\)にかかる電圧\(V_{CE}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
V_{CE}=V_{IN}-V_{OUT}\tag{6}
\end{eqnarray}

したがって、抵抗\(R_1\)に流れ込む電流\(I_{REG2}\)を無視すると、シリーズレギュレータに流れる電流は\(I_{OUT}\)になるので、損失\(P_{LOSS}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
P_{LOSS}=V_{CE}×I_{OUT}=(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}{\mathrm{[W]}}\tag{7}
\end{eqnarray}

ここで、一例として、出力電圧\(V_{OUT}\)が3.3V、出力電流\(I_{OUT}\)が1.0Aのシリーズレギュレータにおいて、入力電圧\(V_{IN}\)が24V,12V,5Vの時で効率\({\eta}\)と損失\(P_{LOSS}\)がどのようになるか計算してみましょう。

  • 入力電圧\(V_{IN}\)が24Vの時
  • \begin{eqnarray}
    {\eta}&=&\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}×100=\frac{3.3}{24}×100=13.75{\mathrm{[{\%}]}}\\
    \\
    P_{LOSS}&=&(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}=(24-3.3)×1=20.7{\mathrm{[W]}}
    \end{eqnarray}

  • 入力電圧\(V_{IN}\)が12Vの時
  • \begin{eqnarray}
    {\eta}&=&\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}×100=\frac{3.3}{12}×100=27.5{\mathrm{[{\%}]}}\\
    \\
    P_{LOSS}&=&(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}=(12-3.3)×1=8.7{\mathrm{[W]}}
    \end{eqnarray}

  • 入力電圧\(V_{IN}\)が5Vの時
  • \begin{eqnarray}
    {\eta}&=&\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}×100=\frac{3.3}{5}×100=66{\mathrm{[{\%}]}}\\
    \\
    P_{LOSS}&=&(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}=(5-3.3)×1=1.7{\mathrm{[W]}}
    \end{eqnarray}

このように、シリーズレギュレータは入力電圧\(V_{IN}\)が出力電圧\(V_{OUT}\)に近づくほど、効率\({\eta}\)が上がることが分かります。

ポイント

  • 『\(I_{IN}{\;}{\approx}{\;}I_{OUT}\)』とすると、シリーズレギュレータの効率\({\eta}\)は次式のように出力電圧\(V_{OUT}\)を入力電圧\(V_{IN}\)で割るだけで計算することができる。

    \begin{eqnarray}
    {\eta}=\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}×100{\mathrm{[{\%}]}}
    \end{eqnarray}

  • シリーズレギュレータは入力電圧\(V_{IN}\)が出力電圧\(V_{OUT}\)に近づくほど、効率\({\eta}\)が上がる

まとめ

この記事ではシリーズレギュレータの『効率』と『損失』について、以下の内容を説明しました。

  • シリーズレギュレータの『効率』と『損失』の式と導出方法

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