この記事では『電源の効率』について
- 電源の効率
- 電源の効率の「計算式」と「80PLUS」
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
電源の効率とは
PC等の電気機器に用いられている電源ユニット(PSU:Power Supply Unit)は、コンセントから供給される交流電圧を直流電圧に変換し、CPUやメモリ等に電力を供給しています。電源ユニットの効率は「コンセントから供給された入力電力\(P_{IN}\)」と「出力電力\(P_{OUT}\)」の比であり、通常は[%]で示します。
電源ユニットの効率は次式で表されます。
\begin{eqnarray}
\mbox{効率}=\frac{P_{OUT}}{P_{IN}}×100{\mathrm{[{\%}]}}
\end{eqnarray}
効率が90%の電源ユニットの場合、入力電力\(P_{IN}\)の90%を出力として利用できることを意味しています。残りの10%は損失となり、主に熱となって失われます。例えば、入力電力\(P_{IN}\)が100Wの場合、出力電力\(P_{OUT}\)が90Wであり、残りの10Wは主に熱となるということです。
PC内部のCPUやメモリなどは直流電圧で動作します。一方、コンセントから供給される電圧は交流電圧です。そのため、PCは電源ユニットを用いて交流電圧を直流電圧に変換しています。
電源の効率の80PLUSとは
電源ユニットの効率には80PLUSと呼ばれる規格があります。80PLUSはコンピュータ用電源ユニットの電力変換効率に関する規格です。
80PLUSの規格が通っている電源ユニットは効率が80%以上であることを意味しています。また、効率のランクによって、現在は6つのランク(STANDARD、BRONZE、SILVER、GOLD、PLATINUM、TITATIUM)に分けられており、下表に示すように、各ランクと負荷率によって効率が異なります。
80PLUS STANDARD | 80PLUS BRONZE | 80PLUS SILVER | 80PLUS GOLD | 80PLUS PLATINUM | 80PLUS TITANIUM | |
負荷率20% の時の効率 | 80% | 82% | 85% | 87% | 90% | 92% |
負荷率50% の時の効率 | 80% | 85% | 88% | 90% | 92% | 94% |
負荷率100% の時の効率 | 80% | 82% | 85% | 87% | 89% | 90% |
STANDARDが最低ランク、TITANIUMが最高ランクとなっています。なお、いずれのランクでも、負荷率が50%の時に効率が最大になります。電源ユニットに上図に示すロゴが表示されていれば、80PLUSの規格が通っていると判断できます。
80PLUSは「エイティープラス」と読みます。
まとめ
この記事では『電源の効率』について、以下の内容を説明しました。
- 電源の効率
- 電源の効率の「計算式」と「80PLUS」
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