【特許】『背景技術』の書き方

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【背景技術】はあなたの発明に関連する従来技術を事前に審査官に説明することで、審査官の理解の助けをするとともに、あなたの発明の進歩性や新規性をアピールするためにあります。今回はこの【背景技術】の書き方について説明します。

【背景技術】には何を書くのか?

特許の背景技術の書き方
【背景技術】には、あなたの発明が生まれた背景やその前提となった従来技術の構成や効果等を記載します。あなたの発明が備えている特徴を持っていないのが従来技術です。例えば、ある装置にAを付けることで〇〇することができた発明があるとします。この発明がAを付けたことを特徴とする場合、【背景技術】にはAがない従来の技術について記載します。

【背景技術】の書き方のポイント

簡潔に記載する

あなたの発明の主な特徴と従来技術との差異部分は具体的に記載する必要があります。しかし、あなたの発明に直接関係のない部分は省き、簡潔に説明します。【背景技術】は従来の技術を説明する箇所なので、権利範囲に含まれない部分となります。従来技術を長々と詳細に記載すると、あなたの発明の特徴が伝わりにくくなりますし、また明細書の作成費用や外国に出願する際の翻訳料が高くなります。

基本的に1つの文献を挙げる

多くの文献を挙げて、【背景技術】を記載すると、あなたの発明のポイントが審査官に伝わりにくくなります。ただ、複数の従来技術に関連してあなたの発明が生まれた場合には、【背景技術】には複数の従来技術の問題点を段階的に説明します。

あなたの発明に最も近い従来技術を記載する

単に従来技術だからといって、あなたの発明に対して遠い技術を記載して説明してはいけません。あなたの発明の新規性や進歩性を明確にするために、発明に最も近い従来技術を記載します。あなたの発明に近い技術を記載せずに、遠い技術を記載した場合、特許庁での審査中において、近い技術を指摘された時に、意見書の論理展開が難しくなり、権利化が難しくなります。

従来技術の問題点は【発明が解決しようとする課題】で記載

【背景技術】には、従来技術の問題点を記載しません。【発明が解決しようとする課題】の箇所で従来技術の解決すべき課題(つまり問題点)を記載します。

従来技術の特許番号を引用しない

従来技術の特許番号は、【先行技術文献】の箇所に「【特許文献1】特許第○○○○○○○号公報」と記載します。【背景技術】には特許番号を引用せずに、「例えば、特許文献1参照」などと記載します。
×:例えば、特許第○○○○○○○号公報参照
〇:例えば、特許文献1参照

必要に応じて図を用いる

審査官の理解のために必要に応じて図を用います。図を用いなくても説明に支障がない場合には、文章のみで説明します。

背景技術の書き方一例

・従来の〇〇においては、~をしている。図1は××の構成図である。(例えば、特許文献1参照)。
・従来の〇〇には、××を備えたものがある(例えば、非特許文献1参照)。

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