『受動部品』と『能動部品』の違いと一覧!

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この記事では『受動部品』と『能動部品』について

  • 受動部品』と『能動部品』の違い
  • 受動部品』の特徴と一覧
  • 能動部品』の特徴と一覧

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

『受動部品』と『能動部品』の違い

『受動部品』と『能動部品』の違い

電子部品は動作によって「受動部品」と「能動部品」の2種類に分類することができます。

後ほど各々の特徴について説明しますが、「受動部品」と「能動部品」の違いは下記となります。

受動部品

  • 外部から供給されたエネルギーを消費・蓄積・放出する部品。増幅や整流等の能動動作を行わない。
  • 例:抵抗、コンデンサ、インダクタ(コイル)など

能動部品

  • 外部から供給されたエネルギ-を増幅・整流する部品
  • 例:トランジスタ(バイポーラトランジスタ、FET等)やICなど

では次に「受動部品」と「能動部品」について個別に詳しく説明します。

受動部品とは

受動部品とは

受動部品とは、外部から供給されたエネルギーを消費・蓄積・放出する部品です。増幅や整流等の能動動作を行いません。抵抗、コンデンサ、インダクタ(コイル)などが受動部品となります。

例えば、上図に示すように抵抗に電圧を印加すると、抵抗は電力を消費します。なお、抵抗の抵抗値を\(R{\mathrm{[{\Omega}]}}\)、電圧の大きさを\(V{\mathrm{[V]}}\)とすると、消費電力\(P{\mathrm{[W]}}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
P=\frac{V^2}{R}{\mathrm{[W]}}
\end{eqnarray}

このように、抵抗は外部から供給されたエネルギーを消費しています。

インダクタやコンデンサは外部から供給されたエネルギーを蓄積・放出する部品です。

例えば、自己インダクタンスが\(L{\mathrm{[H]}}\)のインダクタに\(I{\mathrm{[A]}}\)の電流が流れている時、インダクタに蓄えられるエネルギー\(U_L{\mathrm{[J]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
U_L=\frac{1}{2}LI^2{\mathrm{[J]}}
\end{eqnarray}

静電容量が\(C{\mathrm{[F]}}\)のコンデンサにかかる電圧が\(V{\mathrm{[V]}}\)の時、コンデンサに蓄えられているエネルギー\(U_C{\mathrm{[J]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
U_C=\frac{1}{2}CV^2{\mathrm{[J]}}
\end{eqnarray}

補足

  • 受動部品は『受動素子』とも呼ばれています。
  • 受動部品(受動素子)は英語では『Passive Device』、『Passive Element』、『Passive Component』と書きます。
  • 受動部品と電源とで構成された電気回路は「受動回路」と呼ばれることがあります。
  • 受動部品は外部から供給されたエネルギーを受け、消費・蓄積・放出するため、受動部品と呼ばれています。

受動部品の一覧

  • 抵抗器
  • 固定抵抗器/可変抵抗器/半固定抵抗器/集積抵抗器など

  • コンデンサ
  • 無極性コンデンサ/有極性コンデンサ/可変コンデンサなど

  • インダクタ(コイル)
  • トランス(変圧器)
  • その他
  • サーミスタ/圧電素子/水晶振動子など

能動部品とは

能動部品とは

能動部品とは、外部から供給されたエネルギ-を増幅・整流する部品です。トランジスタ(バイポーラトランジスタ、FET等)やICなどが能動素子となります。

例えば、上図に示しているバイポーラトランジスタを用いた回路の場合、非常に小さな電流をベース端子(B)に流すと、コレクタエミッタ間には非常に大きな電流を流すことができます。ベース電流を\(I_B{\mathrm{[A]}}\)、コレクタ電流を\(I_C{\mathrm{[A]}}\)、電流増幅率を\(h_{FE}\)とすると、コレクタ電流\(I_C\)は以下の値となります。

\begin{eqnarray}
I_C=h_{FE}×I_B{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

電流増幅率\(h_{FE}\)はバイポーラトランジスタにより異なりますが10~1000程度あります。このように、バイポーラトランジスタを用いれば、電流を増幅することができるのです。

補足

  • 能動部品は『能動素子』とも呼ばれています。
  • 能動部品(能動素子)は英語では『Active Device』、『Active Element』、『Active Component』と書きます。
  • 受動部品とは異なり、供給されたエネルギーに対して、自ら働きかける(能動的である)部品なので、能動部品と呼ばれています。

能動部品の一覧

  • トランジスタ
  • バイポーラトランジスタ/MOSFET/JFET/IGBTなど

  • ダイオード
  • ツェナーダイオード/発光ダイオードなど

  • 集積回路(IC)
  • オペアンプ/コンパレータ/アナログIC/デジタルICなど

  • サイリスタ
  • トライアック
  • 真空管
  • 継電器(リレー)

ダイオードに関しては、「能動部品である」と記載している資料もあれば、「受動部品である」と記載している資料もあります。

まとめ

この記事では『受動部品』と『能動部品』について、以下の内容を説明しました。

  • 受動部品』と『能動部品』の違い
  • 受動部品』の特徴と一覧
  • 能動部品』の特徴と一覧

お読み頂きありがとうございました。

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