この記事ではオペアンプの『クロスオーバー周波数』について
- クロスオーバー周波数とは?
- クロスオーバー周波数と回路の応答性について
などを図を用いて分かりやすく説明しています。
クロスオーバー周波数とは
クロスオーバー周波数(Crossover Frequency)とは、オペアンプのオープンループゲインがAO、帰還率がβである負帰還回路において、ループゲイン|AOβ|が1(=0dB)となる周波数のことです。記号ではfCで表すことが多いです。クロスオーバー周波数fCにおいて、位相遅れが180度以上あると、回路は発振してしまいます。
ちなみに、オペアンプのオープンループゲインがAOが1(=0dB)となる周波数はユニティゲイン周波数fTと呼ばれています。間違いやすいので注意してください。
呼び方は様々あります
ループゲイン| AOβ|が1(=0dB)の時の周波数を厳密にゲインクロスオーバー周波数、位相が-180度の時の周波数を位相クロスオーバー周波数と呼んでいることもあります。単にクロスオーバー周波数と書いてあったら、ループゲイン| AOβ|が1(=0dB)になるときのゲインクロスオーバー周波数のことを指します。
回路の応答性について
上にボード線図を示します。クロスオーバー周波数fCが大きいと、回路の応答性が良く、小さいと電源の応答性が悪くなります。クロスオーバー周波数fCと位相余裕はトレードオフの関係となっています。
クロスオーバー周波数が小さい場合
位相余裕は大きくなります。しかし、ループゲインが下がるので、回路の応答性は悪くなります。
クロスオーバー周波数が大きい場合
位相余裕が小さくなります。しかし、ループゲインが上がるので、回路の応答性は良くなります。位相余裕がなくなることで発振する可能性があります。