【絶縁の種類と違い】機能絶縁・基礎絶縁・付加絶縁・二重絶縁・強化絶縁とは?

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絶縁の種類はIEC60950-1などでは5種類の定義で分類されています。

この5種類とは機能絶縁基礎絶縁付加絶縁二重絶縁強化絶縁です。この記事では各絶縁の意味について説明します。

機能絶縁(Operational Insulation)

ユーザーを保護するものではなく、機器の機能のためにのみ必要とする絶縁です。

感電からの保護はしていないが、着火および発火の発生の可能性を低減することはあります。電源装置では1次側回路の整流後の回路に適用されます。

基礎絶縁(Basic Insulation)

【絶縁の種類と違い】機能絶縁・基礎絶縁・付加絶縁・二重絶縁・強化絶縁とは?
感電に対する基礎的な保護をする絶縁です。破壊された場合、感電の危険が生じる可能性があります。

電源装置では1次-FG間、ELV(正常状態において、「線間」または「電源線とアース間」の電圧が尖頭値42.4V、直流60V)を越える2次-FG間に適用されます。

補足

基礎絶縁では、絶縁物の厚み要求はないですが、動作電圧によって沿面距離や空間距離の絶縁距離の要求があります。

付加絶縁(Supplementary Insulation)

基礎絶縁が破壊した場合に感電に対する保護をするため、基礎絶縁に追加して設けられた独立した絶縁です。

補足

付加絶縁では、絶縁物の厚み要求は0.4mm以上となります。

二重絶縁(Double Insulation)

基礎絶縁と付加絶縁の両方を備えた絶縁です。感電に対する基礎的な保護をする基礎絶縁に対して、基礎絶縁が破壊した場合の保護を行う付加絶縁を更に施したものになります。

基礎絶縁が何らかの原因で破壊しても、付加絶縁によって危険電圧が表面に現れない機構となっているため、高い安全性を保つことができます。

強化絶縁(Reinforced Insulation)

感電からの危険に対して、二重絶縁によるものと同等以上の保護を与える単一の絶縁です。

二重絶縁は基礎絶縁と付加絶縁の二重構造になっているのに対して、強化絶縁単一の絶縁で二重絶縁によるものと同等以上の感電保護が可能となっています。現状の最上位の絶縁構造となっています。電源装置ではトランスフォトカプラなどに適用されます。

まとめ

この記事では絶縁について、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • 機能絶縁(Operational Insulation)
  • 基礎絶縁(Basic Insulation)
  • 付加絶縁(Supplementary Insulation)
  • 二重絶縁(Double Insulation)
  • 強化絶縁(Reinforced Insulation)

お読み頂きありがとうございました。

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