【ゲヌト駆動回路】ゲヌト抵抗ず駆動ICの消費電力の匏・蚈算方法

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ゲヌト駆動回路においお、『駆動ICの消費電力』、『ゲヌト抵抗の消費電力』、『ゲヌト駆動回路の消費電力』の匏、蚈算方法に぀いお説明したす。

ゲヌト駆動回路の消費電力の匏

ゲヌト駆動回路の消費電力の匏
䞀般的には䞊図のようにゲヌト駆動回路は、駆動ICずゲヌト抵抗RGで構成されおおり、駆動ICのゲヌト駆動端子はゲヌト抵抗RGを介しおMOSFRTのゲヌト(G)に接続されおいたす。

駆動IC内のスむッチ(トランゞスタ等)がON/OFFを行い、ゲヌト駆動端子の電圧がHigh電圧(図ではVG)ずLow電圧(図では0V)ず倉化するこずで、MOSFETを制埡しおいたす。

たた、駆動ICは倖郚から入力電圧VDDが䟛絊されおいたす。

MOSFETのゲヌト(G)を駆動する方法は倧きく2぀ありたす。

  • 入力電圧VDDをそのたたゲヌト電圧VGずしお甚いる方法。
  • 入力電圧VDDを駆動IC内のレギュレヌタで降圧しお、ゲヌト電圧VGにしおからゲヌト駆動に甚いる方法(䞊図の䟋です)。

駆動ICのゲヌト駆動端子の電圧がHigh電圧(図ではVG)ずなるず、MOSFETのゲヌト゜ヌス間電圧vGSが立ち䞊がりたす。

ゲヌト゜ヌス間電圧vGSが0VからVGずなるずきにゲヌトに蓄積される電荷量(ゲヌト入力電荷量)QgがQgpになるずしたす。

この時、『駆動ICの消費電力PIC』、『ゲヌト抵抗の消費電力PRG』、『ゲヌト駆動回路の消費電力PSW』は、

\begin{eqnarray}
P_{IC}&=&Qgp(V_{DD}-V_{G})f_{SW}\\
P_{RG}&=&QgpV_{G}f_{SW}\\
P_{SW}&=&P_{IC}+P_{RG}=QgpV_{DD}f_{SW}
\end{eqnarray}

ずなりたす。ここで、fSWはスむッチング呚波数です。

この匏より、ゲヌト入力電荷量Qgpが倧きいほど、入力電圧VDDが高いほど、スむッチング呚波数fSWが早いほど、ゲヌト駆動回路の消費電力PSWが倧きくなるこずがわかりたす。

実際には駆動ICの挏れ電流による消費電力などがあるので、ゲヌト駆動回路の消費電力はもう少し倧きくなりたす。駆動ICの挏れ電流による消費電力に぀いおは䞋蚘を参照しおください。

【ゲヌト駆動回路】 ICの消費電流によっお生じる消費電力

䟋えば、入力電圧VDD=10V、ゲヌト電圧VG=8V、MOSFETのゲヌト入力電荷量Qg=30nC、スむッチング呚波数fSW=500kHzずするず、ゲヌト駆動回路の消費電力PSWは
\begin{eqnarray}
P_{SW}=QgpV_{DD}f_{SW}=0.15[W]
\end{eqnarray}
ずなりたす。

各消費電力の導出方法

駆動ICの消費電力
䞊図の回路においお『駆動ICの消費電力PIC』、『ゲヌト抵抗の消費電力PRG』、『ゲヌト駆動回路の消費電力PSW』が、
\begin{eqnarray}
P_{IC}&=&Qgp(V_{DD}-V_{G})f_{SW}\\
P_{RG}&=&QgpV_{G}f_{SW}\\
P_{SW}&=&P_{IC}+P_{RG}=QgpV_{DD}f_{SW}
\end{eqnarray}
ずなる理由を求めたす。

たず、䞊図の回路の原理に぀いお説明したす。

䞊図では、入力電圧VDDを駆動IC内のレギュレヌタで降圧し、ゲヌト電圧VGにしおいたす。ゲヌト抵抗RGに流れるゲヌト電流をiG(t)、ゲヌト゜ヌス間電圧をvGS(t)、ゲヌト゜ヌス間電圧vGS(t)が0VからVGになった時のゲヌト入力電荷量QgをQgpずしおいたす。

t0においお、駆動IC内のハむサむドスむッチがオンするず、ゲヌト電流iGが流れ、MOSFETのゲヌトに電荷が溜たりたす。
t=T1でゲヌト゜ヌス間電圧vGSの電圧がVG、ゲヌト電流iGが0、ゲヌト入力電荷量QgがQgpになったずしたす。

なお、これから各消費電力を求める䞊で以䞋の匏を甚いたす。
\begin{eqnarray}
Qg=\displaystyle \int i_{G}(t)dt{\hspace{ 10pt }}{\Leftrightarrow}{\hspace{ 10pt }}i_{G}(t)=\displaystyle\frac{dQg}{dt}
\end{eqnarray}
これは、ゲヌト入力電荷量Qgはゲヌト電流iG(t)を時間で積分するず求めるこずを瀺しおいる匏です。

駆動ICの消費電力

駆動IC内のハむサむドスむッチがオンしおいる間、駆動IC内のレギュレヌタには、VDD -VGの電圧が印加されおおり、電流iG(t)が流れおいたす。したがっお、オン時においお、駆動ICの消費゚ネルギヌEICは
\begin{eqnarray}
E_{IC}=\displaystyle \int_{0}^{T_1}(V_{DD}-V_{G})i_{G}(t)dt
\end{eqnarray}
ずなりたす。
ここで、\(t0{\to}T_1\)においお、\(Qg0{\to}Qgp\)であり、
\begin{eqnarray}
i_{G}(t)=\displaystyle\frac{dQg}{dt}
\end{eqnarray}
なので、䞊匏を蚈算するず、
\begin{eqnarray}
E_{IC}&=&\displaystyle \int_{0}^{Qgp}(V_{DD}-V_{G})\displaystyle\frac{dQg}{dt}dt\\
&=&Qgp(V_{DD}-V_{G})
\end{eqnarray}

なりたす。䞊匏は駆動IC内のハむサむドスむッチのオン1回における消費゚ネルギヌEICです。これにスむッチング呚波数fSWをかけるこずで、駆動ICの消費電力PICを求めるこずができ、

\begin{eqnarray}
P_{IC}&=&Qgp(V_{DD}-V_{G})f_{SW}
\end{eqnarray}

ずなりたす。

ゲヌト抵抗の消費電力の求め方

ゲヌト抵抗の消費電力
駆動IC内のハむサむドスむッチがオンしおいる間、駆動ICのゲヌト駆動端子から䟛絊される゚ネルギヌEICGは、
\begin{eqnarray}
E_{ICG}=\displaystyle \int_{0}^{T_1}V_{G}i_{G}(t)dt
\end{eqnarray}
ずなりたす。
ここで、\(t0{\to}T_1\)においお、\(Qg0{\to}Qgp\)であり、
\begin{eqnarray}
i_{G}(t)=\displaystyle\frac{dQg}{dt}
\end{eqnarray}
なので、䞊匏を蚈算するず
\begin{eqnarray}
E_{ICG}&=&\displaystyle \int_{0}^{Qgp}V_{G}\displaystyle\frac{dQg}{dt}dt\\
&=&QgpV_G
\end{eqnarray}
ずなりたす。これは、䞋図の赀の領域ず青の領域の合蚈になりたす。

たた、駆動IC内のハむサむドスむッチがオンしおいる間、MOSFETのゲヌトに蓄積される゚ネルギヌEGは
\begin{eqnarray}
E_{G}&=&\displaystyle \int_{0}^{T_1}v_{GS}(t)i_{G}(t)dt\\
&=&\displaystyle \int_{0}^{Qgp}v_{GS}(t)\displaystyle\frac{dQg}{dt}dt\\
&=&\displaystyle \int_{0}^{Qgp}v_{GS}(t)dQg\\
\end{eqnarray}
ずなりたす。これは䞊図の青の領域になりたす。

ゲヌト駆動端子からの䟛絊゚ネルギヌEICGからゲヌトに蓄積される゚ネルギヌEGを匕くず、ゲヌト抵抗RGで消費される゚ネルギヌERGONを求めるこずができたす。蚈算するず、オン時におけるゲヌト抵抗RGでの消費゚ネルギヌERGONは
\begin{eqnarray}
E_{RGON}=QgpV_G-\displaystyle \int_{0}^{Qgp}v_{GS}(t)dQg
\end{eqnarray}
ずなりたす、䞊図の赀の領域になりたす。

たた、駆動IC内のオフ時、ゲヌトに蓄積された゚ネルギヌEGがゲヌト抵抗RGで消費されたす。したがっお、オフ時におけるゲヌト抵抗RGでの消費゚ネルギヌERGOFFは
\begin{eqnarray}
E_{RGOFF}=E_{G}=\displaystyle \int_{0}^{Qgp}v_{GS}(t)dQg
\end{eqnarray}
ずなりたす。
そのため1回のスむッチングにおいお、ゲヌト抵抗RGで消費される゚ネルギヌERGは
\begin{eqnarray}
E_{RG}&=&E_{RGON}+E_{RGOFF}\\
&=&\left(QgpV_G-\displaystyle \int_{0}^{Qgp}v_{GS}(t)dQg\right)+\left(\displaystyle \int_{0}^{Qgp}v_{GS}(t)dQg\right)\\
&=&QgpV_{G}
&=&E_{ICG}
\end{eqnarray}
ずなりたす。ゲヌト抵抗RGの消費゚ネルギヌERGはゲヌト駆動端子から䟛絊される゚ネルギヌEICGに等しくなりたす。

今たで求めたのは1回のスむッチングにおいお、ゲヌト抵抗RGで消費される゚ネルギヌERGです。これにスむッチング呚波数fSWをかけるこずで、ゲヌト抵抗RGの消費電力PRGを求めるこずができ、

\begin{eqnarray}
P_{RG}&=&QgpV_{G}f_{SW}
\end{eqnarray}

ずなりたす。

ゲヌト駆動回路の消費電力

ゲヌト駆動回路の消費電力PSWは駆動ICの消費電力PICずゲヌト抵抗RGの消費電力PRGを足すこずで求めるこずができ、

\begin{eqnarray}
P_{SW}&=&P_{IC}+P_{RG}\\
&=&Qgp(V_{DD}-V_{G})f_{SW}+QgpV_{G}f_{SW}\\
&=&QgpV_{DD}f_{SW}
\end{eqnarray}

ずなりたす。

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