電解コンデンサの『温度特性(静電容量・ESR・漏れ電流)』について

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電解コンデンサは電解液を使用したコンデンサです。この電解液には電気伝導度電解液の粘度などの特性があり、これらは温度によって変化します。

  • 電気伝導度
  • 温度が高くなると増加し、温度が低くなると減少します。

  • 電解液の粘度
  • 温度が高くなると増加し、温度が低くなると減少します。

そのため、電解コンデンサの特性(静電容量損失角の正接tanδ漏れ電流など)も温度特性を持ちます。

これから各温度特性について説明します。

電解コンデンサの温度特性

電解コンデンサの『温度特性』まとめ
最初に各特性についてまとめます。温度が高くなると、静電容量漏れ電流は増加します。一方、損失角の正接tanδ、等価直列抵抗(ESR)、インピーダンスは減少します。

静電容量

静電容量は、温度が高くなると増加し、温度を低くなると減少します。以下に、温度と静電容量の関係を示します。
静電容量の温度特性

損失角の正接tanδ、等価直列抵抗(ESR)、インピーダンス

損失角の正接tanδは、温度を高くなると減少し、温度を低くすると増加します。以下に、温度と損失角の正接tanδの関係を示します。
損失角の正接の温度特性

等価直列抵抗ESRは以下の式で表されます。

\begin{eqnarray}
ESR=\frac{{\tan}{\delta}}{{\omega}C}
\end{eqnarray}

  • tanδ:損失角の正接
  • ω:角周波数[rad/s](=2πf)
  • C:静電容量[F]

角周波数ωは温度によって変化しません。温度が高くなると、損失角の正接tanδが減少し、静電容量Cが増加します。そのため、等価直列抵抗ESRは温度が高くなると減少します。

インピーダンスZ Cは以下の式で表されます。

\begin{eqnarray}
Z_C=\frac{1}{{\omega}C}
\end{eqnarray}

温度が高くなると、静電容量Cが増加します。そのため、インピーダンスZCは温度が高くなると減少します。

漏れ電流

漏れ電流は、温度が高くなると増加し、温度が低くなると減少します。以下に、温度と漏れ電流の関係を示します。

漏れ電流の温度特性

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