【ダイオードの構造】中身の構成部品は何でできているの?

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表面実装ダイオードはどのような構造でできているのかご存知でしょうか。

ダイオードはP型半導体とN型半導体が接合されて素子ですが、各半導体に直接はんだ付けをしているのではありません。

リードフレーム』という部品にはんだ付けを行い、『ボンディングワイヤ』という部品によりリードフレームと半導体素子を接続しています。

この記事ではダイオードの構造について詳しく説明しているので、ご参考になれば幸いです。

ダイオードの構造

ダイオードの構造

表面実装部品のダイオードの構造を上図に示します。

ダイオードチップリードフレームの上にダイボンド材(銀ペーストなど)で固定され、ボンディングワイヤー(金など)により、ダイオードチップとリードフレームを接続されています。また、ボンディングワイヤは機械的強度が弱いため、封止樹脂によって固めています。

ではこれから各構成部品について説明してきます。

補足

リードフレームがない表面実装のダイオードもあります。この場合、リードフレームの代わりにパッケージ基板電極で構成されています。

ダイオードの構造(電極と基板)

ダイオードチップ

ダイオードチップはP型半導体とN型半導体で接合されています。

P型半導体側の電極を「アノード」と言い、N型半導体側の電極を「カソード」と言います。

「アノード」にプラスの電圧、「カソード」にマイナスの電圧が印加すると、「アノード」から「カソード」に電流が流れます。

リードフレーム

リードフレームとは半導体素子(ダイオードチップ)を固定し、外部配線との接続をする部品です。金属素材の薄板で作られています。

補足

リードフレームは銅合金系素材、鉄合金系素材、その他の機械的強度、電気伝導度、熱電導度、耐食性などの優れた金属素材の薄板を打ち抜き、エッチングなどで加工して作られています。ダイオード以外にもトランジスタ、IC、フォトカプラなどにも使われてています。

ボンディングワイヤ

リードフレームと半導体素子(ダイオードチップ)を接続する部品です。

材料は金が一般的ですが、銅線やアルミニウム線なども使われています。ワイヤの細さは直径20~30μm程度となっています。一般的な人の髪の毛の直径が80μm位なので、髪の毛の半分以下の細さということになります。

ボンディングワイヤは機械的強度が弱いため、封止樹脂などでワイヤの周囲を固めることで保護しています。

ボンディングワイヤを半導体素子やリードフレームと接続する際には、超音波を用いています。接続する際、ワイヤの先端はボール状になっており、チップが損傷しない程度に約200℃程度に加熱しています。超音波でワイヤを半導体素子やリードフレームに擦り合わせると、超音波の振動によって、ワイヤのボールと電極の金属が互いに食い込んで接合します。この工程のことを『ワイヤボンディング』または『ボールボンディング』と言います。

ダイボンド材料

ダイボンド材料は半導体素子(ダイオードチップ)をリードフレームなどに固定するものです。

ダイボンド材料は銀ペーストが主に用いられています。銀ペーストは電気導電性と熱伝導性にも優れています。

半導体素子(ダイオードチップ)はダイボンダ装置によりピックアップされ、銀ペーストなどの材料を塗布して、リードフレームなどに固定されます。この工程のことを『ダイボンド』または『ダイボンディング』と言います。

なお、ボンディングワイヤーと同様に金の柔軟性、粘着性を利用し、金ボールで半導体素子をボンディングする場合もあります。

補足

半導体素子の小片のことを『チップ』または『ダイ』を言います。

封止樹脂

半導体素子の周囲を封止樹脂によって固定します。

これにより、半導体素子を湿気や衝撃から保護します。シリコーン樹脂を用いることが多いです(エポキシ樹脂を使うこともあります)。

まとめ

この記事ではダイオードの構造について、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • ダイオードの構造
  • ダイオードチップとは
  • リードフレームとは
  • ボンディングワイヤとは
  • ダイボンド材料とは
  • 封止樹脂とは

お読み頂きありがとうございました。

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