この記事では『差動プローブ』について
- 差動プローブの特徴
- 差動プローブの等価回路
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
差動プローブとは
差動プローブは2つの入力の差電圧を測定するプローブです。
例えば、上図に示すように差動プローブの一方の入力端子をA点に、他方の入力端子をB点に接続した場合、差動プローブではその差電圧(VA-VB)を測定することができます。
上図の場合、A点の電圧は『VA=V1+V2』、B点の電圧は『VB=V2』なので、差動プローブで測定する電圧は式で表すと次式となります。
上式より、差動プローブではA点とB点の同相信号(上図の場合はV2)を除去することができるのが特徴の1つにあります。
また、A点とB点は共に接地されていない箇所となります。このように、差動プローブは接地されていない箇所に入力端子を接続することが可能なので、接地基準から浮いている箇所の電圧を測定することができます。上図の場合では、接地基準から浮いているV1の電圧を観測しています。
次に差動プローブの等価回路について説明します。差動プローブの入力端子は高インピーダンスですが、入力端子を接続することにより回路動作が変わってしまうケースがあるので、等価回路も合わせて理解することをオススメします。
補足
- 差動プローブは英語では『Differential Probe』と書きます。
- 差動プローブはMOSFETやIGBT等の高速スイッチング素子のスイッチング波形を測定する時などに用いられています。
差動プローブの等価回路
差動プローブのマニュアル等を見ると、下記に示すように入力抵抗(入力インピーダンス)と入力容量が記載されています。
- 入力抵抗(入力インピーダンス)
- 入力容量
8MΩ(入力端子間)、4MΩ(各入力端子とグラウンド間)
4pF(入力端子間)、8pF(各入力端子とグラウンド間)
上図に示すような入力抵抗と入力容量の場合、差動プローブの等価回路は上図のように表すことができます。
なお、差動プローブは様々なメーカーが発売していますが、差動プローブにより入力抵抗と入力容量が異なります。そのため、実際に使用している差動プローブの入力抵抗と入力容量を調べる際には、マニュアル等で確認する必要があります。
補足
- 上図に示している等価回路はあくまで一例です。
まとめ
この記事では『差動プローブ』について、以下の内容を説明しました。
- 差動プローブの特徴
- 差動プローブの等価回路
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