【電流の定義】『向き』や『大きさ』や『単位』などを解説!

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この記事では、最初に電流とは何なのかを説明します。

その後、

  • 電流の定義(向きと大きさ)
  • 電流の式
  • 電流の単位

などを図を用いて分かりやすく説明しています。

電流とは

電流とは

上図のように、豆電球電池を接続すると、豆電球が光ります。

この時、「豆電球には電気が流れている」とよく言いますよね。また、豆電球以外にも、皆さまが使っている『冷蔵庫などの家電製品』や『スマートフォン』などは全て電気が流れています。

この気のれを「電流」と言います。

では、電気の流れとは何でしょうか?「電気」というモノがあって、それが流れているということなのでしょうか?

・・・実は違います。

「電気」というモノはありません。正確に言うと、自由電子という負(マイナス)の電荷を帯びたモノが流れているのです。すなわち、

電流とは自由電子の流れである!

ということになります。

補足

  • 電流は英語ではそのまま「Electric Current」と書きます。「Electric」を省略し、単に「Current」と書くこともあります。

電流の定義

では次に『電流の向きの定義』と『電流の大きさの定義』について説明します。

電流の向き

先ほど、「電流とは自由電子の流れである」と説明しました。

流れには向きがありますよね。例えば、水の場合、高いところから低いところに向かって流れます。

この水と同じように、電流自由電子の流れにも向きがあります。

この向きについては以下のように定義されています(後ほど詳しく説明します)。

電流の流れる向き自由電子の流れる向きと逆になる!

もう少し詳しく!

電流の向き

ではこれから、電流の流れる向きについて詳しく説明していきます。

上図は、豆電球に電池を接続しているシンプルな回路です。豆電球に電池を接続することで、電流が流れて、豆電球が光ります。

では、この時、電流の流れる向きはどうなっているのでしょうか

電流は電池のプラス極からマイナス極に流れます。

一方、自由電子の流れる向きはどうなっているのでしょうか。

自由電子負(マイナス)の電荷を帯びているため、

  • マイナス自由電子電池プラス極
  • →磁石のS極N極のように引き付けあう

  • マイナス自由電子電池マイナス極
  • →磁石のS極S極のように反発する

となります。すなわち・・・

自由電子は電池のマイナス極からプラス極に流れます。

つまり、まとめると、

電流の流れる向き自由電子の流れる向きと逆になる!

ということが分かります。でも、電流の流れる向き自由電子の流れる向きが逆向きって分かりにくいですよね。

ここで、マイナス自由電子ではなく、疑似的なプラス正電荷で考えると電流の流れる向きと同じになります。

そのため、参考書等を見ると分かりやすく、「電流の流れる向き正電荷の流れる向きと同じである」と説明している場合もあります。

補足

  • 電池のプラス極は正極とも呼ばれています。
  • 電池のマイナス極は負極とも呼ばれています。

電流の大きさ

電流の大きさ

何回も繰り返しになりますが、「電流とは自由電子の流れである」と説明しました。

流れには大きさ(強さ)がありますよね。例えば、水の場合、流れが速かったり、水量が多い場合には水の流れが強くなりますね。

この水と同じように、電流にも大きさがあります。

この電流の大きさついては以下のように定義されています(後ほど詳しく説明します)。

ある任意の断面単位時間(1秒間)に通過する電気量である!

式で表すと、ある任意の断面Δt[s]の間にΔQ[C]の電荷が通過する場合、電流の大きさI[A]は次式となります。

\begin{eqnarray}
I=\frac{{\Delta}Q}{{\Delta}t}
\end{eqnarray}

例えば、1秒間(t=1[s])1Cの電荷(Q=1[C])が通過すれば、電流の大きさ

\begin{eqnarray}
I=\frac{{\Delta}Q}{{\Delta}t}=\frac{1{\mathrm{[C]}}}{1{\mathrm{[s]}}}=1{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

となります。

同様に、1秒間(t=1[s])5Cの電荷(Q=5[C])が通過すれば、電流の大きさ

\begin{eqnarray}
I=\frac{{\Delta}Q}{{\Delta}t}=\frac{5{\mathrm{[C]}}}{1{\mathrm{[s]}}}=5{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

となります。

式だと簡単なような気がしますが、少しイメージがしにくいですね。ではこれから、電流の大きさの定義について分かりやすく説明していきます。

もう少し分かりやすく!

電流の大きさが1Aの時

ここで分かりやすく、電流の大きさ1[A]の時に自由電子がどのようになっているのか考えてみましょう。

ある任意の断面1秒間(t=1[s])1Cの電荷(Q=1[C])が通過すると、電流の大きさ1[A]となります。

ここで、自由電子1個の電気量1.6×10-19[C]です。-19乗なのでとてつもなく小さいですね。この自由電子
\begin{eqnarray}
\frac{1{\mathrm{[C]}}}{1.6×10^{-19}{\mathrm{[C/個]}}}=6.25×10^{18}{\mathrm{[個]}}
\end{eqnarray}

集まることで、1[C]となります。

つまり、

1[A]電流が流れているということは、ある任意の断面1秒間6.25×1018個の自由電子が通過している。

ということになります。なんとなく電流の大きさ自由電子のイメージがつかめましたでしょうか。

この自由電子速く流れる場合や、この自由電子量が多い場合には、ある任意の断面1秒間に通過する自由電子の数が多くなるため、電流の大きさが大きくなります。

補足

  • 電流の大きさを表す記号は『電流の大きさ(Intensity of CurrentもしくはIntensity of Electric Current)』の頭文字から来ています。
  • 電気量とは、電荷の大きさ(量)を表すものです。記号は「Qまたはq」を使い、単位はクーロン[C]となります。

電流の単位

電流の単位は[A](アンペア)となっています。ここで、先ほど電流の大きさの式は

\begin{eqnarray}
I=\frac{{\Delta}Q}{{\Delta}t}
\end{eqnarray}

であると説明しました。単位を変換すると、

\begin{eqnarray}
I=\frac{{\Delta}Q}{{\Delta}t}{\Rightarrow}{\mathrm{[A]}}=\frac{{\mathrm{[C]}}}{{\mathrm{[s]}}}={\mathrm{[C/s]}}
\end{eqnarray}

となり、[A]=[C/s]となります。なお、[C]は電気量の単位クーロン、[s]は秒(second)を表す単位です。

補足

  • 『アンペア(Ampare)』は「アンペールの法則」を発見したフランスの物理学者『アンドレ=マリ・アンペール(André-Marie Ampère) 』から付けられました。

まとめ

この記事では電流について、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • 電流とは自由電子の流れである!
  • 電流の流れる向き自由電子の流れる向きと逆になる!
  • ある任意の断面単位時間(1秒間)に通過する電気量である!
  • 1[A]電流が流れているということは、ある任意の断面1秒間6.25×1018個の自由電子が通過している。

お読み頂きありがとうございました。

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