プリント基板の用語で、時々耳にする言葉が『ティアドロップ』です。
この『ティアドロップ』とは、ランド(パッド)やスルーホールとの配線において、接続部が鋭角にならないようにする加工です。この加工をすることで、パターンの断線やパターンが細くなることを防ぐことができます。
この記事ではこの『ティアドロップ』について、役割・意味・由来等を説明します。
ティアドロップとは?
プリント基板を設計する際には、ランド(パッド)やスルーホールとの配線において、ノイズ・発熱等の電気的観点だけでなく、信頼性も考慮する必要があります。
上図の左が信頼性を考慮していないパターン、右が信頼性を考慮したパターンです。この右のパターンのことをティアドロップと言います。ティアドロップとはランド(パッド)やスルーホールとの配線の際に接続部が鋭角にならない様にすることです。接続部の形状が涙の形に似ていることからティアドロップと呼ばれています。
ティアドロップをしていないパターン(上図の左)は以下の問題点があります。
- ランド(パッド)・スルーホールとパターンとの接続部が鋭角になっているため、コネクタを抜き差しする際に負荷がかかった場合、パターン断線の可能性があります。
- ランド(パッド)やスルーホールとパターンの接続部は、半田作業において熱の負荷がかかりやすく、半田の加熱によってパターン断線の可能性があります(融点の高い「鉛フリーはんだ」の場合にはさらにパターン断線のリスクが増加します)。
- オーバーエッチングによりパターンが細くなる可能性があります。
ティアドロップをつけることによって、鋭角になるパターンを無くすことができ、パターン断線やパターンが細くなることを防ぐことができます。