プリント基板の用語として捨て基板(捨て板や耳とも呼ばれる)があります。この記事ではこの捨て基板について説明します。
プリント基板の捨て板とは
プリント基板の捨て基板とは基板製品の外周に対して、Vカットやミシン目などを用いて設けられている基板のことを指します。捨て基板はその名の通り、基板において最終的には廃棄される部分となります。
この捨て基板は捨て板や耳とも呼ばれています。英語ではBreakaway PCBだったりBreakaway PanelだったりMouse Bites PCBで調べると捨て基板が出てきます。
基板製品の外周に捨て基板を設けることによって、基板面積が増えるのでコストが上がるというデメリットはありますが、品質の安定化や実装効率の向上というメリットがあります。
プリント基板の外周に捨て基板を設けるメリット
- 基板製造、梱包、出荷工程において基板製品を傷つきにくくなる
- 搬送方向に対して平行方向に捨て基板を実装することでマウンター実装に対応しやすくなる
- 搬送方向にたいして垂直方向の捨て基板を実装することで基板の反り、基板の伸縮、はんだかぶりを防止できる
- 基板製品の外に実装認識マーク、基準穴、副基準穴、コーナーRを設置できる
捨て基板があると、障害物(工具等)に基板が接触した時に基板製品が傷つきにくくなります。
通常、基板は実装マシンのレールに置くため、基板の端には部品を置くことができません。そのため、捨て基板がない場合、基板の端には部品を配置することができなくなります。基板の端に部品を置いた場合、マウンター実装ができなくなります。一方、捨て基板がある場合、捨て基板がレール上に置かれるため、基板の端にも部品を配置することが可能となります。
基板のコーナーは直角や鋭角を避けてRを設けることで、実装マシンの引っかかりのエラーを防止することができます。
補足
- 上下左右への追加が厳しい場合はマウンター実装を考慮して基板の長手方向に設けましょう。
- 形が変わった基板(円形基板等)では捨て基板の追加が必要となるのが一般的です。
- 捨て基板の幅は通常5mm~10mmです。その中でも10mmを多く見かけます。
まとめ
この記事では『捨て基板』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- 捨て基板とは?
- 捨て基板のメリットとデメリット
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