はんだの形状をルーペ等で拡大すると、小さな穴が空いていることがあります。この穴は『ブローホール』や『ピンホール』と呼ばれています。
この記事では『ブローホール』と『ピンホール』について
- ブローホールとは
- ピンホールとは
- 『ブローホール』と『ピンホール』の原因と対策
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
ブローホールとは
ブローホールとは、はんだ内に発生したガスが表面に浮き上がり、開口部分がギザギザしているものです。
補足
- ブローホールは『潮吹き海岸(潮吹き穴)』の意味もあります。波が打ち寄せる度に、浸食された岩場の穴から、海水が勢いよく吹き上がります。
- ブローホールは英語では『Blow hole』と書きます。
ピンホールとは
ピンホールは、はんだの下に空洞などがあり、この空洞からはんだ表面まで微細な穴が発生したものです。
資料によっては、『ブローホール』と『ピンホール』は同じと記載しているものがあります。
また、『ブローホール』ははんだ内部に形成された空洞部であり、『ピンホール』は小さな貫通孔であると記載している資料もあります。
このように資料によって記述が多少異なるので、「『ブローホール』と『ピンホール』ははんだ形状にある小さな穴である」と理解する程度で良いと思います。
補足
- ピンホールは英語では『Pin hole』と書きます。
『ブローホール』と『ピンホール』の原因
『ブローホール』と『ピンホール』は基本的には同じ原因によって生じます。
原因を下記に示します。
- プリント基板に吸着している水分やガス
- 基板や部品の酸化や汚れ
- スルーホール径とランド径の大きさ
- スルーホールのメッキ不良
→プリント基板に水分やガスが吸着していると、はんだ付け中に水分やガスが気泡となります。この気泡により『ブローホール』や『ピンホール』が生じます。そのため、梅雨などの多湿期には『ブローホール』と『ピンホール』が発生しやすくなります。
→スルーホール径とランド径のクリアランスが大きすぎると、『ブローホール』と『ピンホール』が発生しやすくなります。
『ブローホール』と『ピンホール』の対策
『ブローホール』と『ピンホール』の対策を下記に示します。
- 基板の水分やガスを除去する
- 多湿期には作業の前に予備過熱を行う
- 基板や部品のリードに汚れや酸化がないように適切に管理する
- プリント基板のスルーホール径とクリアランス径の適正化
→予備過熱温度の適正化、ソルダ管理、マシンのコンベア速度を遅くする等で基板の水分やガスを除去します。
→基板や部品の日常管理を適正に行い、汚れや酸化を防止します。汚れや酸化が発生した場合には、洗浄等で除去します。
まとめ
この記事では『ブローホール』と『ピンホール』について、以下の内容を説明しました。
- ブローホールとは
- ピンホールとは
- 『ブローホール』と『ピンホール』の原因と対策
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