自動電圧調整器(AVR)とは?『特徴』や『原理』などを解説!

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この記事では『自動電圧調整器(AVR)』について

  • 自動電圧調整器(AVR)とは
  • 自動電圧調整器(AVR)の「種類」と「原理」

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

自動電圧調整器(AVR)とは

自動電圧調整器(AVR)とは

AVRとは「Automatic Voltage Regulator」の略であり、自動電圧調整器と呼ばれています。

AVRは出力電圧を得るための装置です。入力電圧の変動や負荷の変動が生じても出力電圧が安定するようになっています。

また、AVRは出力電圧の大きさや周波数を変化させることができます。そのため、被試験機器(AC/DCコンバータなど)の評価等で被試験機器に供給する電圧や周波数を可変させたい時などにAVRは使用します。

補足

  • 自動電圧調整器(AVR)は「自動電圧調整装置」や「交流電源」や「交流定電圧電源装置」や「安定化電源装置」とも呼ばれることがあります。
  • 安定した電圧を出力するものがAVRという認識で良いです。AVRという用語は主に交流電圧を出力する機器に用いることが多いのですが、直流電圧を出力する機器(直流電源)もAVRの一種となります。

自動電圧調整器(AVR)の「種類」と「原理」

AVRには様々な種類があります。これから、下記に示す4種類のAVRの特徴と原理について説明します。

  • スライダック方式
  • タップ切換方式
  • リニアアンプ方式
  • インバータ方式

まず軽く説明すると「スライダック方式」と「タップ切換方式」は出力電圧を可変させることができますが、周波数は可変させることができません。

一方、「リニアアンプ方式」と「インバータ方式」は出力電圧、出力波形、周波数を可変させることが可能となっています。

スライダック方式

スライダック方式

スライダック方式は、入力と出力の間にスライダックを挿入しています。

出力電圧を検出し、いったん直流信号に変換してから、基準電圧(直流)と比較して、誤差増幅を行い、サーボモータへ加え、スライダック摺動子(しゅうどうし)を動かすことで、出力電圧を一定に保っています。

スライダック方式のメリットデメリットを下記に示します。

メリット

  • 変換効率が良い。

デメリット

  • 機械的動作を行うため、応答速度が遅く、瞬時の変動には対応できない。
  • スライダック摺動子(しゅうどうし)の寿命が短いため、信頼性が低い。
  • 出力電圧の波形歪を改善することができない。
  • →出力電圧の波形歪は入力電圧と同じになります。

  • 出力電圧の周波数を可変することができない。
  • サイズが大きく重たい。

タップ切換方式

タップ切換方式

タップ切換方式は、入力と出力の間に複数のタップを持ったトランスを挿入しています。

出力電圧を検出し、いったん直流信号に変換してから、基準電圧(直流)と比較して、誤差増幅を行い、トランスのタップを半導体スイッチ(サイリスタやトライアック等)で切り替えることで、出力電圧を一定に保っています。

タップ切換方式のメリットデメリットを下記に示します。

メリット

  • スライダック方式と比較すると、機械的な動作がないので、信頼性が高い。また、効率も良い。

デメリット

  • 出力電圧の波形歪を改善することができない。
  • →出力電圧の波形歪は入力電圧と同じになります。

  • 出力電圧の周波数を可変することができない。

リニアアンプ方式

リニアアンプ方式

リニアアンプ方式は、入力電圧を整流平滑回路により直流電圧に変換し、リニアアンプの電源として供給しています。その後、リニアアンプに基準となる正弦波を入力し、増幅して出力しています。

スライダック方式タップ切換方式ではできなかった周波数の可変が可能となっています。

リニアアンプ方式のメリットデメリットを下記に示します。

メリット

  • 出力電圧の大きさと周波数を可変することができる。
  • 応答性が良い。
  • 出力電圧の波形歪がない。
  • スライダック方式やタップ切換方式よりも軽く、サイズも小さい。

デメリット

  • 効率が悪い。

インバータ方式

インバータ方式

インバータ方式は、入力電圧を整流平滑回路により直流電圧に変換し、DC/ACインバータの電源として供給しています。DC/ACインバータはPWM制御を行うことで、正弦波を出力しています。

リニアアンプ方式に用いていた「リニアアンプ」の代わりに「PWMスイッチング方式のDC/ACインバータ」を用いた方式となります。

インバータ方式のメリットデメリットを下記に示します。

メリット

  • 出力電圧の大きさと周波数を可変することができる。
  • 応答性が良い。
  • リニアアンプの方式よりも軽く、サイズも小さい。
  • 効率が良い。

デメリット

  • スイッチング方式のため、ノイズが出やすい。

まとめ

この記事では、『自動電圧調整器(AVR)』について、以下の内容を説明しました。

  • 自動電圧調整器(AVR)とは
  • 自動電圧調整器(AVR)の「種類」と「原理」

お読み頂きありがとうございました。

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