電池を豆電球に接続すると、豆電球が光りますよね。
この時、電流の流れる向きは電池の「プラス」から「マイナス」に流れると習ったと思います。
しかし、電子の流れる向きは電池の「マイナス」から「プラス」に流れるとも習ったと思います。
つまり、電流の流れる向きと電子の流れる向きは逆なのです!
これは一体なぜでしょうか?この記事では図を用いて分かりやすく説明していきます!
電流と電子の向き
電流の流れる向きと電子の流れる向きを分かりやすいように図にすると、上図のようになります。
- 電流の流れる向き
- 電子の流れる向き
電池の「プラス」から「マイナス」に流れる。
電池の「マイナス」から「プラス」に流れる。
つまり、「電流の流れる向きと電子の流れる向きは逆である!」ということになります。
電流と電子の向きが逆なのはなんで?
では、なんで、電流の流れる向きと電子の流れる向きが逆になってしまったのでしょうか?
その答えを簡潔に言うと、以下の流れにより、電流の流れる向きと電子の流れる向きが逆になってしまったのです。
- 電子よりも電流の方が先に発見された!
- その当時、電流の流れる向きを電池の「プラス」から「マイナス」に流れると決めてしまった!(ここがポイント!)
- 後に、電子が発見された!
- 電流の正体は電子であり、電子の流れる向きは電池の「マイナス」から「プラス」であった!
では次に、電流の発見と電流の向き(上の①、②)と、電子の発見と電子の向き(上の③、④)について詳しく説明していきますね。
電流の発見と電流の向き
1800年、『イタリアの物理学者のボルタ』が電池を発明しました。
1800年より前に、電気には「プラスの電気」と「マイナスの電気」の2種類あるということは知られています。
ボルタが発明した電池を導線につなぐと、電気が流れていることがわかりました。
この電気の流れが「電流」です。
では、電気の流れとは何でしょうか?「電気」というモノがあって、それが流れているということなのでしょうか?
当時は、まだ電子がまだ発見されていないため、電気が流れていることが分かるけど、何が流れているかまでは分かりませんでした。
でも、流れには向きがありますよね。例えば、水の場合、高いところから低いところに向かって流れます。
ゆえに、この当時の学者さんたちの間で、
ということに決めました。
電子の発見と電子の向き
電池の発明から、約100年後の1897年、『イギリスの物理学者のトムソン』が電子を発見しました。
この電子の発見によって、電流(電気の流れ)の正体は電子であることが分かりました。
電子は負(マイナス)の電荷を帯びているため、
- マイナスの自由電子と電池のプラス極
- マイナスの自由電子と電池のマイナス極
→磁石のS極とN極のように引き付けあう。
→磁石のS極とS極のように反発する。
のように移動します。つまり、
ということになります。
つまり、「電流の流れる向きと電子の流れる向きは逆である!」ということになってしまったのです。
おそらく、トムソンからすれば、電流の流れる向きは電子の流れる向きに沿って電池の「マイナス」から「プラス」にしたかったけど、すでに、業界では、
という考えがすでに広まってしまったため、電流の流れる向きを変えることができませんでした。
まとめ
この記事では『電流と電子の向き』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- 電流と電子の向きについて
- 電流と電子の向きが逆なのはなんで?
- 電流の発見と電子の向き
- 電子の発見と電子の向き
何が言いたかったというと、電子が発見される前に電流の流れる向きを決めてしまったため、電流と電子の向きが逆になってしまったのです。
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