可変抵抗とは?原理・種類・使い方など!

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この記事では『可変抵抗』について

  • 可変抵抗とは
  • 可変抵抗の原理・種類・使い方

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

可変抵抗とは

可変抵抗とは

可変抵抗はその名の通り、抵抗値を可変させることができる素子です。

一般的には3つの端子(1,2,3)で構成されており、手でつまみを回転させることで、端子1-2間(および端子2-3間)の抵抗値が変わります。可変抵抗は抵抗値を調整するために、つまみを頻繁に回すので、回転部の耐久力が必要になります。

英語では可変抵抗のことを「Potentiometer(ポテンショメータ)」といいます。

補足

  • 可変抵抗には2端子のものもあります。英語では2端子の可変抵抗のことを「Rheostat(レオスタット)」といいます。

可変抵抗と半固定抵抗の違い

可変抵抗と半固定抵抗の違いについて軽く説明すると、可変抵抗は抵抗値を頻繁に変えるときに用いる抵抗です。手で簡単に抵抗値を変えることができます。可変抵抗はオーディオ機器の音量調整などに用いられています。

一方、半固定抵抗は一度抵抗値を変えたら、その後は抵抗値を頻繁に変えません。半固定抵抗は主にプリント基板に搭載され、回路特性の微調整などに用いています。

可変抵抗と半固定抵抗の違いについては下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。

可変抵抗の原理

可変抵抗の原理

可変抵抗の原理は非常にシンプルです。

可変抵抗は「抵抗体」と「摺動子(しゅうどうし)」で構成されています。つまみを回すことで、摺動子が抵抗体の表面を移動し、抵抗値が変わります。摺動子の移動量に応じて、抵抗値が変わります。

例えば、端子1-2間の抵抗値はつまみをCW回転すると(時計回りに回すと)抵抗値が小さくなり、CCW回転すると(反時計回りに回すと)抵抗値が大きくなります。

補足

  • CWはClockwise(時計回り)の略です。つまみをCW回転させるということは、つまみを時計回り(右回り)に回すことを意味しています。
  • CCWはCounter-Clockwise(反時計回り)の略です。つまみをCCW回転させるということは、つまみを反時計回り(左回り)に回すことを意味しています。

可変抵抗の種類・分類

可変抵抗の種類・分類

可変抵抗は形状で分けると、ロータリボリューム(ロータリタイプ)スライドボリューム(スライドタイプ)があります。

ロータリボリュームは手でつまみを回転させることで抵抗値を可変できる抵抗です。一方、スライドボリュームは細長い形状をしており、スライドさせることで抵抗値を可変できる抵抗です。

ロータリボリュームの可変抵抗の方が一般的であり、部品屋さんでもよく見かけます。

可変抵抗の使い方(電圧調整と電流調整)

可変抵抗の使い方(電圧調整と電流調整)

可変抵抗の使い方には大きく分けて2つあります(電圧調整電流調整)

電圧調整の使い方

上図の左側に示しているのは、可変抵抗を電圧調整用として使う場合の接続方法です。この使い方は「ポテンションメータ方式」とも呼ばれています。

上図に示している図の場合、入力電圧\(V_{IN}\)が可変抵抗の「端子1-2間の抵抗値\(R_{12}\)」と「端子2-3間の抵抗値\(R_{23}\)」で分圧されて、端子1-2間から電圧\(V_{OUT}\)が出力されます。

この接続方法の場合、可変抵抗の端子1-3間には常に入力電圧\(V_{IN}\)が印加されているので、可変抵抗の消費電力\(P_{LOSS}\)は一定です。端子1-3間の抵抗値を\(R_{13}\)とすると、消費電力\(P_{LOSS}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
P_{LOSS}=\frac{{V_{IN}}^2}{R_{13}}
\end{eqnarray}

電流調整の使い方

上図の右側に示しているのは、可変抵抗を電流調整用として使う場合の接続方法です。この使い方は「レオスタット方式」とも呼ばれています。

電流調整用として使う場合、可変抵抗の端子1と2(または端子2と3)を短絡させて使用します。

摺動子(しゅうどうし)の位置をつまみで変化させると、可変抵抗の抵抗値が変化するため、電流\(I_R\)が変化します。

入力電圧\(V_{IN}\)が一定の場合、抵抗値が小さければ小さいほど、可変抵抗の消費電力\(P_{LOSS}\)が増加します。

可変抵抗の摺動子(しゅうどうし)はプラスに接続すること

可変抵抗の摺動子(しゅうどうし)はプラスに接続すること

可変抵抗に直流電圧を印加して使用する場合、使用環境によっては、摺動子と抵抗体の接触部で陽極酸化現象が生じ、抵抗体が損傷することで、抵抗値が局部的に高くことがあります。そのため、摺動子側をプラスに、抵抗体側をマイナスに接続して使用してください。

まとめ

この記事では『可変抵抗』について、以下の内容を説明しました。

  • 可変抵抗とは
  • 可変抵抗の原理・種類・使い方

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