この記事では『雑音端子電圧』について
- 雑音端子電圧の「規格」と「クラスAとクラスBの違い」
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
雑音端子電圧の「規格」
電子機器のケーブルから流出するノイズ(一般的には「雑音端子電圧」と呼ばれる)が大きいと、他の機器に影響を与える可能性があります。そのため、世界各国でEMIに関する規格が決められています。
ほとんどの国では国際規格のCISPR規格に準拠したEMIの規格が制定されており、主な規格として以下のようなものがあります。
雑音端子電圧の規格
- FCC(米国連邦通信委員会)←米国の規格
- EN55022(情報処理機器規格)←欧州の規格
- VCCI(情報処理装置等電波障害樹種規制協議会)←日本の規格
これらの規格を満たすことで、パソコンや家電製品などの電子機器が正常に動作する快適な生活を実現しています。
ここで、CISPR、FCC、EN5502、VCCIの各規格における雑音端子電圧の規制値を上図に示しています。どの規格も規制値が同じであり、500kHzと5MHzを境に規制値が変わります。
また、規制値にはクラスAとクラスBがあります。各クラスで対応機器が異なり、クラスBの方が規制値が厳しくなっています。
- クラスA
- 工場内や商業施設など一般家庭外の限定された場所で使用される産業用機器
- クラスB
- 一般家庭や事務所などで使用される機器
加えて、規制値には準尖頭値QPと平均値AVがあります。クラスAの機器の場合、平均値AVは準尖頭値QPよりも13dB低い値となっています。一方、クラスBの機器の場合、平均値AVの規制値は準尖頭値QPよりも10dB低い値となっています。
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補足
- 雑音端子電圧は、「電磁波ノイズ」、「伝導ノイズ」、「伝導妨害」、「伝導EMI」、「伝導エミッション」などと呼ばれることがあります。
- 準尖頭値のQPは「Quasi-Peak」の略です。
- 平均値のAVは「Average」の略です。
まとめ
この記事では『雑音端子電圧』について、以下の内容を説明しました。
- 雑音端子電圧の「規格」と「クラスAとクラスBの違い」
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