この記事ではサージ電圧を吸収する『アレスタ』について
- 『アレスタ』とは
- 『アレスタ』の特徴
- 『アレスタ』の続流現象と対策
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
アレスタとは
アレスタは気体の放電現象を利用したサージ防護素子です。
アレスタはガラスやセラミックの中に2本の電極があり、この2本の電極が一定の間隔で対向している構造となっています。
サージ電圧がアレスタに印加されると、アレスタ内部の電極間でアーク放電が発生し、両電極間に電流が流れます。これにより、サージ電圧の侵入経路が短絡されるため、機器を保護することができます。つまり、アレスタでサージ電圧を吸収しているということになります。
アーク放電が始まる電圧(放電開始電圧)は、アレスタ内部に封入されているガスの成分によって決まっています。
アレスタの特徴を下記に示します。
アレスタの特徴
- 漏れ電流がない。
- 静電容量が低い。
- 一度放電すると、サージ電圧が終わっても、電流が継続的に流れ続ける。
- 故障はオープン故障である。
- サージ電流耐量が大きい。
アレスタの『続流』と『バリスタ』
アレスタは一度放電すると、サージ電圧が終わっても、電流が継続的に流れ続ける性質があります。これを続流といいます。
この続流現象により、アレスタ単体で使用することは難しくなっています。この続流を防ぐために、アレスタとバリスタを直列に接続して使用します。
アレスタの『回路記号』
アレスタの回路記号を上図に示しています。丸に横棒が2本の記号もあれば、丸に矢印がついている記号もあります。
『アレスタ』・『サージアブソーバ』・『避雷器』などの用語と違い
「サージアブソーバ」や「サージ防護部品」は、雷・静電気放電・スイッチングなどによって発生する過渡的なサージ電圧から機器を保護する素子の総称です。
バリスタ、ツェナーダイオード、ガス入り放電管(GDT:Gas Discharge Tube)、保安器、避雷器などはサージアブソーバの一種となります。特にガス入り放電管などの放電式のものはアレスタと呼ばれることが多いです。
補足
- サージ防護部品は英語では「Surge Protective Device」と書きます。
- サージ防護部品は英語の頭文字をとって「SPD」とも呼ばれています。
- サージアブソーバは英語では「Surge Absorber」と書きます。
まとめ
この記事では『アレスタ』について、以下の内容を説明しました。
- 『アレスタ』とは
- 『アレスタ』の特徴
- 『アレスタ』の続流現象と対策
お読み頂きありがとうございました。
当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧は以下のボタンから移動することができます。
また、下記に当サイトの人気記事を記載しています。ご参考になれば幸いです。