シャントレギュレータには負荷と並列に制御素子が接続されています。
この制御素子には基本的に『ツェナーダイオード』と『基準電圧IC(シャントレギュレータICとも呼ばれています)』が使用されているのが多いのですが、これらの違いは何でしょうか。
これから違いについて細かく説明していきます。
『ツェナーダイオード』を用いたシャントレギュレータと『基準電圧IC』を用いたシャントレギュレータ
『ツェナーダイオード』を用いたシャントレギュレータは左図、『基準電圧IC』を用いたシャントレギュレータは右図になっています。
ツェナーダイオードと基準電圧ICは回路記号は似ていますが、特徴は全く異なります。基準電圧ICの基準電圧VREFは高精度かつ温度に対して安定なのが特徴となっています。
『ツェナーダイオード』と『基準電圧IC』の違いのまとめ
上表に各違いをまとめました。
表から分かるように,『基準電圧IC』は多くの点で『ツェナーダイオード』より優れています。
そのため、高い出力精度を要求されるシャントレギュレータには『基準電圧IC』を用いるのが一般的です。大体の定電圧でよい場合や、過電圧だけを吸収できれば良い場合には『ツェナーダイオード』を用います。
*最少電流について
ツェナーダイオードの場合は、安定した定電圧を得るために必要な電流のことです。
基準電圧ICの場合は、最小カソード電流のことです。最小カソード電流とは基準電圧ICが動作するために必要な電流(ICの消費電流)のことです。基準電圧VREFと内部のオペアンプが動作するために必要となります。最小カソード電流が確保できない場合、基準電圧VREFとオペアンプが正常に動作しないため、基準電圧VREFが低下します。この最小カソード電流はデータシートではIMINと記されていることが多いです。